第53話 安全地帯の闘い・リターン




 昨日は立ち寄れなかった、2日振りの安全地帯に酔っぱらいつつも何とか到着だ。今回はこちらのメンバーが増えているので、ちょっと心情的にも新鮮ではある。

 それは向こうもそうらしく、何だこの飛翔物はと着ぐるみ達にたかられる仔竜。ネムは全く動じる様子を見せず、何だコイツ等はと言う視線を飛ばしている。

 頼もしいな、だけど喧嘩は売らない様に。


 ファーはその点ちゃっかり屋さんだ、大樹の依頼書のチェックに素早く取り掛かっている。俺も行かなくちゃ、この後の予定も詰まっているからね。

 さてと、新しいクエ依頼書はあるかな? おっとあった、今回も『手製の装備製作』依頼と、前回もあった『手合せ:複数』……って、複数ってナニっ!?

 酷い、いきなりハードル上がってるじゃん!


 その他のクエは特に増えていない、補修依頼と薬品の交換券は有り難く使わせて貰うとして。ファーが樹上に隠してあった、『ランダム交換券』をご機嫌に3枚回収して来てくれた。

 よしよし、これが毎回楽しみなんだよなぁ。後は薬品交換券と修繕チケットを忘れずに、それから水汲みクエでの貴重な薬品の補充も抜かりなく。

 何回もこなしてるので、すっかり身に付いたルーチンである。


 ところが今日に限って、妙なイレギュラーが散見された。何とこの時期に新キャラクターの出現、メイド服を着た雌猫の着ぐるみNPCがネムにちょっかいを掛けていて。

 何だコイツはと思わなくもないが、その雌猫が手にしている派手なのぼりが俺の目を惹いた。森の出張売店:黒猫の何でも屋と書かれている……おやまぁ、そうなのか?

 何を扱っているんだろう、買い取りもしてくれるのかな?


 取り敢えずは薬品をチケットと交換、それから装備品の修繕までは無事に終了して。《清き水》のお蔭で、水汲みクエも難なくクリア。

 ランダム交換券では、初見の『還元の札』と言うモノを貰えた。これはどうやら、必要の無いスキルPを吸い取って、別のスキルへと割り振る事が可能なアイテムらしい。

 おおっと、老亀仙のしてくれたサービスじゃん、このお札で出来るとは驚き。


 スキルPは結構知らずに増えるから、これは持ってて嬉しいアイテムかも。短剣スキルもゼロになったけど、ちょっと扱えばまた生えて来るかも知れないし。

 それからポーションP×5個セット、普通によく使う薬品なのでこれも嬉しい。最後の一つは、ちょっと意味不明……『戦闘メイド服』って何だ!?

 メイド服を着て戦えってか、ってかこれは完全女性用らしい。


 当然だ、男がスカート穿いてうろつき回れるかっ! ってか、ファンタジー世界にメイド服は需要があるのか? ある……んだろうな、俺も普通に見てみたいし。

 琴音にあげたら、喜んで着てくれるかなぁ?


 そしてその混乱は、雌猫着ぐるみNPCの売り物を見て、さらに拍車が掛かる事態に。ここでも売ってました、戦闘メイド服……この雌猫が着てるのと、同じ感じらしいんだけど。

 しっかりとアピールされて、しかもやたらと身体のラインがセクシーだったり。大きな着ぐるみ頭部とまるで不釣り合い、狙ってやってるのならかなりあざといな。

 まぁいいけど、それより商品の並びがなかなかの充実具合。


 炎の神酒や闇の秘酒、ハイポパウダーなんてのも売っていた。パウダー系は是非欲しいな、戦闘中に容易に使える回復薬だから消費も激しいし。

 他にも普通に薬品系が並んでいる、ポーション(大)は少し買っておこうかな? 今や俺のHPは200オーバーなので、小では回復が追い付かないと言うね。

 マナポ系はスルーして、他に何か目ぼしいモノは無いかな?


 あった、何種類かある内の防具の中に、今装備しているより上物の御守りが1種類ほど。『野生の御守り』と言うらしく、筋力と敏捷に補正が付くみたいだ。

 これは掘り出し物だな、ちょっと高いが購入決定。


  ――野生の御守り 耐久4、防+2、筋力+6、敏捷+2


 強化系のお酒も1本ずつ買って、合計で2万モネーは割とお買い得かも。それに待ったをかける雌猫売り子、強引に売り物の戦闘メイド服も押し付けて来るあざとい商法。

 まぁ性能の割には安いので、買ってもいいんだけど……おっと、色々とオマケしてくれるらしい。それなら話は別だ、追加で5千モネー支払って、魔石(微小)×10個セットが付いて来た。

 いいね、合成用のが丁度欲しかった所だし。


 ついでのついでに、こちらのいらないアイテムも買い取って貰う事に。少し渋られたが、メイド服付属のリボンも2つ買い取ることで、何とかオッケーを貰えた次第。

 よく分からないが、メイド服仲間が欲しいのかも知れないな。そんな訳で、必要の無い装備品を処分する。予備的に持ってた蛙の王笏おうしゃくや海賊の短槍、質素な帽子は売ってしまう事に。

 そもそも武器を持ち過ぎだ、コレクターじゃあるまいし。


 同じく護衛の弓と革の幅広ベルトも、交換後の鞄の肥やしだったので売却する事に。結果、2万1千モネーの儲けで、今回の売買はトントンといったところ。

 豹柄のマスクはどうしても買い取って貰えず、宝飾の片手剣は高額過ぎて同じく買い取りを拒否られた。こんな辺鄙な地方の売店じゃ、仕方ないとも言えるのかな。

 おっと、水晶玉も各種売ってる……ネム用に買っておこうかな?


 1個2千モネーは、果たして高いのか安いのか……使い捨てだと思ったら高いが、ネムのステアップ用アイテムだと考えるとすごく安く感じてしまう。

 そんな訳で、迷わず各種2個ずつ購入して。合計で3万2千モネーの散財。取り敢えず買い物は一区切りつけて、受けていたクエ依頼の報告をして行こう。

 これでまた、報酬も色々と貰える筈。


 そんな訳で、各着ぐるみに依頼達成報告を行う。まずはさっきやたらと回収出来た、鳥の羽を矢束に交換して貰って。海岸で使った以上に、補充出来たので良しとしよう。

 それから水ヒルの討伐クリア報酬に、お握りと串団子セットを貰えてしまった。最近は保存食生活だったから、丁度良い補給かも。

 今や兎や猪を、倒して回る手間も面倒だもんね。


 そして待望のマップ埋めクエ、ようやく東の地図埋めがクリア出来た様子で。長かったな、本当にひたすら長かった……ようやくクリアだ、その分報酬は豪華みたいだが。

 例の未踏破ボーナス程度はあるかも、まずは経験値1000expと、お金が2万モネー。知恵の果実が1つと、武器指南書が1枚。それから、『野外活動』と言う名前の冒険スキル。

 どうも、野外での移動や収集活動にボーナスが付くらしい。


 NM討伐クエもクリアしていたので、そちらも報酬を貰えたのだけど。両手剣で使える《天翔雷鳴》と言う、結構威力の高そうなスキル技だった。

 オマケのようにこっちにも武器指南書が付いて来てたから、まるで無駄だった訳でも無いみたい。取り敢えずは売れれば儲けになるけど、やはり雌猫商店は買い取りを拒否。

 これも高額商品らしい、嬉しがるべきか悲しむべきか。


 しばらく鞄の肥やしになって貰う他はないな、もうすぐ街に出るのは確定してるのだし。それより他のクエに関しては、クリアになっていなかった。

 北と東のマップ補完はもう少しなんだけどな、南は騎士団の駐屯地や野盗の砦周辺がまるで歩けていない始末。他の収集系のクエは、もう諦めたと言うか面倒臭過ぎる。

 西の断崖絶壁の、周辺クエ辺りを最後にこなすかな?


 それから今日承った、新たな依頼2種は是非ともクリアしたい。まずは装備品の合成だ、いつもの作業場所で力作を造ってみたいと思う。

 せっかくなので、ちょっと実験してみたいことが幾つか。時の狭間の香木と、水と氷の香木を同時に香炉にくべるのはアリなのだろうか?

 これが上手く行ったら、実に時間節約に役立つんだけど……。



 試してみたところ、変に香りが混ざり合うことも無い様子。ステ欄に注意を払いながら、一緒に香炉の空間にいる小さな相棒たちにまずは労いのオヤツ進呈など。

 ファーにケーキかお団子どちらか選ぶように言うと、散々迷って苺ケーキにした様子。それを仲良く、仔竜のネムと分け合って食べている様はとても心が和む。

 俺もお握りを頬張りながら、スタミナ回復と合成の作業確認を脳内で。


 前回は骨素材で仕上げてしまって、報酬に変に響いてしまって後悔したのを思い出し。その失敗を踏まえて、今回は是が非でも木工作品で挑みたい所存。

 つまりは楯だ、一番造りが単純だからね。一応は出来栄えも報酬のランクに響くかもなので、防御力には拘りたいとは考えているけど。

 そうすると、楯のコーティングに別の素材が絡んで来そう。


 取り敢えず、楯の基礎部分には半壊馬車での探索で入手した半壊した車輪を使用する事に。やや大きい感じはするが、大楯だと言い通せば良い話だ。

 問題は楯の前面をどうやってコーティングするかと、持ち手の部分の工夫である。木板は収集したのが割とあるので、材料には幸い困らないけど。

 薄い板金もあるし、これで強度を増す感じにするかな?


 考えあぐねていたら、ネムがこちらの食べかけのお握りに目を付けた様子。甘えるように、フンフンと鼻を鳴らしている。食べ足りないみたい、意外と食いしん坊だな。

 肉も好きなのだろうか、とっておきの肉串も取り出して与えると物凄い食べっぷり。俺はさっき買った水晶玉を並べて、ついでにネムの成長方針をファーと一緒に考える素振り。

 やはり敏捷寄りにすべきかな、だとすると風系を多めに与える事になるけど。


 幸い風の水晶玉は、まだ結構鞄に入っている。土と炎も体力と筋力に直結するから、多めに与えてあげたいな。後はHP……は光だったかな、よく覚えてないや。

 ファーが作業場に出した水晶玉を、拾い集めてネムに与え始めた。嬉しそうにそれを丸呑みする仔竜、ただし全部はあげないみたいでファーの鞄にも幾つか入って行く様子。

 それは全然構わない、ってかこの問題はママに丸投げでいいや。


 ようやく食欲を満たして微睡まどろみ始めたネム、こっちは今からうるさくするが勘弁して貰いたい。まずは木切れを魔石合成で同じ大きさに加工してみるかな?

 例えるなら鱗のような感じ、それを車輪の前面に貼り付けて行ってみよう。合間に板金を釘打ちすれば、強度も増すだろうし良い感じに仕上がる筈。

 見栄えはやや悪くるかな、その辺は仕方が無いか。


 苦心しながら10分以上、なかなかの大作が出来あがった。ついでにステ欄を確認すると、水と氷スキルが念願通りに1Pずつ上昇している!

 木工スキルも地味に上がったし、目論見は大方成功だな……嬉しい限り、そしてあとちょっとで複合技が覚えられる手前まで来ている。

 何しろ手元に、貰ったばかりの武器指南書が2枚もあるのだ。


 後は水スキルに1P振れば……と考えてたら、その思考を読み取ったかのように、ファーが鞄から水の術書を取り出して、あげるねの仕草。彼女のへそくりらしいが、一体いつの間に!?

 どこで貰って来たのだろうか、平和的な遣り取りなら俺も一向に構わないのだが。ひょっとして、乙姫とのキャットファイトで……怖い想像はやめよう、多分優しい精霊からの贈り物だったのだろう。

 鯨モドキとか老亀仙とか、多分そうだきっと。


 不自然に引きらない様な表情を作って、ファーにお礼を述べて早速術書を使用する。ファーは満足そうに、仔竜の元に飛んで行って寛ぎ始めた。

 これで自前のポイントを消費せず、水魔法スキルが大台の20に到達した。そして得た魔法は《ヒール》と言う初級の回復魔法……使い勝手が良さそうだから、実は前から欲しかったんだよね。

 だって《パワーヒール》は、詠唱が長くて使い心地が今ひとつなのだ。


 これは割と、大きな進歩だと自分的にはそう思う次第。相棒のネムも回復出来るし、魔法戦士っポイ立ち回りがどんどん可能になって来る訳だから。

 戦闘中の回復魔法なんて、ジリ貧だと思わなくもないけど。足止め魔法と絡めれば、状況の立て直しに大いに役立つに違いない。

 しかし水魔法を、こんなに伸ばすとは思わなかったなぁ。


 とにかくこれで水魔法スキル20はクリアした、次は短槍スキル20なのだけど。これは武器指南書×2枚が盛大に役立った。そしてめでたく、新たなスキルを無事ゲット!

 しかも初の複合技、威力はこの身をもって知っていると言うね! その名も《白垂飛泉槍はくすいひせんそう》と言う、水系の大技である。切り札的な存在になる筈、早く使用感を確かめてみたい。

 しかし、短槍ばかりがどんどん強烈になって行く気がするなぁ。


 両手棍も頑張って強化して行かないと、武器を使い分けている意味が無くなってしまう。今の所は、スキル技の並びも武器の強さも短槍に完敗している。

 しかしここに至って、武器を2つも3つも使い分けている弊害が……。何と武器スロットが、スキル技の多さに追い付かず。溢れたスキルがたくさんと言う、残念な結果に。

 う~ん、こればかりは仕方が無いかなぁ。


 スロットの組み替えは、当然ながらホイホイと簡単に出来る訳ではない。反映にある程度の時間が掛かるし、一度外したスキル技の再セットにも時間が必要となる。

 だからある程度慎重に、セットは考える必要があるんだけど。今の所は短槍スキルが2つ、両手棍スキルが3つ、それから弓矢スキルが1つの割合となっている。

 こう考えたら、両手棍の勝っている点が1個見付かったかな?


 両手棍には範囲技があるし、上下段のコンボ攻撃も存在するのだ。範囲技は外せないし、《撃ち上げ花火》と《Pハンマー》のコンボ技もスロットからは外したくない。

 これがなかなか強力なのだ、だからこれからもスキルは伸ばしていくつもり。


 もちろん弓矢スキルも今後増やしたいし、スロット問題は今後も付きまとって来る筈だ。……おやっ、他にも楯スキルや投擲スキルにもポイント割り振っていたな。

 これはさすがに、琴音に叱られるレベルではなかろうか? ちょっと俺もビックリした、知らない間にこんな事になっていたなんて。

 知らないって罪だな、ちょっと今後の成長はもう少し考えてからにしよう。


 そんな事を言っているにも関わらず、とうとう氷スキルも取得してしまった懲りない性格の俺である。これで全魔法制覇だ、8種類の魔法を取ってどうするんだろうね?

 もちろん全部均等に成長させる自信など、俺には全く無いのは確か。ただこれには理由があって、竜宮城で入手した水と氷の香木が原因なのだ。

 これでスキルP+1、そして鞄の中に氷の術書と《魔女の略奪》と言う氷魔法の書が。


 これはついでに取得するしかないなと、俺の中の合理的な人格が囁いて来て。後たった2Pの支払いで、使い勝手の良さそうな弱体魔法が入手出来るのだ。

 ちなみに俺の魔法の中に、弱体魔法は1個も入っていない。初取得なわけだが、実はこの魔法は“略奪”の名に違わない高性能な呪文らしいのだ。

 つまりは、敵の弱体と己の強化を同時に行う合理性が。


 文字通りのステータス略奪呪文である、ただし琴音の話では弱体魔法は常にレジストの危険性が付き纏うらしくて。たいていの弱体呪文は、敵にレジストされると効果半減か最悪は効果無しとなってしまうっぽい。

 そうなるとMPコストと呪文詠唱時間が無駄になり、ソロ対戦ではかなりの痛手を喰らう破目になる。パーティ戦では、役割が決まっているのでそれ程では無いそうなのだが。

 なるほどね、何より人数と役割分担は力ではあるよね。


 とにかく新たな氷魔法の《魔女の略奪》だけど、使い方次第で戦いを有利に進めていけると思う。氷魔法には、こんな厭らしい呪文や強力な攻撃魔法が多いそうな。

 うん、次は初級でいいから攻撃系の魔法が欲しいかな。


 俺のアバターの手持ち魔法で、純粋な攻撃系の呪文と言えば《バグB》と《キャノンB》しか無い。炎魔法の《キャノンB》は、詠唱が長過ぎて使い辛いので。

 戦闘中に手軽に使える攻撃魔法が、もう少し欲しいのが本音ではある。氷系の呪文は、単純に野生動物系のモンスターに効果が高そうではあるし。

 そんな訳で、ちょっと伸ばしてもいいかなと思っている次第。




 そんな感じでの休憩時間は終わり、もっとも本当に寛いでいたのは小さな相棒コンビだけだったけど。俺は合成にステ弄りに、色々と忙しく働いていたけどね。

 時の狭間の香木のお蔭で、時間は掛けずに合成依頼を達成しちゃてったり。いや、報告がまだだった……耐久度も防御力も、なかなかの大楯が出来上がったんだけどな。

 これの評価と報酬は、さて如何程のモノか。


 ――車輪の大楯 耐久12、防+15、移動速度-50%


 ……うん、変なマイナス効果が付いてるけど、この重さなら仕方が無いだろう。形状は丸いんだけど、一部が欠けたピザみたいな形になっている。

 元が壊れた車輪だから、そこは勘弁して欲しい。むしろそこから攻撃出来るとか、プラスに受け取って欲しいモノ。長槍をセットするとかね、チャージに便利かも?

 俺は使わないけどね、だって重過ぎるし。


 クエの依頼主の着ぐるみは、この大作を何とか受け取ってくれた。それから色んな角度から検証して、ようやく合格のサインを頂いて。

 ホッとしたのが正直なところ、これを突き返されていたらかなりショックを受けていただろう。金銭的な面ではなく、割と時間を掛けて丁寧に作ったからね。

 正面から見たら、木片の鱗の形状は割と芸術的なのだ。


 そしてご褒美の報酬だけど、目論見通りの『木工ギルドの推薦状』を貰えて思わずガッツポーズ。他にも木工素材がてんこ盛り、硬木素材から魔竹素材、石化木材に香木素材まで色々。

 これは合成スキル上達に励みが付くな、高価素材だったら気楽には使えないけど。それはそれで、使えるようになるまで頑張るネタにはなる筈。

 取り敢えずは、当面は矢束の製作に精を出すとして。


 次なるクエ依頼は、今日受け取ったばかりの『手合せ:複数』である。これの消費は、正直しんどいとは思うけど。事前の自己パワーアップは伊達では無い、やってやろうじゃないか!

 とは言え、単数でもかなり強かったからなぁ……今回はこちらも、ネムと言う相棒がいるのは吉報だけど。単純パワーのぶつかり合いは分が悪い、何か一案捻らなくてはね。

 つまりは事前に策を練る、そしてこちらのペースに持ち込む。





 ――それはいつもの戦い方に他ならず、そこに勝機を見出すのみだ。






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