水色

「みずいろがよかったのに」


 大好きな彼女が涙目。


 女の子は、ももいろ。

 男の子は、みずいろ。


 僕らの幼稚園ではそう決まっている。


「なんで、みずいろがいいの?」

「うみがすきなの」


 なるほど。僕は一生懸命なぐさめた。


「ゆうやけのときは、あかいよ?

 よるは、くろいし。みずいろなんて」


 ――泣かれた。

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