第354話お、お礼に…なれる?

  美空の率直に自分が彼女に投げていた、少しばかり自分をディスっていたような言葉に頷いてくれていた態度に、目を半開きさせて見たくなっている義威瀬は、俯いては自分に潤んでいる琥珀色の瞳を向けに来る彼女の態度に、微笑んで見たくなりつつ、まったりと彼女の両肩から手を引いて行こうとする。”グルルルルー”忽然、まるで自分に彼女の肩から上手く両手を引かせてくれないでいるような、彼女の腹部から零れて来る少しばかり大きく聞こえている音に、ぱちくりしてしまう義威瀬。


  「うっ?!」義威瀬のまるで自分の腹の音に驚かされているようにと、ぱちくりしている姿勢に眉毛を跳ねらされているように感じては、思わず猛然と両手を腹部に当てていく美空、「ううう…」ぼんやりと右手を引いては、軽く頬を掻いていく義威瀬のどうやって自分に話しかけたらいいのかが分からなくなっている態度に、内心にある羞恥心が酷くくすぐられているように感じつつ、歯がゆい思いを噛みしめていくようにと歯を食いしばっては、赤くなっていた頬を床に向けている美空は、自分に恥ずかしい思いをぶつけて来た腹部を叱っていくようにと、強く両手で腹部を押さえていき。


  美空のまるでもうこれ以上自分に腹部について話をしようとはしないでいる様に、目を細められているように感じつつ、まったりと右手の人差し指を立てては、軽く頬に当てていく義威瀬、「うん?」少し質問のニュアンスが込められて声に、萎縮しているようにと肩を縮めては、何度も鼻翼に力を込めて行きながら、自分に顔を向けに来る彼女に淡い笑みを浮かべていく義威瀬は、彼女の捨てられていた子猫のような琥珀色の瞳で自分の顔を映し出して来る様に、心を苛まれていると感じてしまうと同時に、少しばかりくすぐったい感覚をぶつけられているように感じつつ、まったりと左手をポケットに突っこんでいく彼は言う、「お腹空いているのかな?」

  

  「な、なし!」義威瀬の確実に自分のお腹が空腹に刺激されて来ていた故に、上げていた悲鳴を聞こえていたと、自分で自分を上手く騙させてくれないでいるような彼が投げて来ていた質問に、口角が斜め下の方向に固定されているように感じつつ、猛然と両手を彼の胸元の方に向けて伸ばしていく美空、「今の無しよ…!」恥ずかしい思いに、悲しみに泣かされていた瞳が再び涙目になっているような気分を味わっている美空は、何度も鼻翼に力を込めては、猛然と左手を胸元に当てては、揺るぎない眼差しを彼に向けていく、「ぜ、全然だもん…!」


  美空の酷く激昂になっている姿勢に、口角をくすぐられているように感じつつ、まったりと左手に握られていた自分の手のひらを刺さって来るような包装を取り出していく義威瀬、「そう?」自分の顔を見つめたままで、強く握っていた両手を太股に当てていく美空が、自分に投げてくる揺るぎない眼差しに微笑んで行きつつ、まったりと左手にあるキャンディーを彼女の方へ向けてしまう義威瀬は、ぽつりと声を発していた、「じゃこのキャンディーは僕が食べようかな。」


  忽然、まるで軽く自分の脳内を嬲りに来るような義威瀬が紡いだ一言に見開かされては、ぼんやりと潤んでいく琥珀色の瞳で彼の左手にある満天の星々をモチーフにしていたようなキャンディーの包装を見下ろしていく彼女、「え…?」「ほれほれ、」軽く両手で包装を握って行きつつ、彼女のことを誘惑して行くようにと流し目で彼女の顔を見ていく義威瀬は、ごくりと食べたそうにと、自分の両手握られていたキャンディーを見つめたままで、唾液を飲み込んでいく美空に言う、「欲しいかな~?」


  ゆっくりと繊細なピンク色の指先で彼の手にある包装を裂いては、自分の微かに緑色にも見えて来る宝石のような飴に、心を苛まれているように感じつつ、人生今まで飴を食べた事がなかったような気がしている美空は、苦しんでいるようにと軽く白い歯を噛んでいく、「ううう…」まったりと左手に握られていた破られていた包装の少しばかり尖っていたような三角を、ポケットに入れて行きつつ、悔しそうにと唇を噤んでは、まるで自分自身と戦っているような美空の態度に微笑んでいく彼は、軽く左手をポケットから抜け出しては、提案するようにと左手の人差し指を立てていく、「僕の頬っぺたにキスしたらやろうかな~」


  「分かった、」義威瀬が自分に向けて来た取り引きをしようとしているような話を耳にすると、彼の頬にキスするだけで、自分には飴を貰えるのなら、自分が滅茶苦茶得するような気がしてならないでいる美空は、自分が迷わずに彼に返していた一言に見開かされては、軽く唇を開けていた彼の瞳を見つめていき、「しよう。」「え?」揺るぎない眼差しを自分にぶつけて来ては、宛ら自分を逃さないようにと両手を肩に置いて来る美空の猛獣の如く自分を襲っては、キャンディーを攫って行こうとしている姿勢に絶句されては、唇が否応なしにこじ開けられているような気がしてしまう義威瀬はぱちくりして行きながら、ぽつりと弱り切っているような声を発していた、「ま、迷ってよ…な?」


  「ううん!」宛ら自分を恐れているようにと肩を引いては、自分から逃れようとする義威瀬の顔を睨むようにと見つめては、何度も鼻翼に力を込めていく美空は、ゆっくりと顔を頬が段々赤くなっている彼に近づいて行きつつ、言葉を紡いでいく、「いっぱいする、」眉毛を額に固定しているような義威瀬が赤面で浮かべて来るきょとんとしている表情を見つめては、チラッと潤んでいた琥珀色の瞳を彼の右手にあるキャンディーに向けていた美空は、猛然と眼を彼の方向に向けて言う、「だからいっぱい頂戴?」


  「や、や…」美空のキャンディー一つで酷く追い詰められていたように、自分に言われるがままにキスして来ようとする姿に、眉毛を顰められているように感じては、軽く左手を彼女の右肩に付けては、彼女にこれ以上自分に唇を付けさせないで行きたいと思っている義威瀬、「やめろって。」微かに怒っているようなニュアンスが込められていた自分の一言に見開かされては、宛ら自分に嫌われたくはないと、自分に語りに来るようにと大慌てで両手を引いていく美空のぼんやりと両手を握って行きつつ、眉毛を顰めては、自分にどうかしたのかと、聞きに来るような目線に苦い笑みを浮かべていく、「冗談だから、」

  

  突然、自分は実は彼女にキャンディーを上げるつもりはなかったのかと、勘違いしているように小さな唇をすぼめては、悔やんでいるようにと頬を膨らませていく美空の様に、口角を上げられているように感じては、まったりと左手を彼女の右腕に向けて伸ばしていく彼、「僕はもともと君にも味わって貰いたいから幼稚園まで持ってきたんだから、」丁寧に彼女の微かに腫れていたようにも思える膨らんでいたような手首に、心を苛まれているような気がしてならないでいる彼は、軽く右手にあるキャンディーを彼女の手のひらに置いていた、「さっきので思い出してたのよ。」


  「え…?」義威瀬が自分に向けて来るお腹が鳴っていた事を、小馬鹿にしていたようなニュアンスが一切込められていない話に戸惑いつつ、ぼんやりと眉毛を顰めては、自分の両手にあるキャンディーを抱えていく美空は、困り果ているようにと彼に尋ねていく、「どうしてそんなことをしてくれるの?」美空のまるで珍宝を抱えているようにと、少しばかり大袈裟にも思えるくらいにキャンディーを抱えて来る様に、口角をくすぐられているように思えては、ぼんやりと目線を彼女の両手から赤くなっていた頬に向けていく彼は微笑んで言う、「だって、君は僕のほっておけないみそらちゃんなんだからね。」


  「うう…?」まるでわざと自分を困らせに来るような一言を紡いだ彼に、皺寄せていた眉間が更に刺激されているように思えては、彼はどうしてここまで自分の事を両親より大切にしてくれるのだろうかと、分からなくなっている美空は漠然と霞んでいた視野の中で彼の事を見つめていく、「わたしが何をしたのかな…?」美空がまたしても自分に投げてくる言葉にし辛く感じてしまう質問に、口角を軽く上げられているように思えては、ぼんやりと目線を自分の胸元に向けてしまう義威瀬、「自信作を読んでくれるから、」宛ら美空を見ているだけで体が引かれては、彼女が苦しまられるような様を見たくないと言う自分の思いを酷くアバウトにも思えるくらいに、一括りにした言葉に苦笑いして見たくなりつつ、ぼんやりと額を上げては、自分がちゃんと学校に通えたら、彼女に向けているこの思いを如何にか説明して上げれるのではないかと、漠然と考えてしまう彼は潤んでいた琥珀色の瞳の中に映し出している自分を見つめて言う、「真面目に見てくれるから。」


  義威瀬が語りに来る微かに何かしらの事を隠しているような言葉に戸惑っては、漠然と小首を傾げていた美空は軽く赤くなっていた鼻を啜っていき、「そ、そう…?」美空のまるで自分が紡いだ自分でも、彼女に向けている良く分からない思いに気が付いているようにと、自分が彼女に渡していたキャンディーに萎縮していると同時に、もやっとした自分の思いにつられては、微かな不安が抱えているような表情に目を細められているように思いつつ、自分の思いの細部まで気が付いて来る故に、自分は彼女に心を引かれているのであろうと、内心で漠然と考えていく彼は軽く左手を太股に付けては、右手の人差し指で彼女の抱えては、食おうとしないでいるキャンディーを指差していく、「ほら、食べて食べて?」


  急に話題を逸らし始めている自分に驚かされているようにと眉毛を軽く跳ねらせては、ぼんやりと自分に言われたままに、潤んでいた琥珀色の瞳をキャンディーに向けている美空の愛おしく思える仕草に微笑んでは、心が弱っている彼女に弾まされているように思いつつ、やはり彼女の存在を理屈抜きで守りたいと願ってしまう義威瀬、「お腹が空いてるのなら、」ぱちくりながら肩を縮めては、自分に弱らされているようにと潤んでは、少しばかり赤くなっていた眼を向けに来る彼女に向けて、軽く胸を張っては彼女にこれからの事を心配する必要はないんだぞと、教えて行きたいと切に思っていく彼は、左手の親指で自分の後ろにある小さなリュックを指差していた、「これからもいっぱいおやつを持ってくるよ、」突然、自分が彼女に投げていた一言に酷く感動されているようにと、強く唇を開けに来る彼女の大袈裟な態度に微笑んでいく彼は言う、「こっそりとね。」


  「ううう…」義威瀬が自分に向けに来る至れり尽くせりのような言葉に、口角が斜め下の方向に固定されているように思えては、人生今まで自分に一番優しくしてくれる人と出会えていたようにと思うと同時に、酷く彼の存在に感動されては、大泣きして仕舞いそうな思いを抱えている美空は思わず軽く白い歯を噛んでは、猛然と両手に抱えられていた包装を軽く剥いては、丁寧なまでに唇の中に入れていく。

  

  「うう…?!」まったりと自分の口内に入っては、宛ら舌を包んでくれるような甘い味に、眉毛を否応なしに上げられているように思えては、円やかな甘いが渇いた喉に執拗なまでに求められているように感じつつ、口角を自ずと上げて来る口内にある甘い味に、霞んでいた視野が綺麗にされているような気がしている美空。まるでキャンディーに体を縛られていたようにと、無言で舌で軽くキャンディーを殴りつつ、白皙を膨らませている美空の顔が少しばかり面白く思えている義威瀬、「どう?」横目で彼女が浮かべて来るきょとんとしている顔を見つめつつ、彼女はキャンディーに満足しているんだぞと、自分に知らせに来るような彼女の上げていた小さなピンク色の口角に一瞥してしまう彼は言う、「甘い?」


  呆然と左手に握られていたキャンディーの包装の存在を感じて行きながら、自分の今までの人生の中で食べていた一番美味しく思えるようなものを、ただでくれていた義威瀬の存在に口角が斜め下の方向に固定されているように思えては、自分は自分に優しくしてくれる彼のもとから離れなくなっているような気がし始めている美空は、胸元の奥からこみ上げて来ては、軽く自分の鼻腔を通り脳に登っているような温かい感覚に涙目にされているように感じつつ、丁寧に頷いていく、「うん…」

  

  ぽつりと彼女のピンク色に染め上げられていた目の下を通っていく透明な涙の粒に、心をくすぐられているように感じつつ、丁寧に右手を彼女の紅潮していた頬に触れていく彼、「良かった、」宛ら自分の親指に目の下にある涙の粒を拭かされていたことに、驚かされているようにと体をビクッと跳ねらせていく美空の、大慌てで目線を自分に向けに来る様に屈託のない笑みを見せていく義威瀬、「僕は母さんが来るまで連環画を描いていくつもりでいるから、」ぱちくりながら自分が彼女に向けていく半分の言葉に向けて、酷く丁寧に頷いてくれる彼女の態度に苦笑いして見たくなっている義威瀬は、軽く右手の人差し指で彼女の左目の瞼にある涙の粒を拭いて行きつつ、声を発していく、「もう少し付き合って行けると思うんだ。」


  当たり前のようにと自分の涙を拭いてくれていて、軽く左手で自分の手にあるキャンディーの包装を受け取ってくれていた義威瀬の姿勢に、泣かされて仕舞いそうに思えては、軽く唇を噛んでしまう彼女はつい彼から貰えている一方でいるのは酷く狡く思えては、自分も何かしらのお礼を彼にして上げたいと切に思っては、何も持っていない自分の貧乏さに涙目にされているように思いつつ、潤んでいる琥珀色の瞳で彼の顔を映し出していく彼女は、ぽつりと渇いた唇を開けていき、「あのね…」


  軽く口内にあるキャディーに舌を邪魔されては、滑舌が少しばかり悪くなっているような美空の、自分に何かしらのお願いをするような態度は酷く愛おしく感じている義威瀬は微笑みながら、彼女に尋ねていた、「なに?」「ちょっと…」口内にある自分は幸せなんだと言う現状を知らせにくれているような、キャンディーの味に目を細められているように思いつつ、ぼんやりと幸せに蕩けされているような視野の中で彼の事を見つめていく彼女は、小さな右手を上げていた、「こっちに来て?」自分に内緒話をしようとしているようにと右耳を呼んで来ている美空の様に微笑みながら、彼女に求められているのが酷く居心地良く思えている義威瀬は、丁寧なまでに頷いて行きつつ、軽く頬を彼女に寄せていく、「うん。」


  ”ちゅ”忽然、まるで自分の右頬を軽く退かしに来るような、酒と煙草の臭いが纏っている小さな柔らかい感覚に見開かされては、思わず猛然と体を引いては、急いでいるようにと左手を上げては、自分の右頬に当てていく義威瀬は、緊張に震わされては、どうしたらいいのかが分からなくなっているような両手で、自分の微かに湿っているようにも思える右頬を押さえて行きつつ、自分の行動に恥ずかしい思いを強いられ、恐る恐ると両手を握って行きつつ、ゆっくりと真っ赤になっていた顔を俯いていく美空の様に、心臓の動きを止められて仕舞いそうな気がしている義威瀬、「え…」


  自分の右頬に一体何があっていたのかが上手く理解できずにいる彼は、ぼんやりと困り果ているような顔を俯いては、自分の顔を見てくれている美空に向けていき、「ええ…?」まるで自分の悩んでいるような声に、顔を引かれているようにと軽く顔を上げに来ては、自分にさっき彼女の事を信頼しては、彼女に向けていた右頬にしていた事を知らせに来るようにと、内股になっていた両足で小さな右手を挟んで行きつつ、軽く左手の人差し指で彼女の微かに潤んでいたような唇を指差しては、まったりとピンク色の指先を自分に向けに来る美空の様に、あんぐり口を開けられているような気がしている義威瀬、「お、お前…!」猛然と緊張に太くされているようにと思える発音を喉から絞り出しては、彼女が自分に投げて来ていた恥ずかしい思いに、泣かされて仕舞いそうな気がしている彼は思わず痒くなっている足の底で地団駄を踏んで見たくなっている、「き、君!」


  「お、お礼に…」義威瀬のてんぱってはどうしたらいいのかが分からないでいるような姿勢に、口角が硬直されているように感じつつ、彼が感じている焦燥感に胸元の奥を駆り立てられているように思えては、思わず歯がゆい思いに刺激されては、汗ばんでいるような両手を強く握ってしまう彼女は何度も赤くなっていた小さな鼻翼に力を込めて行きながら、もしかしたら自分が目一杯のお礼は、彼にとってただの迷惑でしかいないのだろうかと不安になっている彼女は言う、「なれる?」


  ぱちくりながら自分の弱っては、萎縮しているような状態に微かな安心感を貰えているようにと両手を頬から下ろしては、自分の痒くなっている頬から床に視線を落としている彼の顔を見つめては、急いでいるようにと左手を不安に嬲られては、パンクしてしまいそうなくらいに、激しく鼓動を刻んでいる胸元に当てていく彼女、「わたしじゃ…汚い…」刹那、まるで自分がぽつりと零していたような一言に、顔を刺激されているようにと猛然と自分に目線を向けに来る彼の眼を見つめていく美空は、ぽつりと呟いていた、「のかな…?」


  「ううう…」酷く弱っている態度を自分に向けに来ては、つい彼女に胸元を引かれているように感じつつ、彼女を抱えて見たくなっている義威瀬は軽く白い歯を噛んでは、何度も鼻翼に力を入れて行きながら、困り果ているようにと右手を上げては、むずがゆくなっている後頭部を擦っていき、「なれた…って…」自分がぽつりと恥ずかしさに硬直されているような喉から絞り出していた一言に、口角をくすぐられているようにと安堵の吐息をついてくれると同時に、胸元をなで下ろして来る美空の様に違和感を思い出されているように思えては、猛然と眉毛を顰めては、強く左手を胸元に当ててしまう義威瀬、「いや、ち、違うって言ってたのだろう?」


  急に向きになっているようにと、自分に訳の分からない話を投げてくる義威瀬に困らされているように思えては、漠然と小首を傾げてしまう美空、「うん?」美空が自分に向けに来る自分の頬にキスしたのは、そこまで嫌ってわけではないという態度が込められていたような姿勢に、内心にある恥ずかしい思いが更に嬲られては、涙を零してしまいそうな気がしている義威瀬は、必死に両手を胸元に当てていき、「さっきのはただの冗談で!」


  ぱちくりながらまるで上手く自分が彼女に向けていた言葉を理解出来ていないような美空の様に、目を半開きさせて見たくなりつつ、軽く鼻翼に力を入れては、強く歯を噛んでしまう義威瀬は、自分がただ物で彼女に恥ずかしい事をして貰うような怪しからんにも思える輩だと、思われたくはないと切に思ってしまい、「何かしらの事をしてくれとかは思ってないよ!」ごくりと固唾を飲み込んでは、酷く向きになっている自分に落ち着いて欲しいと、語りに来るようにと軽く両手を上げて来る美空の、自分より冷静でいる様に微かに不満を覚えては、自分はもしかしたら冗談交じりの一言で、酷く彼女の繊細な心に傷跡を残していたのではないかと、不安になっている彼は軽く両手を胸元から下して行きつつ、強く手を握っていく、「作品を見て真面目意見を出す以外は!」


  「うう…」義威瀬が酷く向きになっているようにと自分に解釈しに来る様を目にすると、思わず彼は本当は自分にキスされたくはなかったのではないかと、ぼんやりと思っては、困り果ているようにと赤くなっていた小さな鼻翼に力を入れて行きながら、チラッと潤んでいた琥珀色の瞳を彼に向けてしまう美空、「でも…」軽く両手を握っては、自分の胸元に当ててしまう美空はぼんやりと唇を開けては、きょとんとしている青色の眼で自分の事を映し出してくれている彼の顔を見つめて言う、「わたしはしたいんだもん…」


  まるで自分が彼に向けていた一言に、胸元を嬲られているようにと大きく唇を開けに来る義威瀬の様を睨むようにと見つめて行きながら、何度も鼻翼に力を込めては、何も出来ないでいる自分が、せめて自分に好意を抱いてくれている彼に最低限のお礼をして上げたいと、願っている美空は切なげに目線を床に落としては、ぽつりと呟いていく、「してやれることもないんだしさ…」美空の彼女なりに何かしらの事を自分にしたいと思ってくれているような、ニュアンスが込められていた言葉に、口角が斜め下の方向に向けられているように感じつつ、背中が恥ずかしい思いに焼かれているような気がしては、つい自分たちは両想いであることにくすぐられては上げてしまいそうな口角に、目を細められていく義威瀬は言う、「そ、そう…なら…」ごくりと固唾を飲み込んでは、恐る恐ると潤んでいる瞳を向けに来る彼女の萎縮しては、微かに自分に文句をぶつけたくなっているような尖っている唇に、微笑んでいく彼は軽く右手で項を擦っていた、「別にいいけどさ。」


  義威瀬のまるで小汚い自分にキスされていたのは、まんざらでもないようにと笑ってくれている様に目を細められては、胸元の奥にある鼓動が加速されているような気がしてならないでいる美空は、軽く顔を彼に近づかせて行きつつ、彼の瞳を見つめていき、「嬉しい…?」宛ら自分の体を焼き滅ぼそうとしているようなくらいに、健気なまでに傷だらけになっていた体を自分に近づいて来る美空の、自分の顔を映し出してくれている鏡となっていたような眼に、自分は幸福と言う状態にいるのではないかと、漠然と曖昧にも思えるような言葉の事を思ってしまう義威瀬は、照れくさそうにと一瞬彼女の眼から目を逸らしては、丁寧に頷いていた、「うん…」


  照れくさそうにと右手の人差し指で頬を掻いて行きながら、ぽつりと渇いた唇を開けにいく彼、「ちょっとううん…」まったりと何度も首を横に振って行きながら、口角を上げては、ぼんやりと自分の顔を見つめてくれていて、真剣な表情を浮かべていた美空の唇に目線を一瞬無理矢理奪われては、右頬にある痒く感じてしまう感覚が再び蘇って来ては、脳内を殴り込んでいるような気がしてならないでいる彼は、強く鼻翼に力を込めては、まったりと彼女の匂いが混ざっている空気を吸い込んでは、震えている胸元を膨らませることで、如何にか彼女に告白を向ける勇気を貰いたいと願っている彼、「最高に嬉しい…」


  「えへへ…」義威瀬が自分の顔を見つめてくれていて、自分にキスされていたことが酷く喜んでいると知らせにくれていた態度に、口角が目一杯上げられているように感じつつ、間近にいる温かい香りを放っては、自分の胸元の奥を呼び付けに来るような彼の姿勢に、両手を上げられているように感じては、宛ら自分に体を抱えられて仕舞いそうな様に戸惑っているようにと、硬直していた表情を自分に向けて来る彼に口角をくすぐられているように感じてしまう美空は、迷わずに自分を呼んでいるようなピンク色の存在に唇をぶつけていた。


  ”ドクンー”「うっ?!」突然、否応なしに自分の唇を塞がりに来るような軽く小さな瞼を瞑っては、長い睫毛で自分の目の下に触れようとしている美空の様に見開かされては、自分はもしかしたらドラマの中でしか見たことのない口付けと言うものを、されているのだろうかと、漠然と考えては、猛然と胸元の奥からこみ上げて来ては、脳内を蒸発しようとしているような熱気を放っている感覚に、白い目を向かされているような気がしてならないでいる義威瀬は、胸元が美空と言う存在に抑えられては、上手く空気を吸えなくなっているような気がしている彼。


  ”ちゅっ”急いでいるようにと艶やかな唇を自分の顔から引いては、ゆっくりと細長く見えて来る睫毛を上げては、白皙の瞼を開けていく美空の琥珀色の瞳に映し出されている自分の姿をぼんやりと見てしまう義威瀬、宛ら自分に彼女がさっき自分にしていたことは、自分のパンクしてしまいそうなくらいに熱気に苦しめられては、真っ白にされている頭の代わりに、分析してくれているようにと自分の顔から潤んでは、微か血走っていた眼を逸らしていく美空の照れているような姿勢に、口角が斜め下の方向に固定されているようにと思えている義威瀬、「ううう?!」段々激しく鼓動を刻んでいる胸元の奥からこみ上げて来ては、むずがゆくなっている喉元を嬲りに来るような鼓動に、顎を無理矢理引かれては、言葉を彼女に向けて紡いでいく権力を奪われているような気がしてならないでいる彼は、辛そうにと強く鼻翼に力を込めていく、「お、おい…」



  


  


  

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