六花のハチャメチャ半生
優木六花
第1話 六花の保育所時代
私六花は今考えてみても妹弟の中でもいちばんおかしな子だった。
4人妹弟のいちばん上だった私は妹や弟が産まれる時は母方の実家に預けられたものだ。
今でも母方の実家近くの動物園によく連れて行ってもらったことを思い出す。
ところが私は3歳を過ぎても言葉を発することが出来なかった。
今は亡き母方の祖母(六花の母)が「六花は耳が聞こえんのじゃろうか…?」と随分と心配したそうだ。
しかし話に聞いたところによるとテレビが好きだったらしく大人しく観ていたと思えば 時にはリズムに合わせて踊っていたりしていたそうである。
それが私の母方のおばあちゃんからすると不思議だったようだ。
やがて私は保育所に通い始めた。
そしてお絵かきの時間になると決まってチューリップの絵しか描かなかった。
というよりは描けなかったといった方が正しいのだろう。
今も保育所時代から付き合いのある親友が
「りっちゃんはチューリップの絵しか描かんかったね」と笑いながら話す。
私も「そうじゃったね」と笑いながら話を合わすが何故か複雑な気持ちになる。
やがて少しづつ話せるようになってきた。
みんなと違う点はコミニケーションがうまく取れないということだった。
それが原因でいじめにあうようになってしまい、保育所に行きたくないと思うようになってしまった。
母やみんなに心配かけたくないと幼な心に思ったからなのか、いじめにあっているから
保育所に行きたくないとは言わなかった。
ただみんなと違うということは何となく感じていた。今からすると私には軽い知的障害があったのだ。しかし当時は人より少し発育が遅れているというだけで、病院で検査もしなかった。
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