第69話 転校生

ーーエミリア達とのデートも終わりその翌日……遂に夏休みは終わりを迎えた生徒達いや俺たちを含めた学生達は気だるそうにしながら学園へと歩いていく様子が寮から伺えた。


「ったく……あいつらどんなけ学校行くの嫌なんだよ……」


(まぁそういう俺も前世の頃はめっちゃ嫌で嫌で仕方なかったけどな)


他人のことは言えないなっとクスッと笑い学園へ行く準備を始める。


その一方でザァベストは寝ぼけた様子で起き上がってきた


「おはようザァベスト」


「うん〜おっは〜オスト」


そのまま洗面所へといき顔を洗って帰ってくると急に顔を青ざめる。


「え!?今日から学校なのか!」


「は?ザァベストさてはお前……知らなかったな」


呆れた様子で「はぁ〜」っと溜息をつくと俺はザァベストの背中を押す


「ったくさっさと支度の準備でもしてこい!待っといてやるから!」


「あ、あぁ、、」


まさかシルクとか学校あること忘れてないよな?っと一瞬のうちに頭に過ぎる


しかしーーそんなことあるまいっと「ないない」っと呟きながらザァベストの支度が終わるのを待つことにした。


「やばい!?オスト!俺の鞄がねぇ〜!!」


いきなり何かと思えば、どうやらカバンが無くなったらしいーー「っと思ったか?」っとザァベストに言い返すとキョトンとしながらこちらを見てくる


「ほら、そこに置いてあるじゃん」


指さした方向はザァベストのベットにぶら下がっている鞄があった


「何してるんだよ〜ザァベスト……ってもう時間が危ないし!?ほら行くぞ!」


「お、おう!!」


腕を引っ張りながら寮の門を出るその時、後ろから聞き覚えのある声が聞こえてくる。


「やっばーーーい!!遅刻だーーー!!」


「ほら!シルクが寝坊なんてするから!遅刻したじゃないの!」


「うえ〜〜ん!許してぉぉぉよぉ!エミリア!」


後ろをぱっと振り向くとシルクたちもこちらに気づいたのか目と目が合う。

そしてお互いに「あれ?」っとなる状況になった


「まさかとは思うが……シルクお前」


「………てへ!」


そのまさからしいのだった。


「ってかなんで今日に限って遅刻なんだ?」


「いやぁ〜実はね今日学校あるって知らなかったんだ」


「まったく……シルクだけですよね?こんなこと」


いや、、エミリア俺の真横にもいるんだよ……その忘れん坊の奴が。


「んで?ブレアとリベストアは?」


「あの二人なら先に行きましたよ?」


確かに……あいつらは案外ああみえて真面目だものな


「ってこんなことしてる場合じゃね!早く行こうぜ!」


俺達はそのまま全速力で道を走りまくり急いで学園へと着く。


その結果ーー残り1分という時間を残し教室に着いた


「はぁはぁ疲れたァァ」


クタクタになりながら椅子に座るとそれと同時に先生が入ってきた。


「みんなぁ〜お久しぶり〜!」


「「久しぶり〜!!」」


みんな元気よく挨拶をする。しかしよく朝っぱらからそんな挨拶ができるものだ、確実に俺にはできない事だった


「それじゃあ……授業っと言う前に皆にある人を紹介します!」


扉に近づいていき扉を開けると外からはある人物が入ってきた。


「皆さん初めまして本日からお世話になりますリノア・セレククトと申します。」


そう。その人物とはこの世界ホンマントゲームの主人公でもありイケメン設定の奴、それがリノア・セレククトなのだ。


それにしても……なんであいつがこんな所になにかがおかしい。


もしかして悪魔たちと言いこの夏休みの事で世界軸が色々変わったのか………よく分からないけど今後それも調べてみる必要がありそうだ


「んじゃあ〜よし!リノア君はオスト君の横の席ね!」


「はい」


トントンっと小さな足音を鳴らしながらこちらに向かってき静かに椅子に座る


しばらく見つめているとこちらをチラって目が合い微笑みを浮かばせられた


「よろしくね!」


「あ、あぁ……」


その時の俺は曖昧な返事をしてしまった。


リノア・セレククト……勇者の血を引く存在。何としてもあゆみと再会した今あいつを守らないといけない。


ーーしかしリノア・セレククトと出会ったことにより学園生活はあらゆる方向へと動いて変わっていくのを俺はまったく分からなかった

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