第15話 ドラゴンとグランティ国の末路
はるか昔……このフィルド国には超難関ダンジョンのコンマラスと同等に最強と謳われた魔物がいた………。
それが厄災として存在するドラゴン名をベクトロンと言う魔物なのだ。
かつてフィルド国ともう一つの国が隣国にあった。
それがグランティ国であったがベクトロンに粗相をしてしまい…その逆鱗に触れ数時間後には国と言う痕跡は殆ど無く残されたのは膨大な土地のみだった。
しかし原因となったのがグランティ国が跡形もなく消される前のことだった。
◆
私はこの国の公爵家の主…ミエル・インフニティと言う者だ。
しかし公爵家と言う肩書きはただの飾りでしかない………このグランティ国では貴族は卑劣であり残酷な人間達でいっぱいだ。
例えば…メイドの手足を切ったり自分の子を海に無理やり潜らせ溺れさしたり
やり方は様々だが表に出ることもなく裏では悲惨な光景ばかりなのだ。
だから私はそんな事に負けず貴族の悪事を暴き出しこの国を正しく導いていくのだ。
しかしその為にはまずは協力者を得なければならなかった。
そして行き着いた先は伯爵家だ。
コンコンとドアを鳴らすと中から髭をフサフサに生やした男が出てきた。
「なんだ……ミエルか」
「悪かったですね……アミエル」
この男こそ、私の計画の手助けをしてくれるアミエルと言う者だ。
私はある物を彼から受け取るため公爵家に来たのだ。
「それで?例のブツは出来たのですか?」
「あぁー俺にできないことは無い」
「頼りにしてますよ」
中を開くとそれは音声付きの魔道具だった。
それこそ悪事を暴く為に重要な物なのだ。
「それが計30個用意した。文句ねーだろ?」
「助かります………これで我々以外の貴族の悪事を………」
「なぁミエル……お前は本当にそれでいいのか…」
「え?一体何を………言っているのですか?アミエル」
アミエルはため息をつくと真剣な目でこちらを見てきた。
「ミエル…お前がしようとしていることはもしもバレたら死刑ものだぞ?そしてお前は公爵家だ。公爵家より下の者は手を出すことは出来ないんだぞ?」
「はい………」
「つまりだ、、お前の嫁や子供は無事で居られるんだぞ?」
「…………」
「まぁなんだ………お前はお前らしく居られたら俺は嬉しいんだかな」
アミエルは手元に置いてあった新聞紙を取り私に見せてきた。
「なんですか?それは」
「いいから見てみろ………」
その内容はこう書いてあった。
侯爵家の家族全員死刑宣告確定。
っとそれはまた卑劣な内容であった。
「お前はこれを見てどう思う?ミエル」
「そりゃー流石にこんなことして許されるはずなど!」
「それが許されるんだよ……それがこの国の王…ガルファ王なのさ」
私はさっきまで出ていた威勢は無くなり静かに椅子に座ると改めてアミエルは私に問いただしてきた。
「俺はいつでも思うさ……いつかこの国は滅ぶってな……」
「私だって思いますよ……この国いやここに住む住人達はいつも卑劣で悲惨だ」
「しかしこの歴史を変える権限を持つ国王でさえこのザマだ」
「だからです!私達が歴史を変え国民を平等にするんですよ!」
「それがとっくに出来てたら苦労はしないぜ、、」
「だからやるんですよ!!!」
私はアミエルの服を思いっきり引っばり大きな声を出した。
「分かったよ……お前の熱意は伝わった……」
「ふぅ………良かったです」
「ったくお前はお人好しというか正義の味方なのか分からないよな」
「別に私はどちらでもないですよ…ただ皆が幸せに生きていて欲しいだけです」
「それで?計画はどうするんだ?」
「今から話しますね………」
そうして私はその計画を話した。
それからというもの私たちは忙しくなった。
そうして計画を準備すること約1週間後、、。
「ほんとにこれでいけるのか?」
「はい……私の憶測が正しければ………」
そうなのだ。その計画の内容とは名ずけて【貴族たち悪事暴いちゃおう】計画だ
これには時間がかなりかかった……通信機の魔道具を貴族達の部屋に入りバレないように設置をしたりスパイを送り込んで設置をしたりやり方は様々だったが
バレないようにするのにはかなりの苦労とお金が掛かった。
(しかしこれで平民達が平和に暮らせれるならば!所詮はただの端金です!)
「これの平べったい装置を起動すれば……魔道具が発動するんですよね?」
「そうだよ……やってみてくれ」
私はポチッとボタンを押したが一切そのような声は聞こえなかった。
「アミエル!何も起動しないじゃないですか!?この数十個の道具から音が聞こえてくるんですよね?」
「あぁー勿論ちゃんと起動してるぞ?」
「でも音は一切………」
その瞬間……後ろからある声が聞こえた。
それはまるで私達の会話の声全てだった。
「え?なんで後ろから私の声が……」
後ろを振り向くと、そこには高身長の男がいた。
「なんですか!?貴方は!」
「ガルファ王サマノメイレイハゼッタイ」
「まさか!?スパイなのですか!」
私はごくりと唾を飲み込み相手の様子を伺った。
その時高身長の男の後ろからある男がでてきたのだ。
それがこのグランティ国の王様であるガルファ王だったのだ。
「おやおやこれはこれは公爵家のミエル何故こんなとこに?」
「ガルファ王様………」
「まぁーいいですそこのアミエルに聞くからね」
ガルファ王はそう言うとアミエルに問いただした。
「伯爵家のアミエルよミエルは何故ここにいた?」
「………」
数秒間アミエルは黙り込んだがずっと口を開いた。
「ガルファ王様…ミエルは貴族達の悪事を暴く為にここにいました」
「そうなのか?ミエルよ」
「うっ…………」
私はそのアミエルの裏切りにより危機に晒されることになった。
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