TURN10:思わぬ再会【後編】

(前回までのあらすじ。カードアニメの世界に転生した俺だけど、なんと俺のばあちゃんも女子中学生のチヨとして、この世界に転生していた!早速ばあちゃんとデュエルすることになった俺だが…)


タカシ

HP:4000 AC:0 手札:2枚

裏側カード:3枚


チヨ

HP:4000 AC:2 手札:5枚

フィールド:沼地の支配者ゲロゲロック

裏側カード:1枚


「マジックカード『マジックポスト』を発動するわー」


AC:2→1

『マジックポスト』 マジックカード

自分の山札の上から4枚を確認する。その中にマジックカードがあれば1枚選び、相手に見せてから手札に加える。選ばなかったカードは山札に戻してシャッフルする。


(ドローにサーチカード、ばあちゃんのあのプレイング、確実に除去札を引きに行ってる!ここで全体除去を引かれたらほぼ負け!さあ、どうくる!?)

(このカードでデュエルが決まる、と言っても過言ではないわねー)


 チヨは山札の上から4枚を確認。そのカードは…

「クイックコール」「切断の壁」「ドロゲロゲ」「落とし沼」


「うーん、クイックコールを手札に加えて、残りは山札に戻すわねー」

(セーフ!どうやら除去札は引けなかったみたいだ!)

(ちょっと今日は引きが弱いわねー)

「リボンゲロゲを召喚するわねー。その効果でヨブゲロゲを蘇生。そしてヨブゲロゲの効果でドロゲロゲを召喚し、1枚ドローするわー」


AC:1→0

手札:4→5枚

『リボンゲロゲ』

下級 タイプ:水 分類:爬虫類 攻撃力:0 防御力:100


『ヨブゲロゲ』

下級 タイプ:水 分類:爬虫類 攻撃力:0 防御力:100


『ドロゲロゲ』

下級 タイプ:水 分類:爬虫類 攻撃力:0 防御力:100


 チヨはドロゲロゲの効果でドローしたカードを確認する。

(やっと『ハーピィの大竜巻』を引いたけどわたしのACは既に0。残念ながらこのターンは使うことができないわねー。だったら…)

「沼地の支配者ゲロゲロックの効果を発動するわねー」

「あ、モンスター効果の発動に対してカウンターカード『スキルキャンセル』発動で」

「あらら?」


『スキルキャンセル』 カウンターカード

相手がモンスターの効果の発動宣言時に発動できる。その効果を無効にする。さらにそのモンスターの効果は、次のターンの終わりまで効果を発動できない。


「なるほどねー。モンスター効果の発動を阻止する事でマジックロックを解除するのがたかしちゃんの狙いって訳ね。だったら…わたしは3体のゲロゲモンスターでエクストラー!」

 濁流と共に現れたモンスター。それは…

「1体目の効果が封じられたのなら2体目を立ててもう一度効果を使えばいい。ということで2体目のゲロゲロックをエクストラ召喚するわー」

「ふっふ」

「あらら?」

 ニチャア…と笑みを浮かべるタカシ。そして裏側カードを表にする!

「カウンターカード『爆流葬』を発動します」


『爆流葬』 カウンターカード

モンスターが召喚された時に発動できる。互いのフィールドのモンスターを全て破壊する。


 大洪水が発生し、2体のゲロゲロックは押し流されて破壊される!

「あらあらあらあら!これはしてやられたわね…!爆流葬は強力だけど自分のモンスターも巻き添えになる。でもモンスターが一枚も場に出ていなければ巻き添えにならない。これがたかしちゃんの狙いだったのねー」

 タカシはこくりとうなずいた。

(ふふふ…いい顔してるわねたかしちゃん。あなたの笑顔見たのはいつ以来かしら…本当にこのゲームが好きなのねー)

「わたしはこれでターンエンド」

「ターンもらいます。ドロー!」


タカシ

HP:4000 AC:3 手札:3枚

裏側カード:1枚


チヨ

HP:4000 AC:0 手札:5枚

裏側カード:1枚


(互いにフィールドのモンスターは無し。そして裏側カードが1枚。マジックロックも解除できたし流れは完全につかんだ!でもばあちゃんの手札は5枚。普通にターンを渡したら確実に押し返される。ここは一気に制圧する!)

「裏側で伏せておいた『アクアコール』でミラゲロゲをサーチ」

「3枚の裏側カードの最後の1枚はマジック…つまりブラフだったのねー」


※前のターンに裏側で出したマジックカードはACを払わずに発動できる。

『アクアコール』 マジックカード

自分の山札から好きな水タイプモンスターを1枚選んで手札に加える。


「ヨブゲロゲ召喚、効果でミラゲロゲをデッキから召喚、ミラゲロゲの効果で手札のミラゲロゲを召喚で」


AC:3→2

『ヨブゲロゲ』

下級 タイプ:水 分類:爬虫類 攻撃力:0 防御力:100


『ミラゲロゲ』

下級 タイプ:水 分類:爬虫類 攻撃力:0 防御力:100

効果:このモンスターが場に出た時、自分の手札にある名前に『ミラゲロゲ』を1体選び、召喚する。(このターン中にミラゲロゲの効果を既に使っている場合、この効果は無効となる)


「3体の爬虫類モンスターでエクストラ」

 今度はタカシのデュエルガジェットの中から激流と共にモンスターが現れる!

「沼地の支配者ゲロゲロックをエクストラ召喚で」

「………」


『沼地の支配者ゲロゲロック』

エクストラ タイプ:水 分類:爬虫類 攻撃力:1500 防御力:1800

召喚条件:水タイプ爬虫類下級モンスター×3


(ばあちゃんの場には裏側カードが1枚あるけど、このタイミングでは使ってこなかった…ってことは「爆流葬」のような「召喚に反応するカード」ではない…)

「裏側カードを1枚出してから『天使の豊札』使います」


AC:2→1→0

手札:1→4枚

『天使の豊札』 マジックカード

自分の手札が4枚になるように山札を引く。


「ヨブゲロゲを墓地に送ってゲロゲロックの効果発動。対象はマジック。そして…」

「ふむふむ…」

(直接攻撃で一気に攻める!と行きたいところだけど…)

「ターンエンド」

「…!」

(あまり勢いに任せすぎるのは良くないよな。あの裏側カードはミラバリ辺りの攻撃に反応するカウンターっぽいし)

(あらあら~伏せカードを警戒して攻撃してこなかったわね~。ミラーバリアを伏せてたから攻撃してきてくれたら切り返せたんだけど…)

「私のターンね。ドロー」


タカシ

HP:4000 AC:0 手札:4枚

フィールド:沼地の支配者ゲロゲロック

裏側カード:1枚


チヨ

HP:4000 AC:0 手札:6枚

裏側カード:1枚


(うーん…私の手札の半分はマジックカードで今は発動できない。今引いた「ミラゲロゲ」は単体では出しても意味がない。これは厳しいわね…)


「カードを2枚裏側で出してターン終了よー」

(ここはカウンターで凌ぐしかなさそうねー)

「ターン貰います。ドロー」


タカシ

HP:4000 AC:3 手札:5枚

フィールド:沼地の支配者ゲロゲロック

裏側カード:1枚


チヨ

HP:4000 AC:1 手札:4枚

裏側カード:3枚


「マジックポスト使います」


AC:3→2


 タカシは山札の上から4枚を確認した。

(よしよしきたきた!)

「ハーピィの大竜巻を手札に加えます。そのまま発動します」

「あらあらら…」


AC:2→1

「ハーピィの大竜巻」 マジックカード

互いのフィールドのマジック・カウンターカードを全て破壊する。


 タカシの裏側カード1枚とチヨの裏側カード3枚が墓地へ送られた。そのカードをタカシは確認する。

(案の定ミラバリ伏せてたなばあちゃん。今度こそ安心して攻められる!)

「ヨブゲロゲを召喚し、効果でドロゲロゲ召喚。その効果で1枚ドロー。そしてこの2体でウォータースナイパーをエクストラ召喚」


AC:1→0

『ヨブゲロゲ』

下級 タイプ:水 分類:爬虫類 攻撃力:0 防御力:100


『ドロゲロゲ』

下級 タイプ:水 分類:爬虫類 攻撃力:0 防御力:100


『ウォータースナイパー』

エクストラ タイプ:水 分類:アクア 攻撃力:1000 防御力:1000

召喚条件:水タイプモンスター×2

効果:1ターンに一度、このモンスターの素材カードを1枚を捨てて発動できる。相手に500ダメージを与える。


「ゲロゲロックの効果、対象マジック。そしてウォータースナイパーの効果も使います」

「うーん」

 水の弓矢がチヨに命中する。


チヨ HP:4000→3500


「そしてバトル入ります。ゲロゲロックとウォータースナイパーで直接攻撃」

 2体のモンスターがチヨを襲う。

「あらあらあら…」


チヨ HP:3500→2000→1000


「ターンエンドで」

「私のターン。ドロー…ふふっ」

 僅かにほほ笑むチヨ。すると手札のカードをタカシに見せた。


チヨの手札

クイックコール ハーピィの大竜巻 マジックポスト ミラゲロゲ アクアコール


「この状況で使えるカードは1枚もない。ってことは…」

「そうねー。悔しいけど、降参だわー」

「っしゃあああああ!!!初めてばーちゃんに勝った!!!」

 思わずガッツポーズをするタカシ。

「1ターン目にゲロゲロック出せた時は勝ったと思ったけど、あの状況を覆してくるとはねー。本当に強いのねー」

 タカシは褒められて満更でもなさそうな表情だ。

「それにしても1ターン目にモンスターを出さなかったのには驚いたわー。あなたの性格からしてもっと堅実な戦い方をすると思ってたんだけどー」

「あー、うん。俺自身もらしくないやり方だと思ったわ。もしかしたらアイツの癖がうつったのかもな…」


「へっぷし!」

「遊太?風邪でもひいたの?いや、バカは風邪をひかないはずだけど…」

「うーん?誰かが俺の噂でもしてたのかな?」


「ところでたかしちゃん、あなた今はどうやって暮らしてるの?」

「どうやってって…そこらへんでデュエルして金稼いで、適当なモン食って、適当な場所に毎日泊まってって感じだけど…」

「ふーん…ねえ、たかしちゃん。この家で暮らしてみない?いつまでもその場凌ぎの生活をするくらいなら、ちゃんとした家に住んだ方がいいと思うのよー」

「ええ??でもこの世界じゃ俺とばーちゃんは赤の他人でしょ!?この家の家族がOK出さないと思うんだけど…」

「ママはOKでーす!!」

 部屋の外から声が聞こえてきた。

「だ、そうよー」

「マジか…器が大きすぎる」

「たかしちゃんの家族入り決定ー!やったねー!ってことでー!!」

 チヨはタオルと石鹸を取り出した。

「へ?」

「たかしちゃん!!お風呂入ってないでしょ!!不潔なのはいけません!!」

「えー!だって風呂とか面倒だしデュエルが強ければ良くない??」

「良くありません!!お風呂入るのが嫌なら私がたかしちゃんを隅々まで洗っちゃうわよー!!」

「うぇえええええ!?それは勘弁!!わ、分かった!自分で入るから!!!」


 こうして家族との再会を果たし、住む場所を見つけたタカシなのであった~


To be continued…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る