法愍 謝晦への仏罰
釋法愍(しゃくほうみん》、北から来た人で、出自不明。
若い頃から仏道に目覚めて諸経典を読み、
18 の頃に出家したのだという。
そこから各地を見て回り、
各地の風土の奥にある仏のみ心を
見出していった、とされる。
『
あらゆる經典、律は、皆マスターした。
後に
この頃隣町であり、
彼は江陵城內に仏塔を建立。
するとそれを面白く思わなかったのは、
当時の荊州刺史、
仏塔を打ち壊さん、と計画する。
それを聞いて驚いたのが法愍である。
すぐ江陵に飛び、謝晦をいさめた。
しかし、謝晦は結局塔を破壊。
この事態にあい、法愍は南方、
もはや世には出ないことを決意した。
しかし、謝晦。腹の虫がおさまらない。
侍従らを従え、寺にまで出向き、
破戒をそそのかすべく酒や肉を送りつけ、
更には戦大鼓を派手に鳴らして威嚇、
周辺にあった仏像を破壞して回った。
ややあって雲が立ち込め、空が暗くなり、
四方から風が吹きすさぶ。
この事態を前に、謝晦は驚愕。
慌てて逃げ出した。
なお、まもなく謝晦は謀反をなし、
そのために誅滅されている。
釋法愍,北人,弱年慕道,篤志經籍,十八出家。便遊踐州國,觀風味道。般若數論,及諸經律,皆所遊刃。後憩江夏郡五層寺。時沙門僧昌,於江陵城內立塔。刺史謝晦欲壞之,愍聞故往諫晦。晦意不止,愍於是隱迹於長沙麓山,終身不出。晦迺率儀至寺,厚賜酒肉,嚴皷振威,斬斫形像。俄而雲霧暗天,風塵四起,晦驚懼而走,後以叛逆誅滅。
釋法愍、北人なり。弱年にて道を慕い、志は經籍に篤くして、十八にして出家す。便ち州國を遊踐し、風を觀て道を味す。『般若』數論及び諸經律は、皆な遊刃せる所たる。後に江夏郡の五層寺に憩う。時に沙門の僧昌の江陵城內にて塔を立つるに、刺史の謝晦は之を壞さんと欲す。愍は聞き、故に往きて晦を諫む。晦は止まざらんことを意え、愍は是に於いて迹を長沙の麓山に隱し、終に身を出ださず。晦は迺ち儀を率いて寺に至り、厚く酒肉を賜り、皷を嚴に威を振い、形像を斬斫す。俄にして雲霧にて天は暗じ、風塵の四もに起つるに、晦は驚懼し走り、後に叛逆を以て誅滅さる。
(高僧伝7-14_排調)
謝晦の破滅をまるで仏罰のように書くの辞めてください。そこんとこだけよろしくゥ!
謝晦が江陵に出てきたということは劉義符殺害後なわけであり、敢えて仏塔を建てようというのはどう考えても謝晦への間接的な批判。そんなん諌められたところで謝晦が止まるわけもねーわ、という感じはします。この頃の謝晦、めっちゃ切羽詰まってたろうしね。
どこまでも人為の話でしかないのに、仏罰が下ったよろしく誘導してくるのは、まぁポジショントークですよねえ、と思わずにおれんのです。
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