第281話ゲームの本番がそろそろ始まりそうかな…神よぉ…



  

  「それは残念だね。」軽く肩を縮めては、自分が守りたい人はもう亡くなっていたんだと思っては、今の自分は誰も守りたくはないんだと内心で考えてしまう竜祥は軽く鼻で笑っていた、「子供が目の前で殺されるのを見るより、」残念そうにと何度も首を横に振っていきつつ、身も心も捧げている信者のように自分の顔を見上げて来ている森田の様を見下ろして行きつつ、つい悲しい気持ちになっているのにどうして可笑しそうにと笑い声を零してしまう竜祥は、ぽつりと笑い声に震わされては、怒りに沈まされている声で呟いていた、「我が子を愛している親にとって悲しい事はないと思うがな…」


  やけに笑っているはずなのに、言葉の一文字一文字が憤怒と悔しさに満ちている竜祥の声色が不気味にも感じては、彼はまさしく自分を世界から連れ出そうとする自分の死を司る魔王のように感じている森田、「大丈夫ですよ…」軽く引き攣っているような右側の口角を上げて行きつつ、両親さえちゃんと生きて行けたら自分はそれでいいんだと、納得している彼はぽつりと濁っていた生き血に汚されていた唇をあけていき、「二人はアジトにいるのですから…」


  森田のまるで幻想でも見ているように自分の顔を見て来ているのに、まるで自分の顔を越えては大空でも見えているようなやけに希望に満ちている、犠牲者にも思わせに来る瞳に飽きれては思わずため息をついてみたくなっている竜祥は、残念そうにと軽く首を横に振っていた、「はぁ…」酷く彼の態度に飽きれている自分がぽつりと吐いていたため息に、戸惑っているようにと眉間に皺寄せていく森田の困惑気味になっていた表情を小馬鹿にしているようにと、軽く鼻で笑っていく竜祥は可笑しそうにと言葉を紡いでいく、「馬鹿正直に誰とも連絡していなかったんだね?」


  自分の胸元の奥にぶち込んで来ていたバタフライナイフをもう握りたくなくなっているように、軽く右手を放していた竜祥の自分を嘲笑いに来ているような態度をぼんやりと見上げては恐る恐ると頷いていく森田、「ええ…」「二人は、」軽く顎を上げては流し目で自分の右側にある工場の壁に沿っては、地面に転がっていた小さく見えてしまう拳に一瞥していく竜祥は、軽くひんやりとした空気を吸い込んでいき、「どうしても息子に会いたいから、」軽く左手の人差し指を立てては自分の艶やかな爪を見つめてしまう竜祥は、辛そうにと大きく唇を開けて来ては自分が紡いでいる話を聞いてくれている森田を流し目で見ていく、「運悪く強化者に殺されていたと、」


  「えっ…?」竜祥がまたしても自分に脳内にある全てのものを、信用出来なくしているような言葉を紡いだ事に見開かされては、思わず彼が紡いだ言葉の中に秘められている現実を受け入れたくなくなっている森田、顎がまるで自分の思考の代わりに彼が自分に投げに来ていた話の意味を理解していたようにと戦慄し始めながら、心臓を連れては、自分を倒そうとしているような感覚に無力さを感じてしまう森田は、つい上手く背筋を伸ばしていく事すら出来なくなっている自分のことを恨んでは、悔しそうにと歯を食いしばっていき。


  自分が彼に教えていく台詞の中にある真実を知れては、まるで現実を受け入れたくないでいるようにと何度も首を横に振っていく森田の様が酷く滑稽にも感じては、自分に散々アジトにる弱っている民衆の待遇を聞いて来ていたのに、自分が本当のことを全部話してしまうと、そっちから拒んで来ている彼は身勝手な人間なんだなと内心で思ってしまう竜祥は、強く右側の口角に力を入れては、口角を上げていた、「もしアジトの中にいる誰かがお前の両親について尋ねに来るのなら、」軽く左手を開いては小首を傾げたままで、橙色の光に驚愕の表情を照らされている森田の様を睨むようにと見つめてしまう竜祥、「そう答えて行くつもりだよ。」


  「それは…」口角から滴り落ちていく唾液に顎を冷やされているように思いつつ、小さな白い花弁に飾られているような竜祥の、自分の前で佇んでいる様に畏怖を覚えては、喉元が不安に握り潰されてしまいそうな気がしてならないでいる森田は、苦渋な思いを噛みしめていくようにと歯を噛んでは、恐る恐ると戦慄しているような声で話を紡いでいた、「どういう…」潤んでは既に真実を理解しているせいで、泣き出してしまいそうな森田のコーヒー色の瞳に、口角をくすぐられているように感じつつ、軽く額を上げては、白皙の顎で小さな影が佇んでいた方向に向けていく竜祥、「見てみ?」眉間に皺寄せてはまるで自分に何を見たらいいのかと聞きに来ているような森田の態度に、目を細められているように思えては、彼が自分にして来そうな行動はもう完璧なまでに読み取れているような気がしている竜祥、「俺の後ろに、遠くに、」宛ら戦いの準備運動をしているようにと軽く左手の指を動かして行きながら、軽く鼻翼に力を入れては柱に一瞥していく竜祥は言う、「夕焼けを見ている二人。」


  「え…?」刹那、竜祥が自分に投げに来ていた一言に、心を揺さぶられているような気がしてならないでいる森田は、恐る恐ると右手で自分の胸元を刺激しに来ていたようなバタフライナイフを押さえているようにと軽く握りながら、ぼんやりとしている目線を竜祥が自分に示して来ていた方向に向けて行きつつ、彼が自分が他所に気を遣っている時に襲って来ないのかと気を付けて行きながら、何度も鼻翼に力を入れては唾液を飲み込もうと考えている森田。


  まったりと自分の青ざめた顔の隣りを過ってしまう白い雪に隠されてしまいそうな人影を見定めて行こうと思いつつ、遠くにある夕陽に視野を奪われては困らされいるようにと目を細めていく森田、まるで自分によく遠くにある景色を見せてくれているようにと、まったりと細長い体を逸らしてくれては、顎を上げていた竜祥の態度を気にする事無く、軽く歯を噛んでは、呆然と佇んでは、彼が自分に知らせに来ていたような、お互いに体を寄り添っていたような黒い人影に戸惑いつつ、柱に弱されている両親がアジトからかなり離れているはずなの工場に、来れるはずもないんだと漠然と考えては、夕陽に照らされていた見慣れていた髪の毛が雪と戯れっているように、宙に橋を残していく様に鎖と化していたかのような眉間が解かされているようにも思えては、自分のことを呼んで来ているような母親の髪の毛と背中姿に、口角を微かに上げられているように感じては、自分が竜祥に殺されてしまうことを思うと、つい彼はもしかしたら自分を両親の前で殺そうとしているんじゃないかと悔やんでは、軽く喉仏を上下に起伏させては、横目で目を細めては地面にある小石を見つめながら、憂いに耽っているような竜祥の微かに震えているようなピンク色の口角に違和感を覚えつつ、左手で軽く腹部を擦っている彼の仕草を気にする事無く、彼を頼んでは両親に自分は大丈夫だと伝えてから、人生を終わらせに行こうと考えてしまう森田は悔しそうにと歯を噛んでは、自分を殺そうとしている人間を頼るのは癪に障ると思いつつ、再び目線を母親の方向に向けていき。


  忽然、母親の右側で佇んでいたはずのシルエットがまるで自分に内心にある違和感の正体を、教えに来ているような背中姿に戸惑いつつ、ぼんやりと眉毛を顰めてしまう森田はつい背中姿を自分に見せてくれては、頭部を無くしていたと人影に唇をゆっくりとこじ開けられているように思いながら、喉を詰まらせに来ているような戦慄と驚愕に言葉を紡ぐチャンスを奪われているような気がしてならないでいる彼は、恐る恐ると震えている目線を再び自分に逃げてと語って来ていたような母親の大きく唇を開けて来ていた様に向けていき、「うっ!」母親の苦しそうな表情をコーヒー色の瞳で映し出してしまうと、思わず彼女に自分の胸元に指していたバタフライナイフと着物を汚していく生き血を、見せてはならないと強く考えては、猛然と胸元を右側に向けては、彼女に傷跡を隠していこうと強く考えていた森田。


  「え…?」悲しみに霞まされていた視野に戸惑いつつ、どうして母親は自分に背中を向けに来ていたはずなのに、ちゃんと自分のことを見れているのだろうかとぼんやりと考えては、呆然とぱちくりしてしまう森田は軽く鼻翼に力を入れては、またしても自分の意思を先取りしていたかのように勝手に震え始めている目線が、恐る恐ると自分の瞳を奪おうとしているような夕陽から母親の背中に向けていき。


   ”ドクンー”「ああ…」母親によく似合っていたようにも思える真っ白な粉雪のような、白いカーディガンがまるで自分の胸元にある咲き誇れていく赤い花のような様に、心臓を嬲られているような気がしてならないでいる森田は、恐る恐ると開けていた唇と渇いたようにも感じてしまう瞳を竜祥の軽く鼻で笑っていく様に向けていき、「あああ…」歪んでいるようにも感じさせに来ているような笑顔を浮かんで来ては、宛ら赤子を守っているようにと軽く左手で腹部を擦っている竜祥の自分の存在を忘れていたような態度に見開かされては、腹部からこみ上げて来ている苦しみと、母親が自分に見せに来ていた有り得ない体勢に脳内を狂わされているように思えてしまう森田は、辛そうにと歯を噛んでは何度も鼻翼に力を入れて行きつつ、彼女の隣りで佇んでいたのはもしかしたら父親なのではないかと、ぼんやりと答えははっきりとなっていたはずの問題を抱えては、父親の頭部はどこに行ってしまったのかと、憤怒と虚しさに体を苛まれているように思えては、霞んでいた視界を再び父親の足元に向けていく森田。

  

  「あ…」地面に転がっていたような小さな拳にも見えていたものが、自分の身体を嬲って来ているような粉雪を混じっていた寒風に苛まれているように、軽く生えていたはずの髪の毛を吹かれていた様と、まるで父親の足元にあるシルエットに色を足していくような深い生き血に、無理矢理開けられていた唇が裂かれてしまうくらいに限界に上げられている感覚に胸元に差し込んでいたバタフライナイフの痛みが、怒りに乗っ取られては、消え去っているような気がしてならないでいる森田は猛然と血が飛び出そうなくらいの、真っ赤になっている眼を竜祥に向けて行きながら、内心を囲んで来ている悲憤と訳の分からない事が現実になれている現状を受け入れないでいる思いに、喉を引き千切られているように感じてしまう森田は苦しそうにと強く左手にある鞘を握っては、猛然と柄に付けていた黒い尻尾を竜祥の方に向けて行きつつ、猛然と右手で握っていたバタフライナイフを抜け出すようにと外側に向けて力を入れて行きながら、竜祥を殺してやるんだと言う思いに脳内を満たされているように思えては、内心にある怒気が無理矢理零れては、自分の喉を支配しに来ているように感じてしまう森田は猛然と竜祥の方向に向かって走っていた、「ああああー!」


  ”ズー”否応なしに生き血に汚されては赤い雫を零していた淡い赤い色の着物から、バタフライナイフを抜け出しては、自分に歪んでいるようなくらいに真っ赤になり、眼を目から飛び出しては、自分の体に噛みかかろうとしているようにと、大きく唇を開けに来ている森田の怒りに翻弄されは自分に向かって走り出して来ている様に、目を細められているように思いつつ、強く右足に力を入れては、飛びかかろうとしている彼の酷く遅く見えては、まるで彼の隣りにある雪を飛ばそうとしている様に苦笑いしてみたくなっては、チラッとまるで世界に集中している自分の力に、微かな影響も及んでいないかのようにまったりと紫色の粒を漂わせている柱を睨んでは、悔しそうにと歯を噛んでしまう竜祥はつい無言で自分を含めていた人類を全員俯瞰している柱に、自称神であるシルエットの常識外れの力を見せつけられているような気がしてならないでいる竜祥は、まったりと疼く右足で軽く地面を蹴っていた。


  ”シュー”まるで寒風と粉雪の力を頼っては自分の存在を嬲らせに来ていたような竜祥の、猛然と自分の視野の左側に向かって体を飛ばしていた瞬間に見開かされては、強く前に体を向けていたせいで、つい上手く宙を舞う体を止めることが出来なくなっている森田は悔しそうにと歯を噛んでは、自分の顔面に近づいて来ているような地面にある石ころを睨んでいき。”ドンー”「くっ!」強く右肩を地面にぶつけては、胸元と顔面を守っていた森田の自分にスローモーションの中でショーでも見せつけに来ていたような様に、口角を微かに上げられているように思えては、まったりと腕を組んでいた竜祥は軽く顎を上げては、瞬きを忘れていたように胸元に赤い水柱を垂らしながら、自分を睨んで来ている森田を見下ろしていき、「父親と同じリアクションをしてくれるね?」


  「どうして…」憤怒に体中を震わされているように感じては、苦しそうにと歯ぎしりして行きつつ、疼く右手で地面を支えて行きながら、地面にぶつけていた体を起こそうと考えている森田は、さっき自分が考えていたように、いとも簡単に自分の攻撃を躱していた竜祥の清々しい顔を睨んでいく、「お前は…!」怒りに喉をやられていたように、嗄れていた声で自分を叱っているようなニュアンスが込められている話を紡いで来ている森田の様に、鼻腔の奥をくすぐられているように感じては、軽く鼻で笑っては、自分の微かに赤くなっていた鼻先に触れたがっているような粉雪を飛ばして行きつつ、横目で彼の立ち上がっている様を睨んでいく竜祥、「そりゃあ資源の問題になるな、」軽く背中をひんやりとした工場の壁に当てて行きつつ顎を上げては、いつ自分に襲いかかって来ても可笑しくない森田がいつ自分に襲って来ては、桁違いの力を手に入れている自分に、傷一つも残れやしないんだとぼんやりと考えて行きつつ、赤いオブラートに包まられていたような雲を見上げていく竜祥、「食料も問題になるし、」空から自分の顔面に向かって降りかかろうとしている雪が、風に吹かれていく様に微かな憂いを覚えてしまう竜祥は詰まらなさそうにと軽く後頭部で、剥がれてしまいそうなペンキに塗られていた壁に向かっていく、「場所を使えない体で占拠するのも問題になるからね。」


  「お前は…」ごくりと口内を侵しに来ているような鉄さびの臭いを飲み込んでは、平坦な声で言葉を紡いで来ているのに、狂っているようにと後頭部で壁を叩いている竜祥の仕草に歯ぎしりしてみたくなっては、真正面で戦ったとしても、自分には勝ち目が残されていないんだと考えてしまう森田は、鼻腔の奥に募って来ている自分の脳内を占拠しては、気絶させようとしているような痺れている感覚に、視界を無理矢理黒く染め上げられているように感じつつ、苦しそうにと大きく自分の体を内側から割らそうとしているような空気を吸い込んでいく彼、「元から…僕らを助けようと…」右手にあるバタフライナイフを握りながら、ゆっくりと左手にある地面に付けていた鞘に沿っては、左手で刀の柄に触れて行こうとする森田は言う、「思ってなかったんだな…」


  森田のようやく少しくらいは自分と須賀と折尾がやろうとしていたことを分かってくれている様が、酷く滑稽にも感じては、軽く鼻で笑ってしまう竜祥は顎を上げては流し目で彼の顔を見ていき、「そうとも言う?」平坦な声色で彼のことを信じて来た弱っている民衆を全員裏切っていた言葉を向けに来ていた竜祥の様に、脳内にある全てのものが憤怒に焼き払われているように感じてしまう森田は、強く左手にある鞘を握りながら、刀を持ち上げていき、「ねぇ…竜祥さん…拙者は…」目を細めて行きつつ自分の上げていく左手につられているようにと体を伸ばしている刀と、左手を上げるなと自分の心臓を苛んで来ている胸元の奥にある傷跡の感覚を感じて行きつつ、何度も鼻翼に力を入れては、周りが段々薄暗くなっている視野に、自分にはもう大した時間が残されていないんだと言うことを知らされているように思えている森田は、ぽつりと渇いた唇を開けていた、「須賀殿に数え切れない程に三流だの二流だのと言われて来たんですけど。」


  ”ザー”宛ら地面にある小石の群れとじゃれ合っているような地面に、体をぶつけていた鞘と小石の間から立てて来ている音をぼんやりと耳にして行きつつ、ようやく自分に刃向かおうとしに来ている森田の態度に心をくすぐられているように感じては、高揚感を覚えてしまう竜祥はついまともな人間は全員自分を八つ裂きにしたいくらいに、自分を恨んで来るべきなんだと思いつつ、顎を引いては両手にある凶器を握りしめている森田の様を見つめている彼は、森田のことを認めているようにと何度も首を縦に振っていき、「んふん?」


  「今は…」自分のゆっくりと赤い生き血を滴り落ちている胸元まで引いてる左手につられては、自分の顔を照らしてくれている刀身に目を細められているように思いつつ、強く歯を噛んでは何度も鼻翼に力を入れていく森田、「一流のキャラになると…」自分が紡いでいる言葉をちゃんと聞いてから動き出そうと、語って来ているようにとふざけているようなくらいに口角を上げては真面目そうな表情を自分に向けたままで、何度も頷いて来ている竜祥の態度を睨んでは強く右足に力を入れてしまう森田、「決めました…!」


  ”シュー”猛然と強く握っていたバタフライナイフを竜祥の方向に向けて投げては、一瞬でも多く隙を作り出しては自分に彼を殺せなくとも、大きな傷を残して行けるような瞬間を稼いで行きたいと切に願ってしまう森田は、否応なしに体を左側に傾けては、迷わずに右足で地面を蹴っては、自分の前にある竜祥の鼻先に向かって飛んでいくバタフライナイフを追うようにと、地面から離れていた右足についていくようにと、宙を舞い右足につられては地面から離れていく左足の足先で軽く地面に触れては、少しでも多く加速出来ることを願ってしまう彼。


  ”バァン!”まったりと自分に向かって突っ込んで来ている森田の、安直にも感じてしまう攻撃の姿勢に目を半開きさせて行きながら、ゆっくりと組んでいた両腕を解しては自分の赤い瞳に向かって軽く体を震わせて行きつつ、真っ直ぐに飛んで来ているバタフライナイフの、彼の生き血に汚されていた体を見ながら当たり前のように軽く左手でバタフライナイフの取っ手を掴んでいく竜祥。


  ”ブスー”「うっ…」突然、前に向かって走り出しては、体が宙を浮いていたような感覚と、自分の背中を押してに来ていたような空気の感覚が消え去っては、有無を言わさずに自分の上半身を起こして来ていたと同時に、胸元に大きな傷跡を残しに来ているような華奢に見えて来たはずなのに、やけに力に満たされているようにも思える竜祥の右腕の感覚に唇を無理矢理こじ開けられているような気がしてならないでいる森田、「な…!?」


  悔しそうにと歯を食いしばっては、痛みに支配されているせいで酷く震えている左手に同調されているような刀の柄を掴んでいく森田は、辛そうにと息を吐き出して行きつつ、まるで自分には最早彼に勝てる術なんて持っていないんだと知らせに来ているように、飄々とした表情で空を見上げている竜祥の様を睨んでいく森田は強く歯を噛んでは、遺言を残す力を振り絞っては、両親と彼の存在を固く信じて来ていた民衆の代わりに、彼に一矢を報いるんだと強く考えては、折れていた刀の先を竜祥の胸元に向かって行こうとする森田は苦しそうにと強く歯を噛んでいき。


  ”シュー”刹那、否応なしに灰色の稲妻と化していたような小石が空気を切り裂いていたような音を連れては、自分の胸元を当たり前のように破いて来ては、いつの間にか自分から一歩を引いていた竜祥の、まるで彼が自分の見えなかった瞬間の中でしていた行動を見せつけに来ていたようにと、上半身を右側に傾けたままで右手を左側に向けて何かしらの物を投げていたポーズに止まっている姿勢に見開かされては、痙攣している両足がまるで彼に投降したかのようにとゆっくりと曲がっては、地面に膝をぶつけにいく感覚と、自分のことを憐れんで来ているように目を細めながら、何度も首を横に振ってしまう竜祥の眼に憤怒を覚えては、口角が悲しいに斜め下の方向に固定されているように思えている森田、「うあっ…!」


  ”チャンー”赤いブリッジを作り上げているような胸元につられては、地面に向けて倒れていた森田の様に目を細められているように思いつつ、まったりと右手を上げては、彼のことを楽してやろうと考えてしまう竜祥は痙攣している顎を上げては、強情なまでに左手で無理矢理地面を退かしては、自分の軽く上げていた右足から逃げていく森田の姿を見下ろしていく竜祥。


  強く自分の弱っては上手く力を入れることすらままならないでいる右腕にぶつけに来ていた石ころの感覚と、自分の背中を刺しに来ているような尖った小石から伝わって来る苦しみに、閉ざされていた唇を無理矢理開けられてしまいそうな気がしている森田、「ううう…!」悶絶して仕舞いそうなくらいに苦しんでいる唸り声を零している森田の、自分に彼を楽にさせないでいる仕草に、苦笑いしてみたくなっては、ぼんやりと上半身を傾けて行きつつ、彼の顔を横目で見下ろしていく竜祥、「残念だね、森田君。」


  苦しそうにと左手を胸元に当てては、強く息を吸い込もうとしている虫の息となっていた森田の震えている頬に、溶かされていく雪に目を細められては、軽く口角を上げてしまう竜祥は言う、「こんぐらいの抵抗は俺にとっては空気みたいなもんなんだぞぉ~?」まるで弱り切っては、消えて亡くなってしまいそうな自分の存在を嘲りに来ているようにと声を起伏させている竜祥の、完全に狂っている態度に閉ざされてしまいそうな瞼を否応なしに開けられているように思えている森田、「お前…」


  軽く左手を開いて森田に向けて伸ばしては、彼のことを謳っているようにと上半身を傾けたままで口角を限界なまでに上げては、強く鼻で笑っていく竜祥、「君が一流と言うのなら、」ゆっくりと左手を自分の胸元に向けては、自分たちのことを睨んで来ているような夕陽はやけに眩しく思いつつ、まったりと自分の前髪を掠っていく粉雪の存在を感じて行きつつ、目を細めては、何度も鼻翼に力を入れてしまう竜祥は強く顎を上げては、天に向かって叫んでいた、「現在の俺は超一流になってるんだよ!」


  「畜生…!」自分に誇って来ているような竜祥が自分に投げて来ている言葉に苛立ちを覚えては、反論する気力を失っていく体に不満を覚えては、辛そうにと温かい体のエキスを零していく胸元を起伏させては、何とか生き延びてはアジトにいる皆に竜祥の正体を知らせに行かないとと強く考えている森田は、彼から逃げて行かないとと強く思い、強く体を右側に向けて翻っては、右手を自分の体から零れていく生き血に汚されては深紅に染め上げられていた石ころにぶつけていく森田は、額から滴り落ちて来ている冷や汗に濡らされていた鼻先から滴り落ちていく汗の粒をぼんやりと目にしては、猛然と揺るぎない眼差しを両親の方向に向けては、自分は逃げるんだと強く考えている。


  ”シュー”軽く左足を右側に向けて、靴の底で地面を踏んで行きつつ、可笑しそうにと左手をかざしては、右手を左側の腹部に添えて行こうとしているような竜祥は、自分の右手の人差し指と親指の間から離れていた弾丸のような音を漠然と耳にして行きつつ、動きが永久に止められてしまう森田の地面を見つめている様を凝視していき。”パー”こめかみに小さな穴を開けられては、自分に深紅の世界へ導いて来ているような黒い髪の毛に囲まれられては、見る見るうちに咲き誇る花の如く、赤い液体を吹き飛ばしているこめかみに微笑んでいく竜祥、「そして、神を凌駕するのを目指して、」ニヤリと口角を上げては、まったりと左足を元の位置に向けて引いて行きつつ、軽く足先で地面に円を描いて行くようにと両手を広げては、顎を上げてしまう竜祥は強く微笑んだ、「超一流すら越えていく存在になるんだぞ?」


  視野をまるで自分の体に一体何かが起きていたのかを知れないでいるようにと漠然と唇をあけては、心臓の鼓動を小さな石に止められていた森田の側頭部に開けられていた穴から自分の後ろに向けていく竜祥。”ザザー”軽く微かな痛みを与えに来ている右足の足先で、自分の体を退かしているようにと強く足先で飛び跳ねては、両足で地面を踏んでいた竜祥、「さぁ、」まったりと左手を前に向けて行きつつ、宛ら自分の左手に体を引かれているようにと、前のめりになっていく竜祥は空を見上げては、白眼を柱に向けていくようにと起伏している声で、内心にある葛藤に満たされている言葉を紡いでいた、「ゲームの本番がそろそろ始まりそうかな…神よぉ…」


  右手を縛り付けては自分の心を苛んで来ているような皮膚に食い込んで来た渇いていく生き血の感覚に、内心にある悔しい思いを刺激されているような気がしては、腹部が荒れ狂っている波の如く疼き始めているような気がしてならないでいる竜祥、左側の口角がまるで口を裂いて行こうとしているように上げては、視界が瞬く間に傷心に霞まされているように思えては、恐る恐ると俯いては自分の腹部に左手を当てていく彼、体中が怒りに焼かれては、内側が悲しみに溺死して仕舞いそうな気分を否応なしに味わされているような気がしている。


  


  


  

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