産賀良助の普変なる日常

1年生1学期

4月4日（日）雨 始まりと動機

　僕が日記を始めようと思ったきっかけは大したものではない。暇を持て余した春休みの中でたまたま見かけた動画があった。その動画は、とある男性の12歳から37歳までの映像をまとめたもので、毎年全く同じ場所と同じ角度を設定して、その男性を映すことによって成長の過程が見られるというものだった。

　もちろん、始まりの12歳から暫くの間は、親が何となく撮り貯めていた映像だったのだろう。けれど、ある程度大人になってからも男性が自分の意思で自分を撮り続けたことは、その映像が何か意味を成すと見越して継続したことなんだと思う。

　その動画以外にも100日続く系の漫画だったり、動画サイトに毎日投稿したりして、それを最後まで完遂した中には、「継続は力なり」を表すような結果を出している人も多い。だから、僕もその一人になりたい……というほど向上心はないけれど、何か継続できることを始めてみようと思ったのだ。

　そして、春休みが終わる直前まで考えた結果、日記を付けることにした。将来的にそれを世間に発表するかわからないし、実際に毎日書き続けられるかもわからない。

　でも、継続しようとすることで、今のところ夢もなく、周りに流されるがままに近くの高校に入学した僕も何か新しい結果が見えてくるかもしれない。そんな期待がどこかにあった。

　まぁ、そんなことを書き連ねておいて、この日記が3日後に終わっている可能性は十分ある。ちょっと良さそうな日記帳を買ったことを後悔しないよう、せめて2週間くらいは継続してくれていることを将来の僕に願う。