1-8 探索、第136支道区

 階段を上り、一つ上の支道区へと辿り着いたPCたち。第136支道区入り口は魔動機灯の明かりもぼんやりとしか灯っておらず、人そのものどころか、人の営みの気配も見当たらない。第137支道区同様の「136」と刻印されたプレートはあるが、手入れされていないのか、それ自体もかなり老朽化しているようだ。


GM:さて。キミたちが第136支道区の前に辿り着くと、何やら足跡らしきものを見つけられるね。ごちゃごちゃしていて分かりづらいものの、よく観察すればどれがどのような足跡かはわかるかもしれない。具体的に言うと、足跡追跡判定をしてみて欲しいな。


キッカ:やってみましょうか。


 一旦補正のない平目組(ソルベ、キッカ、ミヒャエル)で振ってみるも、撃沈。頼みの綱のスカウト組に託す。


ゴッドフリード:スカウトの出番だな。(ころころ)9。


ロラン:それじゃあ僕も……15。なかなかいいんじゃないかなぁ、これ。


GM:ロラン、凄いね……。


ソルベ:さすがエルフ。


GM:では、ロランは入っていく二対の足跡と、出ていく一対の足跡を発見できる。入っていく足跡は下の階層から中に、出ていく足跡は中から上の階層に向かっているのがわかるだろうね。どちらも大きい靴で、ドワーフの男女のものだと考えてよさそうだ。


ロラン:ふむふむ。


GM/セレン:「二人で入って、一人で出て行った……か、ここから出て行った一人がもう一人を連れてきた、ってところかな」


ロラン:「だろうねぇ……。とりあえず、此処の中を探してみようか」


ミヒャエル:「うむ、いよいよ核心に近づいてきたようであるな」


GM:足跡を追って奥に進むことはできる。ただ、下の支道区と違って中に魔動機灯の明かりはないよ。その辺りはなんとかしよう。具体的には借りたアレとか。


ミヒャエル:フム。マギランプがあったね。では明かりそのものは吾輩が灯そう。魔術師のMPは余裕があるのでね。


ソルベ:りょ~かい。ボッ(マギランプが点く音)。これ、誰持つ?


ミヒャエル:キッカくんあたりが持っておくのが良いのではないかと思うね。


キッカ:そうですね。ガンが買えなかったので、今は片手が空いてます。


ミヒャエル:万一のためだ、吾輩自身もライトを自分の杖にかけよう。(ころころ)……うむ、成功。これぞ魔術の深奥というものだよ。


ゴッドフリード:よしよし。あ、GM。支道区の中って馬入れる大きさ?


GM:あー……まあ、サイズ的には下の生きてる支道区と同じように町があった廃墟だからね、足元さえ気を付ければ普通に入れるんじゃないかな。


ゴッドフリード:よし、じゃあ乗っけてるミヒャエルをどかして馬に乗ろう。


キッカ:階段は終わりましたよ、自分で歩いてくださいね。


ミヒャエル:うむむ。仕方ない、自分の足で歩くとしよう。


ソルベ : ブブンブブブン(グライドウィングの音)。


GM:さすがにぐいぐい飛ぶほど天井高くはないから、ちょっと浮くくらいになると思うよ、グライドウィング。


ソルベ:じゅ~ぶんじゅ~ぶん。問題なし。


GM : OK、準備は出来た? 足跡を追って中に入る?


ロラン:そうだねぇ。先行は前衛に任せたよ。


ゴッドフリード:任された。


キッカ:私も前です……よね。頑張ります(マギランプを構える)。


GM:頑張ってね。まあ、キッカちゃん防護点6もあるし一番安全かもしれないけど。


ゴッドフリード:硬いよなぁ。マギシューなのに。


キッカ:その代わり、ガンもマギスフィアも持ってませんけどね……。


 キッカとゴッドフリードとロランを前に、ソルベとミヒャエル(とセレン)を後ろにするような陣形で真っ暗な支道区を進んでいく。いざという時のために、警戒は怠らないPCたちである。


GM:支道の中もやはり、入り口から見た時と変わらず明かりがなく真っ暗だ。崩壊したままの廃墟が周囲にそのまま残されていて、瓦礫となっている広い場所もあれば、坑道跡が遺された細い道もある。


ミヒャエル:「ううむ。これではダンジョンと大差無いな……」


ゴッドフリード:「ま、人が棲まない場所なんて今のご時世、どこもそんなモンだろ」


GM:ちなみに足跡は、変わらず奥へ向かうもの2つと出ていくもの1つだね。


キッカ:どんどん奥に進んでいっている……のでしょうか。こんな廃墟を?


GM:そうして進むと、キミたちはごく少数の者が野宿していたような痕跡を発見することができる。古さ新しさはバラバラで、かなり長い間、ぽつりぽつりと使われていたみたいだ。


キッカ : 「住んでいる人が居る…‥のでしょうか?」


GM:ごく最近にも一人利用していたようで、かなり新しい野宿の跡もあるよ。そこに残された足跡を見れば、先程から見つけていた出ていく方の足跡と全く同じものだということもわかるだろうね。


ミヒャエル:「ふむ、どんな人々が使っていたのだろうね」


GM/セレン:「下の彼が言うには、人の目につきたくないヤバい奴ら……だったかな。今のところ、姿は見えないけど」


ゴッドフリード:「足跡も同じなんだ、この奥に向かえば分かるんじゃねぇかな?」


ミヒャエル:「それもそうだ。引き続き進むとしようか。……まさか罠などは無いだろうな。気を付けるとしよう」


GM:足跡はそこも通り抜けてさらに奥に進んでいる。沿って進む?


ゴッドフリード:うむ。さっきと同じく、メインスカウトを前に進もうぜ。


ミヒャエル:そうしよう。


ソルベ:まぁ警戒しながらね~。行こう行こう。


 足跡を追いながら、ずんずんと奥に進んでいく。曲がりくねったり、あるいは少し狭くなったり広くなったりを繰り返す道を経て、二種類の足跡の先は壁に突き当たる。入ってきた足跡はその壁に向かっており、出てくる足跡はその壁の下から現れているようだ。


GM:壁に突き当たった。どうする?


ゴッドフリード:「……壁?」


ミヒャエル:「ふむ、隠し扉といったところであろうな。ゴッドフリートくん、少し調べて貰えるかね? 何かあった時、君が一番対処出来るだろう」


ゴッドフリード : 「応。了解、と」


GM:OK。隠し扉に限らず、何か探したいなら探索判定だよ。


ゴッドフリード:壁を探索。(ころころ)14。


GM:いい出目だね。キミはスライド式の隠し扉を見つけた。少々軋んではいるものの、キミなら一人の力で問題なく開けることができるだろうね。扉を開く?


ソルベ : 爆破する?


ミヒャエル:中に探し人がいたらどうするのかね。まあ、開けるしかあるまい。


ロラン:待った。聞き耳とかしてみる?


ゴッドフリード:あぁ、あったな。聞き耳。やってみるか。


ロラン:一応ね。……11。まあまあかな。


ゴッドフリード:こっちは8だ。さすがに聞けないってことはないと思うが。


GM:そうだね、中からは小さく水音のような音が聞こえる。


ゴッドフリード:「……此処、水道は無いって話だったよな?」


ソルベ:「死んでる、あったけど機能してない、じゃなかった?」


ミヒャエル:「うむ、そんな話をしていたな」


GM/セレン:「だとしても、水音がするのはおかしい。水が漏れてる場所が分かってるなら、直そうとしてもおかしくないんじゃないかな」


ゴッドフリード:「……つまり、未発見区域ってことか?」


キッカ : 「何にせよ……見えないでは判別がつきません」


ゴッドフリード:「そうだな……行くしか無いか」


ミヒャエル : 「うむ。十分に気をつけよう」


GM : 扉、開ける?


ロラン : 開けようか。いきなり水の化け物とご対面、は勘弁被るけどねぇ。


GM:さて、どうだろうね。じゃあ、開くよ。オープン。

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