詩集 煉獄の谷の聖女

仲仁へび(旧:離久)

第1話 あの輝いていた場所を思って



 あたたかい場所にいたかった

 涙をこぼした時に誰かがぬぐってくれる

 そんな世界の住人でいたかった


 やましい事 罪を積み重ねて

 悪事に手を染めた

 約束破りの ただのしっぺ返し


 自業自得の崩壊だと思っているけれど

 あの楽園は輝いていたの

 その温もりに もっとひたっていたかったの


 不用意な行動を慎むべきだった

 勢いにまかせて出した言葉を飲み込むべきだった


 もう

 そんな後悔に意味などないけれど





「ストーリー」


 それは、悲劇で閉じた人生だった。

 聖女カチュアは後悔してた。


 かつて生きていた世界の幸せと不幸を思って。

 涙を流していた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る