第268話 遠回りさせてごめんなさいね?サンチンポさん。





  まるで自分に内心の思いを看破されていた事に文句をぶつけて見たくなっているようにと目を半開きさせている彼女の態度に苦笑いしてみたくなっては、困っているようにと軽く右手の人差し指で熱くなっては、痒く感じてしまう頬を掻いていく斗奴雷は、つい彼女の膨らんでいた胸元に目線を向けてしまう本能を嫌っては、何度も彼女と夜を間近で過ごしていくと、いつ欲望に脳内にある全ての理性を翻弄されてしまうのは分かったもんじゃないんだと思えている彼は、申し訳なさそうにと眉毛を顰めて行きながら、まだ他人だと思われている可能性は低いけれど、恋人のような事をするには苦手意識を抱えている彼女に、無理を強いたくないと思っている彼、ただ彼女と会話出来ていて、ちゃんとお互いの事を思っているのを知れているだけでも、心臓が爆ぜて仕舞うくらいに鼓動を刻んでいるのに、これ以上の事をするとつい泣き出して仕舞いそうな気がしている彼は軽く歯を噛んでは、ごくりと固唾を飲み込んで行きつつ、ハートの酷く弱い自分にはまだお互いに困らせるような一歩を踏み出さないでいた方がいいと内心で納得しては、チラっと床から彼女に目を向けていた、「辛気臭い雰囲気になったけどー」猛然と自分に襲いかかって来ている獣のように、ほんのりとした甘い香りで自分の頭を狂わせて来ては、否応なしに自分の胸を内側から溶解しようとしているように、酷く柔らかい体をぶつけてに来ては有無を言わさずに両手で自分の頬を固定しに来ている彼女の仕草に見開かされては、唇を開けられているような気がしてならないでいる斗奴雷は、つい自分に言葉を紡がせないでいるように口に当てて来ている柔らかい感覚に、心臓の鼓動を無理矢理止められているようにと感じてしまい、「うっ?!」


  ”ちゅっ”まったりと自分の唇に当てて来ていた柔らかい感覚から立てていた愛おしく思える音が、自分の顔を真っ赤に染め上げて来ては、頭から思考能力を奪って来ているような気がしてならないでいる斗奴雷は、ぼんやりと震えている視界の中でまったりと自分から引いて行く白皙の瞼の事を見つめている。まったりと細い睫毛を上に向けて行きつつ、頭が蕩けているような気がしている彼女はまるで産まれたばっかりの鹿のように、酷く震えている温かい彼の頬を丁寧に抱えては、まるで自分がしていた行動に呼吸出来なくされているような微かに胸元を膨らませている斗奴雷の、燃えているようなくらいに赤くなっている頬から目線を逸らしていく彼女、「せっかくいい雰囲気だったのに…」


  軽く鼻翼に力を入れては弱っているようにと肩を縮めていく彼女は、チラっと少しばかり憤っているような目線を斗奴雷に向けていき、「少し酷い要求をしたら場の雰囲気で流されてたのに…」ぽつりと自分に奪われていたような唇を開けて来ては、息遣いが少しばかり荒くなっている斗奴雷の何かしらの話を自分に向けたいのに、荒くなっては飛び出て仕舞いそうなくらいに激しい心臓の音に苛まれては、上手く話せないでいる様は酷く愛おしく思えている彼女、右側の口角が困っているように何度も唾液を飲み込んでいる彼の態度にからかわれているような気がしつつ、軽く口角を上げていく彼女は照れくさそうにと潤んでは泣き出して仕舞いそうな金色の瞳を彼に向けたままで彼に尋ねていた、「何でどうでもいい返事をしたのよ…」


  「うう…」彼女の自分に少しばかり強引な返事をして欲しがっている態度に、口角を斜め下の方向に固定されているような気がしている斗奴雷、残念そうな唸り声を零していた彼は思わず彼女から顔を逸らしては、何度も鼻翼に力を入れては、チラっと潤んでいる瞳を再び彼女に向けて行きつつ、拗ねている子供のようにと唇を尖らせていく、「だって…無理なもんは無理なんだし…」


  「ううう…」子供のような態度を自分に向けて来ている斗奴雷の様が酷く可愛く思えては、心をくすぐられているように思えている楽々花は、思わず彼の燃えて仕舞いそうなくらい熱くなっている頬から両手を引いていき、「それで…?」再び軽く両手を太股の上に置いてはぱちくりながら、まるで上手く自分が紡いだ言葉を理解できずにいるような彼の瞳を見て行きつつ、恥ずかしい話をしていたせいで、ベッドに戻ったとしても上手く眠れるはずもないんだと考えている彼女は、横目で彼の顔を見ていきながら説明する事で何とか胸元の奥からこみ上げて来る羞恥心を抑えて行こうと、強く考えてしまう彼女は言う、「その後は評論家にまっしぐらだったのかえ…?」


  まるで自分が再び彼の自分と出会った前の事について再び語り始めている様に驚かされているようにと、ビクッと眉毛を跳ねらせていた彼のまるで彼の過去に苦しめられているように目を細めて行きながら、視線を自分たちに座れていた布団に置いては、項垂れていく様に心を引かれてはつられているように落ち込んでしまう彼女は、酷く悔やんでいるようにと眉毛を顰めて行きつつ、軽く両手を握っていく、「もう…少しでもいいから穏便な人生を過ごして欲しいよぉ…」


  「あはは…」彼女が自分に投げて来ていた昔の自分が数え切れないくらいに考えていた台詞を、聞き慣れては愛おしくにも思えるしわがれた声に乗せてくれている態度に、苦笑いしてみたくなっている斗奴雷は目を細めて行きつつ、チラっと後ろに振り向いては、目線を机にくっついていたようにも見えてしまう本棚に置かれていたゲームソフトの群れに向けていき、「それはまだ長い道があったりするんですね…」右側の強張っている口角を上げたままで、ゆっくりと視線をまるで自分が平坦な声で紡いだ言葉に絶望を覚えているようにと、あんぐり口を開けている彼女の顔を見つめていく、「まだ発砲さんと会っていないんだし…」


  「そうなんだ…」憂いに眼を操られているようにと、自分からベッドに目線を向けていく彼の様に心を苛まれているように感じては、つい勝手に傷心に苦しめられては痺れている鼻腔の奥を恨んでしまう彼女は、悔しそうにと軽く歯を噛んでは、ため息交じりに言葉を紡いでいき、「やっぱり…」ただでさえ不味い声が痺れている鼻腔に、よりを掛かられているように聞き取り辛い状態になっている事に困らされては、軽く温かい両手を握っていく楽々花はぱちくりながら自分の顔を見つめてくれている彼の潤んでいる瞳を見ていく、「上手くいかないもんなんだね…」


  自分が紡いだ一言を聞くと自嘲に左側の口角を軽く上げては、残念そうにと笑っては肩を縮めている斗奴雷の様に、頭の中に体中の悲憤が全て募り始めているような気がしてしまう楽々花は、悔しそうにと歯ぎしりして行きながら左手を強く握っては、憤っている声で言葉を紡いでいき、「その努力は今だと全部水の泡にされた感じだし…!」何度も鼻翼に力を入れて行きながらゆっくりと顔を自分たちの存在を照らしてくれているようなまろやかな月に向けていく彼女は、ぽつりと渇いた唇を開けては、喉から声を絞り出していた、「あのシルエットはマジで許せないわ…!」


  「ううん、」楽々花が自分の努力の為に向きになってくれては、怒っている様に心に救済措置を施されているように感じては、昔のことはどうでもよく思いたいと考えている斗奴雷は、チラっと自分に話を否定されていたせいでぼんやりとした瞳で自分の顔を見てくれている彼女に言う、「水の泡じゃないんだ。」斗奴雷が自分に投げて来ていたあまりにも意外過ぎた話に絶句されては、ぼんやりと小首を傾げていく彼女、「え?」


  無邪気な子供のようなくらいに無垢な表情を見せてくれている彼女の様が、酷く微笑ましく思えている斗奴雷は、軽く左手を胸元に当てて行きながら声を発していた、「どうでもいいかなって思うんだ、」吹っ切れているようにと目線を彼女の亜麻色の髪の毛をかざしてくれているような、まろやかな月に向けていく彼は微笑んだ、「名声も地位も。」まったりと左手を胸元から引いて行きつつ、自分が紡いだ言葉は信じられないと知らせにくれているように、眉毛を跳ねらせていた彼女の顔に目線を向け直していく彼、「むしろ、その柱が下りて来たから、」軽く左手を握っては、ちゃんと自分の平然と微笑んでいる顔を映し出してくれている彼女が今、こうして自分の傍で他愛のない話を聞いてくれているだけで、人生の今まで生きていくための努力は全て実っているようにと思えている彼は、揺るぎない眼差しを彼女に向けていた、「僕は君を探す勇気が湧いたくらいだからね。」


  「ううう…」斗奴雷がまたしても素直に自分のことを好きだと言ってくるより、何万倍も恥ずかしく思える話を紡いで来ている態度に、心を苦しめられているようなくらいに幸せにどっぷりと浸かっているように思えては、悔やんでいるようにと両手を握りつつ、華奢な肩を縮めていく彼女。またしても照れ臭いそうにと項垂れては自分と顔を合わせようとしないでいる彼女の態度に、口角を軽く上げられているような気分を味わっている斗奴雷は目を細めて行きつつ、軽く鼻翼に力を入れていた、「なんか、君をよく知る為に…」


  ぱちくりながら、もう一度自分の過去について少しくらいは語っては、ちゃんと彼女に休ませて行こうと考えている自分に顔を向けてくれている彼女の、授業を受ける生徒になっている態度に苦笑いしてみたくなっている彼、「まぁ…」ごくりと固唾を飲み込んでは、酷く落ち込んでは、人生を終わらせようと考えていた自分のことを知らない場所で支えてくれては、自分に生きていく目標と価値を与えてくれていた本人を前に、過去の話をするのは酷く恥ずかしく思えている彼は何度も鼻翼に力を入れて行きつつ、照れくさそうに彼女から頬を逸らしていく、「私欲もあるけど、君の声が酷いと言う奴らに見返してやるものを書いていこうと思っていて…」肩を縮めて行きつつ、恥ずかしそうにと何度も鼻翼に力を入れては、まるで自分が声に乗せていた話に酷く驚かされているようにと両手を布団に当てては、まるで猫になっているようにと自分の左側までに近づいて来ては、酷く可愛く思える眼で自分の顔を見つめてくれている彼女に、もしかしたら無言で可愛さと言う武器を駆使して、自分を殺そうとしているんじゃないかと文句交じりの言葉をぶつけて見たくなっている斗奴雷は、何度も鼻翼に力を入れて行きながら、軽く右手の人差し指でこめかみを掻いていく、「なんて言うか、感動されたんだ…僕は。」


  「え?」自分の為に何かしらのものを書こうと語って来ていた斗奴雷の話に、体を引かれているように彼の左側まで近づいていた楽々花はつい彼が紡いだ話に困らされては、もしかしたら彼は彼の書こうと思っていた文章に感動されていたんじゃないかと漠然と考えている彼女は、ぼんやりとしている視線を彼に向けたままでぽつりと弱っているような声を発していた、「何に…?」


  軽く自分の左耳に当てて仕舞いそうな温かい温度を帯びている言葉に、潤んではやけに朦朧となっている視界の中でぼんやりと唇を好奇心に開けられたままで、自分の顔を見つめてくれている彼女に微笑んでいく彼は言う、「あのムービーは大分前のものだったんでしてね、」ぱちくりながらちゃんと自分の話を聞いているよと知らせに来ているようにと、頷いてくれている彼女の潤んでいる瞳を凝視していく彼、「なんか当時最新のもを調べていくと、」まったりと右手の人差し指を上げては、つい無邪気なまでに自分の顔を見つめてくれては、話を聞いてくれている彼女はかつての、誰もが悩殺して仕舞いくらいにスーパーアイドルであることを忘れて仕舞いそうな気がしてしまう斗奴雷は、ごくりと固唾を飲み込んでは、普通に酷く可愛い女の子が自分の隣り座っているのと勘違いしてしまってはダメのようにも感じつつ、そもそも可愛い女の子が夜中で自分の傍でパジャマ姿で座っているのもいけないのだろうと、内心で突っ込むようにと叫んでは、似たような思いを何回もして来てような気がしている彼は、自分の弱いメンタルに苦笑いしてみたくなりつつ、軽く鼻で息を吐いていた、「成長が著しいものであって…」


  軽く両手を握っては、昔の自分はちゃんと彼女の事を好いていては、ずっと見てきていた事をどうしても伝えようと考えている彼は、自分の心を励ましているようにと強く両手を握って行きつつ、潤んでいる金色の瞳の中にある自分の顔を見つめていく、「なんか、こんなにも酷いー…」刹那、自分が本人の前で話をしていたことを忘却させてくれるような、天真爛漫なオーラを纏っている彼女に無理矢理唇をこじ開けられているように感じては、自分のあからさまに戸惑っている様に目を半開きて行きつつ、両手を布団から引いては、まるで自分を遠ざけているようにと腕を組んでいく様に、口角を斜め下の方向に向けられているように感じている斗奴雷はぱちくりながら、急いでいるようにと右手の人差し指を立てていき、「こ、こんなにも可愛らしく、」


  強く左手でガッツポーズを取っては、取り繕っている自分の話を何とか彼女に信じて貰いたいと強く願ってしまう彼は言う、「子供のような演技だったのに、」彼女が知らせてくれていたコンプレックスの塊のような声の事を、刺激してはならないんだと強く思い、彼女が拗ねては勝手にマンションから離れていくのは非常に危険だと思うと、つい内心にある焦燥感に喉を潰され仕舞いそうな気がしている彼は、猛然と左手を踏み台にしているようにと右手の下に敷いては、強く右手をかざしていた、「急に大学生レベルに上がっていたのに驚かされててね!?」


  酷く慌てては、自分が彼に本当のことを言われたくらいで怒ると思っている彼の様に、心をくすぐられているように感じつつ、腕を組んだままで何度も自分を助けてくれていただけではなく、こんなにも酷い人生を体験し来ていたのを知ると、もう彼から一生離れるはずもないのだろうと、彼に言ってみたくなっている彼女は演技をしているようにと目を半開きさせていき、「へー」口角が自分の態度を伺いに来ては、変なポーズを取ったままの状態にいる斗奴雷様に口角をくすぐられては、抑えることが出来ないと思っている楽々花は言う、「そうだったんだね、」一回だけ頷いては、自分の不機嫌そうに演じている声色に叱られているようにと唇をすぼめては、萎縮しているようにと両手を握りつつ、ゆっくりと胸元を自分に向けては、正座し始めている斗奴雷の弱っては謝る気満々でいる態度に、苦笑いしてみたくなっている彼女、「遠回りさせてごめんなさいね?」自分のことを酷く怖がっている彼に少しばかり不満を覚えては、自分は別にそんな簡単に怒るような人間ではないのにと、彼に文句を言ってみたくなっている楽々花は流し目で彼の顔を見ていき、「サンチンポさん。」


  ”ドクンー”刹那、いとも簡単にかつての自分が一瞬夢に見ていた願いを叶えてくれては、自分は全然怒っていないんだぞと知らせてくれているようにと、組んでいた腕を解して行きながら、屈託のない笑みを自分に向けて来ている彼女に困らされているように思えては、思うが儘に自分の気持ちを操れる彼女は少しばかりずるく感じてしまう斗奴雷は悔しそうにと軽く歯を噛んでしまい、「ううっ…」軽く両足を臀部から離れて行きつつ、彼女がさっき座っていた皺だらけの布団に一瞥していく彼、「で…」気を取り直していくようにと軽く鼻翼に力を入れては、甘く感じている空気を吸い込んでいる彼は、チラっと満面の笑みを自分に見せてくれては頷いてくれている彼女の顔を見て行き、「なんか、僕が何かしらの事をしてやらないとと思っていたけど、」


  自分の話を楽しみにしているように微笑みながら、頷いてくれている猫背になり正座しつつ、自分のことを見つめてくれている彼女に困らされ、爆発してしまいそうな羞恥心に頭を狂わされてしまいそうな気がしている彼は思わずごくりと固唾を飲み込んでしまい、「この人がまったくそう言う言い掛かり…」自分の上げている声をぼんやりと聞きつつ、脳内を過っていく小学生より下手な演技に、自分が言おうとしていた言葉は完膚なきまでに嘘だと思ってしまう斗奴雷は、ぽつりと弱っている声で呟いていき、「では…ないけど…」目を細めていきながら項垂れては、まさかいつかの自分が本人を目の前にして、彼女の健気さについて語り始めるとはと漠然と、恥ずかしさに真っ白にされているような頭で考えている彼は言う、「そう言うマイナスな物に負けていなくて、」


  斗奴雷が語り始めている過去の彼が過去の自分に対する思いに、目を細めてられているように感じつつ、会えない時も、彼は自分のことを知れるのは少しずるいと思いながら、過去の自分がちゃんと彼の心の中で住めていた事を思うと、つい彼と同じように人生今まで培ってきていた努力は、ちゃんと意味のあるものなんだと彼に言ってみたいと思ってしまう彼女。「健気に頑張っていく姿を思うと、なんか…」過去の酷く弱い自分のことを思い出していくと、つい可笑しそうに笑ってしまいそうな気がしている斗奴雷は、チラっとまったりと脛を太股から引いていく彼女の顔を見ていた、「助けようと思ってたのに…」ぼんやりと月の光を見ていた彼女の恥ずかしさに、喉を詰まらされている自分に気が付いてくれているように、チラっと目を向けてくれては、淡い笑みを自分の視野に残してくれている彼女は、まさしく自分にとっての女神なんだと内心にある恥ずかしさを刺激しているような発想に、苛まれているように思えている斗奴雷は言う、「逆に救われたような気持ちでね…」


  斗奴雷がぽつりと幸せに震わされている声色で紡いだ言葉に、眉毛を跳ねらせているように思えては、叱られていた子供のようにと、チラっと真っ赤になっている顔を自分に向けて来ている弱っては、肩を縮めている彼の愛おしく思える態度に、心をくすぐられているように思いつつ、つい内心にある衝動に駆り立てられては、もう一度彼のことを強く抱きしめてやりたいと強く思っている彼女。


  「母に見捨てられていて、」母と言う言葉の響に困らされては、つい悔しそうにと軽く唇を噛んでしまう彼、過去に遭って来ていた悲しみの連鎖に、打ちひしがれてはならないと知りながらも、素直なまでに項垂れていく自分の背中に苦笑いしてみたくなっている彼は言う、「学校にも行ける気になれないで…」軽く鼻翼に力を入れては、まるで自分にそんな事はないんだと教えようとしているように、眉間に皺寄せつつ強く両手を握って来ている彼女の向きになっている態度に微笑んでいく彼、「どう見ても失敗者でしかない僕がこんな女神のような人を助けるのはおこがましいと思って。」


  言葉を紡ぎ終えている斗奴雷の過去は立派に思えては、泣かされてしまいそうなくらいの彼のことを失敗者だと言っていた事を認めるはずもないだろうと、内心で強く思っては猛然と上半身を彼に向かっていく楽々花、「そんなー」急に大きな声を上げていた自分に目を引かれているようにと、チラっと深い紫色の瞳を自分に向けては、彼が紡いだ言葉は今ではもう失敗者だとは思っていないようなくらいに、やけに力強く見えている様に口角を上げられているように思いつつ、目を細めている彼女はぽつりと声を発していた、「事はないんだぞ?」


  「うん…」自分の存在意義にもなってくれていた人に、過去の自分をお世辞ではなく、本当にそう思ってくれているように眉毛を顰めては、過去の自分を小馬鹿にしていた今の己に怒っているのを知ると、昔の自分はきっと大泣きしてしまうのだろうとぼんやりと考えては、彼女といるだけで、幸せに体を包まれているような気分になれている彼は、昔の自分には今のような運を持っていないんだと思い、残念そうにと声を上げていき、「でも、君をディスった奴らに見返してやるものを書く度胸はなかったんだ…当時は。」


  斗奴雷が紡いだ補足しているような一言に、納得しているようにと軽く唇をすぼめて行きつつ、腕を組んでは何度も頷いていく楽々花、「ふん…通りで見ていないと思ったら…」「え?」ぽつりとピンク色の唇を開けては、彼女が自分に向けて来ていた話に戸惑っては、ぼんやりとぱちくりして行きながら小首を傾げてしまう斗奴雷は軽く左手を上げては、痒くなっていた後頭部を掻いていき、「見えていないって…何をですか…?」

  

  自分が口にしていた言葉に困らされているようにと、ぱちくりしている斗奴雷の瞳を見つめて行きながら、軽く左手を上げては胸元に当てていく楽々花、「わたし。」やけに厳かな口調で言葉を紡ぎ始めている彼女の様に困らされては、恐る恐ると肩を縮めてはぱちくりしている斗奴雷、「はい…」まるで自分は何かしらのとんでもない話を口にするんじゃないかと、不安になっている彼の態度に口角をくすぐられているように思えては、横目で彼の顔を見ていきながら軽く左手の人差し指を立てて、彼のことを指差していく彼女、「あんたがネットで書いたもの全部見てたの。」


  ”ドクンー”刹那、彼女が自分に投げて来ている破壊力が伴っている言葉に、無理矢理唇を開けられているような気がしてならないでいる斗奴雷、「えっ?!」自分が彼に投げていた真実に驚かされている様に、心が弾んでいるような感覚を味わっている彼女は、猛然と立てていた人差し指を引いては、親指を立てていき、「漏れなく見てたわ、そして全部プレイしてた。」


  「は、はい…」やけに輝いているように見えては、ミーハーのような目線で自分のことを見てくれている彼女の様に困らされていると同時に、酷く嬉しく感じてしまう彼は恐る恐ると左手を上げては、軽く後頭部を擦っていた、「ありがとうございます…」口角が斜め下の方向に固定されているように思えては、熱狂的なまでに自分のことを好いてくれている彼女のことを思うと、つい内心にある沸騰して仕舞いそうな気分に脳内を嬲られているように思いつつ、ゆっくりと左手を項に付けて皮膚に軽く指を食い込むように握って行きながら、握っている右手を太股の上に置いていく斗奴雷、「恐縮の限りです…はい…」自分の話を認めているようにと軽く頷いては、パニック状態になっているような気がしている彼は、つい自分が書いていた内容は変な物が混ざっていないのかと不安になり、彼女に失礼なものを見せていたんじゃないかと不安になっている彼は、申し訳なさそうにと項垂れてはぽつりと弱っている声を零していき、「すみません…」軽く鼻翼に力を入れては、恥ずかしい気持ちに涙目にされているような気がしてならないでいる彼は、強く両手を握っていた、「どうも…」


  斗奴雷の震えてはまるで緊張感に息を無理矢理止められてしまいそうな姿勢に、目を半開きさせて行きつつ、彼の緊張につられているようにと軽く右手の人差し指を立てては、口元を掻いてしまう楽々花は可笑しそうにと声を発していき、「どんだけ恐縮してるのよさ…」彼女が自分に向けて来ている内心の思いを読み上げてくれているような話に、額を上げられているように感じつつ、照れくさそうにと左手を上げては後頭部を擦っていく斗奴雷は、潤んでいる金色の瞳に向けて恥ずかしそうに笑っていた、「えへへ…」


  彼が自分に見せて来ている子供のような無邪気な笑みに目を細められているように感じては、切なげに鼻を啜っては、悔やんでいるようにと軽く歯を噛んでいた彼女は、悲しそうにと目線を自分の握っている両手に向けていき、「でも…」軽く白皙の額に皺寄せては、チラっと自分の悲しみを察知してくれているようにとぱちくりながら、ゆっくりと左手を後頭部から下している斗奴雷の潤んでいる瞳を見つめていく彼女、ごくりと固唾を飲み込んでは、悩んでいるように眉毛を顰めて行きつつ軽く左手を胸元に当てていく彼女は言う、「あんたのそのお母さんって…」


  「あはは…」彼女がまるで自分に気を遣ってくれているようにと、悩んでくれている態度に苦笑いしてみたくなり、残念そうにと目を細めてしまう斗奴雷はつい母親がもう少し普通に自分の事を心の中だけで嫌っていて、声にある程度出してもいいし、自分を邪険に扱って来るのもいいけれど、少し自分の心を完膚なきまで叩き潰すような事は控えてたら、自分はまったく違う人生を歩んでいたのだろうと思い、ゆっくりと顎を引いては、渇いた笑い声を上げていたせいで開けていた唇を軽く閉ざしては、自分の隣りに座ってくれていた彼女の華奢な足に一瞥すると、頬が昔の悲しみに硬直されているように感じては、彼女と出会えるのなら、昔の苦悩はちゃんと価値のあるものなんだと考えている彼。


  


  

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