第2話『五分の一の嫁(仮名)』くじを引く。後編

 さて。神引きと言っても良い結果だ。5回で次女のフィギュアを手に入れたのだから。この後の行動は――


① 凱旋がいせんと言う名の撤退。


 十分すぎる成果なので、帰宅する。調子に乗って追加購入するとね。うん、散財しちゃうもん。引き際は大事! 収まれ、俺の欲望!


② とりあえず、その後の様子を観察する。


 他のお客さんの一喜一憂を見届ける。または、どの位の回数で上位賞をゲットしているか。今後の参考、もとい、物見遊山。


 結論から言えば、②の様子を観察するになったのだが。


 うーん? 全然、上位のフィギュアが無くならない。


 同じ人が10回以上トライしているのに。確率論は、当てにならないな。恐ろしや。


 その後も、続々と新規のお客さんがくじを引く。しかしながら、上位のフィギュアの在庫は残っている。


 あれ? もしかして、チャンス到来なの? また、俺にくじを引けと?


 くじの在庫が少なくなったら、数回また購入するか。


 ぬあーん! 欲望に勝てなかった! 追加で3回やろう。店員さんを目指して突入!


 自分と同じ様な考えのお客さんも、もちろん居た。その人が先にくじを購入していた。


 ここで、予想外の出来事が。店員さんに3回購入する事を告げると。


『えーっと、3回分ですか? 残ってますかね?』と隣のレジの人に確認を取った。


 な、なんだと!? ここに来て、大量購入だと!? タイミングが遅かったか!?


 完全にやらかしたと後悔しつつも、あきらめモードに。


『3回分は残ってないけど。2回分引けますよ。それから、最後に引く特賞は付くので』


 は!? は!? 人生初のラストの特賞!? ちょっと、意味分かんない!?


 残った二つのくじをがす。一つは、デフォルトフィギュア。うん、まあ、そうだね。そして、最後のくじは――


 は!? は!? 五女のフィギュア!? いつ来たの!? 残ってたの!? ちょ、今年の運使い果たしただろうが!?




 今回のくじの成績


 くじ引き総数 7回で上位フィギュア2体と最後の特賞獲得。書下ろしイラスト2つ。デフォルトフィギュア3つ。開店して30分でくじは売り切れ。


 


 



 


 


 

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