本職は同性に恋をしたものである。
@nogiguchi
第1話 出会い
本職はひどく赤面した。
彼の容姿に対して思わずしてしまった反応を抑えきれない、つまり一目惚れである。
令和3年の冬、本職は用事があることから昼過ぎの淡い日光をまといながら交番から警察署へ戻ったのだが、その道中に本日が卒配日であることを思い出した。
同日は、本職にとっての初後輩ができる特別な日である。
卒配生への歓迎ムードに包まれる警察署にて、本職は同卒配生を一目見るため、警務課に向かったものであるが、警務課には、警察学校を卒業したばかりの初々しく制服を着用した少年がいた。
「
係長に促されて緊張した表情で本職に挨拶をした同少年は、少々異国風漂う筋肉質で背の高い男である。
本職は、彼の顔を見上げながらありきたりな返答をしている途中、自身の顔が紅潮していくことに気づき、係長の「彼は恥ずかしがり屋だから。」との引き立てを背に警務課を離脱した。
本職は紅潮した顔を誰にも見られたくなく思い、冷えた庁舎内を歩いて顔を冷却しよう
と試みたのだが一向に引かず、寧ろ、胸の高鳴りが気になり始めた。
これが本職の初恋である。
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