架空請求

「お金ください」


 差し出された右手をじっと見る。

 無言の私に、相手がしびれを切らしたように

 一枚の紙を出してテーブルに置く。


 『88』と書かれている。


「80点超えたからゲーム買って!」

「約束してないでしょ」

「したもん! ご褒美あるってママ言ってた!」

「身に覚えがなさすぎる」


 ――架空請求か?

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