第1話

○○年○月○日 AM2時 某所とある神社


コーン...コーン...

風に揺られザワザワと木々が

葉を揺らす音の中に混じる不可解な音


「...くそっ!何奴も此奴も居なくなっちまえ‼︎」


一人の男が不満を吐き散らしながら

目の前の大木に向かい金槌(かなづち)を振りかざす


男は丑の刻参りを行なっていた

しかし、肝心の呪詛(じゅそ)の対象相手の写真は

藁人形の顔には無い


「くそっ!!...畜生...」


憎さと虚しさで男はその場に座り込んだ


『お兄さん』


「⁉︎」


男はビクッと反応し、がくりと項垂れた頭を上げ

周囲をキョロキョロとし声の主を探す


『こっちこっち』


頭上からハラリと一枚の葉が落ちてくる

顔を上に向けると2人の子供が

男を見下ろしていた






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