水性顔料ゲルインクボールペン

ゼブラ サラサナノ

[種別]ノック式水性顔料ゲルインクボールペン

[ボール径]0.3mm(全32色)、0.38mm(全10色)

[純正芯]

 JF-0.3芯(全長111.1mm 軸径6.1mm)

 JF-0.38芯(全長111.1mm 軸径6.1mm)

 替芯は黒・赤・青・ブルーブラック(0.3mm)のみ

[互換芯]

 サラサクリップと同じ


[コメント]

 尾部にスプリングが仕込むことで筆圧を調整し、カリカリ感を軽減する軸を採用した、サラサの極細シリーズ。

 もともとは0.3mmのみの展開だったが、2024年に0.38mmが追加された。


 サラサの0.3mmは以前から存在したが、軸が新型なのと、従来のサラサクリップの0.3mm、0.4mmにはなかったカラーバリエーションが用意されているのが特徴。

 ゼブラは長いことサラサビンテージを0.5mmでしか出さなかったが、サラサナノの登場で、ようやく0.3mm、0.38mmでビンテージインクカラーインクが使えるようになった。


「サラサR」とかいう紛らわしい公式贋作とは違い、こちらはちゃんと水性「顔料」インクである。



 軸のリフィルの互換性はサラサクリップと同じ。ジェットストリームやシグノ、エナージェルなどのリフィルが入る。


 軸のデザインはサラサクリップと似ているが、尾部にスプリングが仕込まれていること、口金が金属なこと、そして、サラサクリップより若干細身なのが特徴。

 サラサクリップの軸が太すぎると感じる人には嬉しい、サラサ純正の細身軸となる。


 尾部に仕込まれているスプリングは、要するにセーラー万年筆のG-FREEみたいなもの。G-FREEとの違いは硬さを選べないこと。G-FREEの基準から言うと、かなり硬めの設定。

 スプリングの影響で、若干フワフワした頼りない筆記感になり、好みが分かれるだろう。

 この独特の筆記感は、ある程度使ってみないと実感できないかもしれない。店頭で少し試筆した時には違和感がなくても、実際に長時間使ってみるとフワフワ感が気になってくる。結局は使ってみないと合うか合わないかわからない軸だと思われる。


 私としては、使っていてほとんど気になることはなかったが、たまに違和感がある。使っていく内に慣れていくのか、それともストレスになるのかはまだわからない。


 カリカリ感の低減効果は確かにあるようで、いくつかカリカリするリフィルをサラサナノ軸に入れて試し書きしたところ、多少マシになった。ただ、カリカリリフィルが劇的になめらかになるというわけではない。少し補正してくれるという程度。ダメなリフィルは結局、何をしてもダメである。

 一番試したかったパイロットのリフィルが入らないのは残念だった。ジュースのカリカリが軽減されるなら重宝しただろうに。



 リフィルのJF-0.3芯については、サラサクリップに0.3mmがラインナップされた頃に比べるとだいぶ改良されているようで、以前ほどカリカリしなくなった。サラサナノのJF-0.3芯をスプリング補正のない軸に入れて使っても、何の問題もなく使える。逆に、初期のカリカリしまくっていたJF-0.3芯をサラサナノの軸に入れても焼け石に水。

 サラサナノの筆記感の良さは、スプリング機構よりもJF-0.3芯自体が改良された影響が大きいと思う。


 インクフローや筆記感はかなりいい。普通に使う分にはカリカリや擦れは起きない。サラサクリップの旧JF-0.3芯とは比べものにならない。現状では水性顔料ゲルインクの0.3mmとしては最高峰と言ってもいい。


 新登場のJF-0.38芯は、JF-0.4芯よりも若干細字で書き味がいいような気がする。



 インクバリエーションは、0.3mmは32色。什器は2種類あり、店によっては10色しかない什器を仕入れているが、その10色にはグリーンブラック、レッドブラックが含まれている。

 注目点はやはり、頑なに0.5mmしか出さなかったサラサビンテージのインクにようやく0.3mm版が出たことだろう。


 0.38mmは、スタンダードな黒・赤・青とピンク、オレンジに、ビンテージカラー5色というバリエーションになっている。

 たった5色とはいえ、今まで0.4mmにビンテージカラーインクがなかったことを考えると超貴重。



 総評は、独特の筆記感が嫌いでなければ、若干細身のサラサクリップ軸として使え、かつ、多少のなめらか補正が付いて便利な軸となり得る。

 豊富なインクバリエーションのJF-0.3芯、ビンテージカラーインクのJF-0.38芯の入手先としても貴重。

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