君に大団円を

加茂

前文

 深い青色の布の張られた厚い表紙をめくる。一ページめくれば君と出会った日が、二ページめくれば君の笑顔が目に映る。ページをめくるごとに左手に積み重なる君との日々が温もりを持って俺の胸に積もりゆく。そして、その温もりは同時に別れの苦しみをより大きいものにする。俺がこのアルバムを閉じるときに君はどんな子になっているのだろう。どんな顔で俺を見送ってくれるのだろうか。俺は『君に幸あれ』と心の底から願う日々が永遠に続けばいいと、きっと最期の一瞬まで思うのだろう。ああ、別れが来ることを知っていることが、こんなにも苦しいだなんて知りたくはなかった。永遠を信じて君と過ごせたならばどんなに幸福だっただろう。


 君に大団円を。俺に安らぎを。

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