雪の朝
うしろを見ずに
雪を歩き
その道がまっしろなぶん
やさしくなれる気がして
まだ
うしろを見ない
晴れ
雪の日
にんげんが
ま雪のうえで寝転ぶと
そこはにんげんのかたちになるので
征服された自然になり
どんどん無機質に
そういう営みがにがてなので
わたしはうしろを見ないのだが
いつか振り向かざるをえない朝がきて
すこしずつ
すこしずつ
にんげんになっていくことの
微妙に
不安定なゆらぎ
ゆらぐ
光のつぶのまえに
季節はゆっくりあらわになり
わたしは服を着る
なるべくあたたかいもの
雪のうえを
歩くための
あたたかいもの
もういちど
ま雪が道に積もる
そしてもういちど
わたしは営みをくりかえす
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