第10話 閑話1*〈貴腐人に憧れる会〉主催* ジークハルト愛の講演会~その愛は尊く~
……お集まりの皆様、ご静粛に。これより〈貴腐人に憧れる会〉の定例会を始めたいと思います。
なんと本日は我らが腐女子の神、腐薔薇の貴公子ことジークハルト様が特別講師として……駄目ですよ、そこ!勝手に質問をしない!ちゃんとジークハルト様の尊いお話を聞くコーナーを設けてますから!ジークハルト様のお話はみんなの財産ですよ!
こほん。では、ジークハルト様どうぞ。
「やぁ、久しぶりだね。みんな元気そうでなによりだ」
きゃーっ!ジークハルト様素敵ですぅ!
……失礼致しました。では早速ですが、ジークハルト様のお話を聞かせて頂きたいと思います。
えー、腐女子の皆様からの質問が膨大なため、事前にこちらで集計していくつかピックアップさせて頂いております。まずはこちらから……
Q1、ジークハルト様は攻めですか?受けですか?
「そうだなぁ、僕の愛を受け入れてくれる少年の方が多い。かな?僕が受け入れたくなるほどの激しい愛を与えてくれる人がいればわらないけどね」
はわわわわわ……❤️おっと、数名の腐女子の方が鼻血の出しすぎで倒れました!貧血ですね、誰か救護室へ連れていってあげて下さーい。では続けます。
Q2、ジークハルト様のお好きなタイプはどんな方ですか?
「僕は愛の狩人……僕を愛してくれる皆を平等に愛したいところだが、やはり可愛らしい人が好きかな?」
た、例えば……?!
「僕の囁きに、初々しい反応をしてくれる子とか」
やっぱり――――っ!ジークハルト様が初物食いを好んでらっしゃるという噂は本当だったのですね!?
「別に狙ってるわけではないのだけど、僕が大人にしてあげた子は確かにいるよ」
だ、だだだだだ誰ですかぁ?!腐女子たちの噂では、あの方とこの方と、それからこの間デビュタントを済ませたばかりだという例の美少年がお相手だったのではと……!
「あぁ、あの子たちか。ふふ、あの滑らかな肌の子だったら……」
その先を詳しくお願いします――――っ!メモメモ!
「はーい、そこまでですわ!腐女子の皆さん、お時間ですよ!」
そ、そんなぁ!ロゼリア貴腐人様!ここからがいいところなのにぃ!
「そうは言っても本日はジークにい様は伯爵家を継ぐ手続きでこちらにこられておられるんですから、あまりお時間はとれないと言いましたよ?」
もう少しだけ!一生のお願いです!
「……しょうがないなぁ。では、君だけ特別に……ごにょごにょごにょ」
えっ、まぁっ!実地でそこまで……!あっそんなきわどいこと………………ぶはぁっ!!(鼻血噴出)
「ジークにい様……彼女の耳元で何を吹き込んだんですか?」
「ん?真実の愛について教えただけだよ?」
す、素晴らしいです……!さすがは美少年キラー……我が萌えに悔いなしです!
「あ、立ち上がったわ。さすが次の貴腐人候補の令嬢ね……!そうよ、ジークにい様の今のお話はまだジャブですわ!これくらいで気絶していては真実の愛は語れなくてよ!」
はい、ロゼリア貴腐人様!でもジークハルト様のおかげで創作意欲がさらに高まりましたぁ!!さぁ、皆さんご唱和下さい!
萌え――――っ!
萌え――――っ!(合唱)
はぁはぁ、取り乱してしまい申し訳ありません。では、これで〈貴腐人に憧れる会〉の定例会を終わりたいと思います。ジークハルト様ありがとうございました!
ありがとうございましたーっ!(合唱)
〈貴腐人に憧れる会〉ではこれからも円滑な活動のために是非またジークハルト様に愛について講義して頂きたいと考えております。
腐女子の皆様はご要望ご質問などありましたら〈貴腐人に憧れる会〉運営部までご連絡下さい。あなたのひと言が、真実の愛の布教につながるのです……!お待ちしております。
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