慧遠4 廬循との旧交
前指導者の
拠点を構えると、一度晋に恭順の意を
示すふりをし、体制を整えた。
そして
北に出たタイミングで北上、
ちょうどその道すがらとなる。
慧遠、出家する前には盧循の父、
なので盧循は慧遠を訪問。
慧遠も盧循を歓迎し、
朝に夕にと語り合う。
これを見て忠告する僧がいた。
「盧循は国を傾けんとする賊!
やつと交流すれば、どんな嫌疑が
掛けられるともわかりませんぞ!」
しかし慧遠は超然としたものだ。
「仏法の前では、皆等しく迷い子よ。
そこを理解できぬ政府でもあるまい。
恐れる必要はない」
やがて劉裕が盧循を撃退、追撃をかけ、
廬山近く
周りのものが、劉裕に言う。
「慧遠どのは廬山の王のようなもの。
その彼が盧循と交流しているそうです」
つまり、ふたりの交流を放置しておけば、
恐れがある、と言ってきたのだ。
しかし、劉裕は言う。
「慧遠どのは、世の規範たるお方だ。
そのような意図なぞ抱かれるまい」
そうして使者に手紙をもたせ、
またお金や米を寄進した。
まさに、慧遠の見識通りだったのだ。
その見識に、誰もが敬服したという。
盧循初下據江州城,入山詣遠。遠少與循父嘏同為書生,及見循,歡然道舊,因朝夕音問。僧有諫遠者曰:「循為國寇,與之交厚,得不疑乎!」遠曰:「我佛法中情無取捨,豈不為識者所察?此不足懼。」及宋武追討盧循,設帳桑尾,左右曰:「遠公素王廬山,與循交厚。」宋武曰:「遠公世表之人,必無彼此。」乃遣使賫書致敬,並遺錢米,於是遠近方服其明見。
盧循の初に下り江州城に據せるに、山に入りて遠に詣づ。遠は少きに循が父の嘏と書生の同じきを為さば、循に見ゆるに及び、道舊なるに歡然とし、因りて朝夕に音問す。僧に遠を諫ずる者有りて曰く:「循の國寇を為せるに、之と與に交わりを厚くせるは疑わざるを得んか!」と。遠は曰く:「我、佛法中に情を取捨する無し。豈に識者の察せる所為らざらんか? 此は懼るに足らず」と。宋武の盧循を追討せるに及び、帳を桑尾に設かば、左右は曰く:「遠公は廬山の素王にして、循と交を厚くす」と。宋武は曰く:「遠公は世表の人、必ずや彼に此無し」と。乃ち使を遣りて書を賫し敬を致し、並べて錢米を遺る。是に於いて遠近は方に其の明見に服す。
(高僧伝6-4_識鑒)
ネタバレ。
というお約束のツッコミをしたあと、慧遠と盧循の家に繋がりがあった、というのには、一つの可能性が感じられてなりません。晋書には盧循が
もともと盧循の前の五斗米道の指導者、孫恩がぶちかました反乱では、東晋甲族(
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