空気になる

やさしい人に生まれたかった

いやしい人に生まれたかった

それ全部が心臓と脳にあると知った


掴まれた心臓は強く強く脈を打ち

締め上げられた脳はべちゃっと潰れた


時々、こういう人になりたいと言う

時々、こういう人ならいいのに言う

それ全部が心という精神にあると知った


心なんて曖昧なものを信じられるか

でも、こうやって感情がある

精神なんて目の見えないものを信じられるか

でも、志は憧れに満ちていた


結局、何も拾えず、何も得られず

ゆっくりと、何にもなれなかった

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