前のエピソード――第1話

では話して行こう・・・

そう舞空術が出来るようになったのは今から約10年前のことだ。

そう言えば言い忘れていたが現在私は40歳を目前に迎えた39歳の男である。

つまり舞空術が出来るようになったのは三十路の少し前の事であった・・・

なんの前触れもなく突然10年前のある日朝起きたら出来るようになっていたのだ。

最初は夢の途中の事だと当然思った。

しかし、どうも夢と違って舞空術が出来ること以外はリアルな日常なので意味が分からなかった。幽体離脱なのかとも思ったがどうも違う。実体のある自分の紛れも無い体が浮き上がっていた。ただ少しフワフワと前に進んでしまってその場に止まって浮かぶことは最初は出来なかった。

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