第35話「十傑選定戦に向けて2」
第35話
「それじゃあどこからどう話そうか………。えーっとじゃあ攻略をしていくために、まずは現十傑メンバーについて話していこうか。」
そう言ってやっとアーサーと俺とで十傑攻略と十傑選定戦の話が始まった。
「まずじゃあ早速、ソラが会った十傑上位のメンバーについて話してくよ。ていうかほとんどその四人についての情報だしね。」
「そうか、分かった。だがそれだけだとしても十分だ。よろしく頼む。」
「それじゃあ、初めは十傑第四席のロイだ。彼は貴族ではないが、かなりの魔法の実力者で最低でも宮廷の抱える魔術師の上位クラスには匹敵すると言われている。だが正直分からない点が多い。」
「なんでだ?」
「ソラはロイに気絶させられたんだろ?それが大きなの理由のひとつだ。」
「精神に干渉する魔法か?」
俺がそう言うとアーサーはゆっくりと頷いた。
「そうだ、なんせロイが一対一で戦う時大体が記憶を無くしていたりしているんだ。それに会ったなら分かるだろうが間違いなくロイは後方攻撃型、さらに言えば指揮官型だ。」
確かに、そんな感じがしたな頭もキレそうだったし。そう思い俺は頷く。だけどさ
「十傑選定戦とかって公開試合なはずだけど?それでも分からないのか?」
普通、公開試合なら分かると思うんだが?
俺はそう思って質問したのだが、アーサーは困ったような顔をした。
「確かに十傑選定戦とかの催しに、十傑は勿論参加して戦っている。だが、ロイは今まで一度も本気を出していないんだよ。」
何故だ?
それこそ上の席に上がるために十傑同士とかでも当たる可能性だってあるのはずなのに………
「ロイは強いだけでなく計算高い。だから実力をあまり出さない、というか十傑メンバーとかでなければ基本魔法だけで十分勝てるからな。それに十傑メンバー同士の席をかけた戦いはあるにはあるが、今まで一度もロイは戦ってはいないんだ。だからこそ彼は………謎なんだ。」
なるほどそういうことか。
「分かった、大体ロイさんがどういう人か。もしかしたら十傑メンバーの中で一番注意してなきゃいけないかもな。俺を連れて行くのを考えて提案したのもロイさんって言ってたし。」
俺がそういうとアーサーは「やっぱりね………」と言って、十傑第四席ロイについての話は終わった。
***
「さて、次に十傑第三席ムガル・ダルクだが、彼は名の通り貴族だ。それも軍事の中枢に近い、根っからの軍事一家だ。ムガル・ダルクは金剛の金棒を使って戦う根っからの脳筋型だな。さっきのロイとは真逆だ。」
「うん、確かにそんな感じだった。前の威力判定試験では、戦闘場をぶっ壊して校舎にも被害が出そうだったとか言ったしね。」
そういうとアーサーは頷き、話を続ける。
「そうだ、ムガル・ダルクは超強力の攻撃で肉弾戦をする。魔法の方は余り使えないらしいけど、それをカバーすること以上の肉弾戦ができたり、かなり鋭い戦士の勘、というより野生の勘を持っている。」
「そうなのか、てかダルクさんはロイさんに比べて随分と情報が出てるな。まぁ実力を隠せないというか、手加減出来なさそうだなとは思ったけどさ。」
そう俺が言うとアーサーは「あはは………」と笑い、次は十傑第二席リンさんの話になった。
***
「さてと、それじゃあ次は十傑第二席リンについてだけど………」
そういえばアーサーさっきから十傑メンバーのことずっと呼び捨てだけど………うん、王族使ってすごいな。
「おい、聞いてるかソラ?」
「おぉすまん続けてくれ。」
何かあいつ無駄に鋭いし……
「はぁ、別に俺は話さなくてもいいんだからな。」
「だから、ごめんって。」
「はぁ、十傑第二席のリンは、第一席のミナト エイシと仲が良くて、昔からの知り合いらしい。十傑第二席のリンと第一席のミナト エイシは出身を含めてよく分かっていないから、何か関係あるのかもな。さて、戦い方だがリンもダルク同様余り隠していることはない。それに割りかしリンとダルクに関しては、実力も割れてはいる。」
「どうしてだ、そう誰にもは本気何か出さないだろう?」
「まぁ奥義的なのとか俺たちの知らない本当の実力の部分は十傑の誰もが秘めてはいるだろうが、大体は分かっているんだ。それこそ戦い方の傾向とか、向かう魔法の種類とかね。例えば性格的に分かるかもしれないけど、リンとダルクはしょっちゅう戦っているんだ。つまり戦いがすきってことさ。」
「なるほど、確かにそんな感じはしたな。」
「そうだろう。それで肝心な戦い方だが、一言で言えばアクロバティックなオールマイティ、だな。」
は?
「すまん、どう言うことだ?」
「まぁまぁ落ち着け。つまりだな、身体強化を基軸とした戦い方が基本だが魔法も使いこなせるし、勘も鋭く、知識もあるってことだ。」
いやいや待て待てそれって基本、最強って言ってんのと同じだかんな。
「んなん、勝てねぇじゃん。」
「まぁ、確かに強いが別にパワーはダルクには劣っているし、魔力量や使い方の巧みさは恐らくロイの方が上だと思うし。勝機が0とは思わないけどな、勿論相手がソラならの話だけどね。」
「そう…なのか?まぁ結局のところは戦ったことないから俺としても、アーサーとしても分からないだろうけどね。やっぱりそこら辺に関しては今考えても仕方ないか。」
「うん、僕もそう思うよ。………さてそれじゃあ最後はいよいよ十傑第一席ミナト エイシだ。」
***
「さて、ミナト エイシについてだけど、前も話した通りほとんど分からない。ただ分かっていることは、"強い"ということだけ。それはこの世界最高峰の位の冒険者のみに与えられる
それともう一つ……さっきの出来事で、時を止められる、時間魔法、もしくは時空間魔法が本当に使えるということ。」
うむ、そうだな。というか
「悪いねソラ、僕が今知っているのはこれだけだ。」
いいや、だいぶ分かった。
「だいぶ知識が増えてきた。ありがとう、アーサー。」
俺が感謝の言葉を述べて、ひとまずの話し合いは終わりとなった。
***
「ふぅ……それにしてもだけどソラ。時間を司る魔法への対策はできているのかい?」
それは難しい質問だな。
「まぁ、少しだけだし、できるかは分からないけど考えことがないわけではない。アーサー、それを確定的なものにさせるために一つ教えてくれ。ミナト エイシが時間を止めた時、五感はどうだった?」
そう、これが重要なのだ。
「うーん別に目が見えなくなったりするってことは無かったかな。だけど視覚は止まっていた気もするしボヤけていた気もする。それと多分だけど耳は聞こえていなかった。………だけど何より記憶がかなり曖昧だ。正直これだ!って確信して言えるのは時間魔法が本当だったんだなってことくらいだけなんだよね。」
そうか、
「アーサーはその時、いや正確にはミナト エイシに時間魔法をかけられる直前だけど、魔力は纏っていたりしてた?」
するとアーサーは不思議な顔をしながらも答えた。
「それは………」
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