第27話

 最近何かがおかしい。


 誰かにずっと見られている気がする。


 前までそんなの無かったのに最近になって思うようになった。


 まだ実害があったわけじゃないからどうしようもできない。


 この段階ではまだ私の勘違いの可能性もまだあるから今はなんとも言えない状況にある。


 でも本当に怖くて、誰かに相談した方が良いのかな?

 

 もしかして私が魔法少女だってことがバレてしまったとか?


 それだったら私だけじゃなくて莉緒と菫も危ないかもしれない。


 とりあえず明日莉緒と菫に相談してみよう。

 

 ***


「ねぇ菫」


 休み時間になったから次の授業の予習をしている菫にどうか聞いてみる。

 

「はい、千沙さん。どうしたんですか?」


「最近なんか変な視線を感じたりしない?」


「?いえ、全く」


 どうやら菫は感じてない様子だ。


 だったら魔法少女にバレたってことはないのかな?


「変な視線を感じるんですか?」


「最近ね」


「大丈夫なんですか?」


「今のところは」


 今後これ以上のことが起こらなきゃ良いけど。


「菫も気を付けてね」


「私は大丈夫ですけど、勘違いという可能性はないですか?」


「私も勘違いであって欲しいけど」


 勘違いだったら私の自意識過剰で終わるんだけど、自意識過剰であって欲しい。


「本当に大丈夫なんですか?」


「まだ大丈夫だと思う」


「何かあってからでは遅いですから、何か対策をしないと」


「それだったら莉緒も誘わないと」


 魔法少女である莉緒も誘わないと、一応リーダーだから。


 私と菫で莉緒の席に向かうと。


「あはははははは」


「何がおかしい」


 笑う莉緒と怒る宇野、本当に仲が良いなぁ。


「だって宇野くん、好きな食べ物チョコって」


「別に良いだろ」


「あまりにも可愛かったからつい」


 宇野ってチョコが好きなんだぁ、意外だなぁ。


 そんな甘いものなんか食えるか、って言いそうなのに。


 いや、そんなことはどうでも良い。


「ねぇ莉緒」


「ん?千沙ちゃんに菫ちゃんじゃん。どうしたの?」


 振り返って私たちを確認する莉緒と、私たちが来て露骨に嫌な顔をする宇野。


 そして、莉緒に解放されたと思って肘をついて窓側を向く。


「莉緒って最近変な視線とか感じたりしない?」


「全然しないよ」


「そっかぁ」


 私だけなんだ。


 ということは魔法少女関連では無さそうだ。


 私個人で誰かしらがストーカーをしてるのかも。


「もしかしてストーカー?」


「かもしれない」


「それだったら警察に言わないと」


「でもまだ何もされてないから警察に言っても無駄だと思う」


 私も最初に思い付いたんだけど、被害が起きてからじゃないと警察は動かないって言うし。


「そうですね」


「それに私の勘違いの可能性が残ってるから」


「勘違いじゃなかったらどうするの?」


「だから今莉緒に相談しようと来たんだよ」


 何かを考える時はたくさんの意見がある方が良いしね。


「ちょっと待ってください。今日のこんな短い時間では良い方法は思いつかないかもしれません。また日を改めて時間に余裕がある時にする方が良いかもしれません」


 菫の言ったことはまさにその通りだ。


 逆に焦って変な意見が出たら悪い方向に行くかもしれない。


「でも今日の帰り道はどうするの?もしかしたら今日被害に遭うかも」


 そうだ、今日意見が出なかったら今日はどうすれば良いの?


「そうですね、私たちが一緒に帰ってあげれば良いんですけど、ストーカーの相手が男でしたら私たちは力で負けてしまいますし」


 そうだよね、なんの作戦も無く帰って、ストーカーが男だったら被害が私だけでは済まないかもしれない。


 私だけならともかく莉緒と菫を巻き込みたくは無い。


「「「う〜〜〜ん」」」


「あ!」


 莉緒が何か閃いた様子だ。


「宇野くんと一緒に帰れば良いんじゃん」


「おい」














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 異世界に転生したからチートで無双してモテモテな異世界ライフ! ……って思ってた時もありました

という作品も書いているのでぜひ見てください。


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