第45話 緋悪魔の従者

俺達は緋悪魔レッドルの所に行くまでの間少し休憩を挟むことにした。


「コンマラス達って極意魔法って使えるのか?」


俺はふと思った事を聞いてみる。


すると2人は「え?」っとキョトンとした様子で尋ねてきた。


「極意魔法とは?」


「あぁ……そっか」


この時の俺は完全に忘れていた。極意魔法とは俺が前世の世界で自身で体験しその技を真似しただけの魔法なのだ。


2人が知らなくて当然のはずだ


「極意魔法とは知らんが我は古代魔法なら使えるぞ!」


「古代魔法ねぇ……」


はるか昔に消えたとされる古代魔法…それは厄災を起こすほどとされる魔法も存在するがそれとは反対に豊かな世界にする為に使う魔法も存在する。


しかし……流石は何百年いや何千年だっけ?生きてる価値はあるな。


水を飲みながらそんなことを考えているとベクトロンが声を出す。


「それよりもこれはなんじゃ?このシュワシュワした飲み物は!?」


そう。ベクトロンが飲んでいるのは炭酸水だ。だが勿論炭酸ジュースとかではなくただの炭酸水なのだが。


この異世界では炭酸という飲み物はジュースとかではなくても十分なのだ。


「主……いつの間にこんな物を」


コンマラスは不思議そうに聞いてくると俺はそれに答える。


「あぁこれね……前に王城に帰ったでしょ?そんときにこっそりとね」


王城に帰った時に俺は夜中にこっそりとキッチンを使い作り収納魔法を使い保存しておいたのだ。


でもーーよく出来たものだ……前世で料理とかをしといて良かった。


っと思う瞬間であった。



休憩を済ませ俺達は遂に緋悪魔レッドルがいる場所へと目指す。


またもやその間中級以上の悪魔が襲ってきたりしたが覚醒したコンマラスとベクトロン……そして俺達はなんの問題もなくただの作業的な感じで倒していく。


「あとどれぐらいで緋悪魔の所に着くんだろうな……」


俺は悪魔を剣で切り裂きながら呟くとその瞬間、俺の目の前に悪魔がおり俺の首をはねようとした。


「っ………!?」


俺は驚いき後ろにジャンプする。


すると目の前の悪魔から「ふふふ」っと気持ちの悪い笑い方が聞こえてきた


「なんだ!」


俺はそいつに問うとその悪魔は顔を上げこう答える。


「私は緋悪魔レッドル様に仕えし炎使い!アーベルだ!」


アーベルと名乗る女は見た目こそは長い髪をしており瞳は汚染されたかのような真っ黒な目……そしてその体からは凄まじいオーラを放っていた。


「アーベルが何の用だ?」


「何の用?分かるでしょ?あんたを殺しに来たのよ!」


アーベルはそう言い残すと俺の目の前まで一気に攻めて火属性魔法【火槍ひやり】を撃つが俺は風属性魔法の【風盾ふうてい】で身を守る。


「ほう?やるじゃないか!」


「それはどうも!」


アーベルは壁をジャンプしていき俺の上を取る。


「切り裂け!〘炎刹えっせつ〙」


何十個と現れた魔法陣から出てきたのは炎刹と呼ばれる火属性魔法であり炎を纏った見えない風それが炎刹だ。


それに続けてアーベルは次々と火属性魔法を撃ってくる。

流石に俺も『このままでは』っと思い一旦距離をとる。


(あいつは間違いなく強い!)


素悪魔・翠悪魔・黎悪魔この3人に匹敵するぐらい強いと俺は思った。


だがーーひとつ疑問に思うこともあった。


「なんでお前は4柱の内の1人にならなかった」


「あ?それはねー緋悪魔レッドル様の元で戦えるからだよ!」


その発言に俺は少し驚く。


「その言い方だと4柱にはまったく興味が無いと見えるが」


「当たり前だ!私はレッドル様だけの為に生きてきた!他がどうなろうと知ったことじゃない」


彼女の発言に俺は少し興味を持つ。

かつてこんな一筋の人は居ただろうか……否!居ない!!。


悪魔とは本来弱肉強食の世界であり弱いものは死を強いものは力をそれぞれの道を進み辿っていくそれが運命だ。


「じゃあ俺とは争わずにここを去ってくれないか?」


俺がそう聞くとアーベルの眉間はピクリと動き声を出す。


「はぁ?そんな訳が無い!私はお前を殺すと決めた!だから殺す権利がある!!」


「………」


「答えて見ろよ!!この弱き人間!」


俺はその言葉に少しの怒りを持つ………。


殺す?誰を?俺を?ふざけんな………じゃあその自信俺がへし折ってやるよ!


「じゃあ!その弱い人間がお前を殺してやるよ!!」

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