ライター

「覚悟はあるのかい?」

 ライターを弄びながら俺は聞く。


「今はパパラッチもどきだが、

 記者ライターを志した頃の気持ちは忘れちゃいないさ」


「……火、要るかい?」


 シュボッ。


 決意に満ちた男の顔が浮かび上がる。

 煙草に火がつき、再び辺りは暗闇に包まれる。


 俺は無言で立ち去る。


 ライター型のUSBを託して――

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