第2話「爆発、そして男は女になった」

「はあっ!?な…なんだよこれ!」


 男は高い声で叫ぶように独り言を呟いた。

 それは、床に飛び散った黄土色の液体を見たからではなかった。

 頭を抱えて瞼を閉じ、身を守る体勢を取っていた男が次に見たものは、黄土色の液体、豆腐、ワカメ、ジャガイモ、そのいずれでもなかった。

 男が見たもの………

 それは、シンクに反射する自身の姿だった。

 髪は伸び、背は縮み、肌はスベスベモチモチになっていた。

『ボンッ』という音が響いた瞬間、男は女になっていた。

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