第31話 ヘタレじゃないもん!  頑固なラブ美2

ラブ美(ラブラドール3歳)が、年下の豆柴女子とケンカをした。

ケンカと言っても、ガウガウ言い合って、お互い謝って終わりの些細なもの。

しかし、ラブ美は納得いかなかったようで、

じーーーーーーーっと飼い主を見つめ、何かを訴えているという。

飼い主から連絡を受け、「ラブ美、どーした?」と聞いてみれば、


<2度はナイ、絶対にない!ナイナイナイ!2度はナーーーーイ!!

 オカーサン、もう2度と!あの子の家の前を通らないで!!

 絶対に嫌っ!2度と会いたくない!!

 散歩で、あっちの道を通らないで!絶対に嫌ーーーーーっ!!>


温厚なラブ美が、怒り心頭、荒れ狂っている・・・。

飼い主から見たら「お互い謝って仲直りの図」だったけど、

本犬は全く!1ミリも!納得してなかったって事ですね(^-^;

ハイハイ、お望み通り、散歩コースを変えましょう。

その旨、飼い主さんに伝え、一件落着の筈だった。


数日後


朝の散歩で、ラブ美とハスお嬢(ハスキー6歳)が一緒になった。

一緒と言っても途中まで。

交通量の多い道路や、知らない道、知らない人がいる公園が怖い

ビビリのラブ美は、家の近所しか散歩しない。

遠くまで歩き、気分で変わるハスお嬢の散歩コースには、

とてもじゃないが、怖くてついて来れないラブ美。

いつもの交差点で、バイバイ~♪と別れようとしたら、

グイグイとハスお嬢の後についてくる。

「??ラブ美、こっちは君の嫌いな道路だよ。来るの?」


<ヘタレじゃないもん>(ラブ美)


イヤイヤイヤ、ラブ美は思いっきりヘタレじゃん・・・。

「こっちは、トラックが通る怖い道だよ?高架下通れるの?」


<行く!あの子がヘタレって言った。私はヘタレじゃないもん!>

「あの子って・・・ケンカした豆柴?」

<そう、ムカツクー!!ワタシにヘタレって言った!

 ヘタレじゃないもん。ヘタレじゃないもん!!

打倒柴よ!!〉


年下の、自分よりとても小さい豆柴に<ヘタレ>と言われたんで、

あそこまで怒ってたのかー。

しかし、家の前を通るだけのラブ美を見て(散歩で通るだけ)

なんで豆柴ちゃんは、ラブ美がヘタレって判ったんだろうねぇ??

気迫か?気迫が足りないから?声が小さいから?


グイグイとリードを引いて、ハスお嬢の後を歩いてくるラブ美。

ヘタレのラブ美が、燃えている・・・。

ま、いいかと、ハスお嬢の散歩コースを続行。

これでラブ美のヘタレが治れば、

外でシーが出来る日が来る・・・かもしれないしな(無理っぽいけど)


「ラブ美エライね~。頑張ってるね~」と褒めまくっていたら、

いきなり、ハスお嬢がキレた。

<アンタねー!初めての道を歩くくらいがナニ?

 私なんてねー!初めての場所で知らない人に一杯囲まれて、

 カメラをまっすぐ見ないといけないのよ!

 よそ見したら、この前ガッツリ怒られたわよ。

 初めての道を歩くくらいで、何なの?!!>

(カメラ目線は出来て当たり前の、我が家ルールあり)


んー、これはハスお嬢なりの励ましか??

<初めての道を歩くくらいで、ビビってんじゃねーわ!>で正解?

ラブ美だけ褒められまくったので、ムカツイた??




後日、ラブ美は散歩途中で(遠距離で)、豆柴ちゃんと遭遇。

視線バチバチ!の末、勝ったそうな。

(豆柴ちゃんが、視線を逸らした)

車が通る怖い道を克服する事で、

少〜しヘタレじゃなくなったラブ美です。


何が自信に繋がるか、判りませんね♪

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