第245話犯罪者だと言いたいのかえ?

  上げていた口角に白皙の頬を虐められているように思えては、つい主人は幸せですと伝えに来ているような紅潮していた小さな笑窪に、目を細められているようにと感じてしまい、ぼんやりと自分の両足に応えてくれているようなひんやりとした床に敷いていたタイルを踏んで行きつつ、深い紫色の瞳で両手にあるゲーム機の画面を映し出している斗奴雷は、画面に表示されていた少女の幸せそうな笑みに心を打たれているような気がしては、思わずごくりと固唾を飲み込み、画面にある少女につられているようにと軽く口角を上げていく彼はぽつりと声を発していく、「幸せだな…」


  ぼんやりと目線を自分しかいない廊下の向こう側に向けては、呆然と自分の左側にある透明な窓から差し込んで来ている淡く感じてしまう夕陽に照らされている床と壁を見て行きつつ、ゆっくりと右手にあるゲーム機を落としていく斗奴雷はつい自分の横顔を照らして来て、やけに眩しく思える夕焼けに目線を向けている彼は、まるで自分に正体を見せたくないと語って来ているような眩い光を放っている日輪に一瞥していき、「こんな青春を…送りたかった…」


  沈んでいるような声で呟いては、右手にあるゲーム機を強く握っている彼は悔しそうにと軽く歯を噛んで、勉強ばっかりして来ては、自分の事をちゃんと見てくれやしないでいる両親に、せめてまともな成績を見せてあげては、立派な大学に入り、ちゃんとした仕事を見つけられ、いっぱいお金を稼げることが出来たら、自分のせいではないはずだと思っていいのかどうかも定かではない雨依の死から放れ、まだちゃんと傍で、ずっと無言で頑張って来ている自分の顔をまともに見て貰えるんじゃないかと、泡沫のようにも思える期待に縋っていきたいと切に願っている斗奴雷はぼんやりと俯いている。


  自分の心臓をくすぐりに来ているようなゲームのシナリオを感じて行きつつ、悔やんでいるようにと握っている左手を胸元に当てていく彼は軽く鼻翼に力を入れては、決して彼女を作りたいとは思っていない自分が求めている物はきっと、ちゃんと自分の傍で支えてくれるような存在であるのに違いないのだろうとぼんやりと考えては、悔やんでいるようにと強く歯を食いしばっては、自分の支えになれる者はいるはずもないであろうにと、自分の虚無と化しているような心に絶望を覚えつつ、ゆっくりと胸元を廊下の向こう側に向け直していく彼は軽く唾液を飲み込んで行きながら、自分の支えが存在しなかったのは別にいいとして。


  自分が加害者になり、雨依の存在を両親から奪っていた罪を償うには、自分がちゃんと立派な子になって、自分と同じように心に大きな穴を開けられていた両親の支えになっていかないとと強く思ってしまう斗奴雷は目を細めて行きつつ、ゆっくりと自分が目指している研究室に向かって歩いて行きながら、自分は空っぽのように思えては、悔しそうにと強く歯を噛んで、辛そうに鼻を啜っていく彼は軽く窓から入り込んでは、自分の鼻腔に遊んで来ているようなひんやりとした空気を感じて行きつつ、自分が雨依を殺していたように見えて来ていた両親と共に暮らしていく以上、二人に自分の事を許して貰うほかないような気がしては、自ら誰かと接触しに行くのはもう懲り懲りのように思えては、金輪際彼女を作るのもしたくないとぼんやりと考えて行きつつ、空っぽになっている自分にとってはもう右手にあるゲームと両親しか生きていく価値がないように思い。


  自ら両親から離れていくと、それは即ちただでさえ少ない存在意義をまた一つを消す事になるんだと漠然と考えては、軽く歯を噛んでいく彼はつい脳内を過っていく自分がどれだけ償おうとも両親に、主に母親に許して貰えなかったらと言う一言に心を苛まれ、視界が霞んでいるように思いつつ、切なげに鼻を啜っていく彼は絶望に脳内を支配されているように思えては、ぽつりと呟いていた、「どうしろ…ってんだよ…」右手にある自分の手汗に濡らされているようなゲーム機のボタンを感じて行きつつ、つい脳内にある自分が跪いて謝っても、許すどころかまともに自分の顔をすら見ようとしないでいる母親の存在に、弱り切っている心を握り潰されているような気がしてならないでいる彼はぽつりと悲憤に満たされている声を上げていた、「くそ…」


  ”グチャー”突然、まるで自分の両親に向けていた罵倒の言葉なのか、それとも雨依を連れ出していた頃の自分になのか、或いはどうしようもないくらいに追い詰められているのに、ただ文句を呟くことしか出来ずにいる自分に向けていた罵りなのか、と言う考えを遮って来ているような酷くえげつなく思える音に眉間に皺寄せていく斗奴雷は、ぼんやりと視線を自分の右側にあるドアに向けていた、「うん…?」


  ”グチャー”宛ら自分の好奇心を引いて来ているような酷く濡れているはずの音なのに、少しばかり爽やかにも伝わって来ているように感じている斗奴雷はついゆっくりと自分を呼んで来ているようなドアに向けて右足を踏み出しては、やけに静かになれている廊下の中で、右膝を包んでくれていた皮膚の内側から伝わって来ている、蝶番にも思わせて来ているような骨と骨が軋り合っている事に不安を強いられているような気がしつつ、自分の前のめりになっている体に近づいて来ているような不気味な音に、心臓の鼓動を激しくされているような気がしてならないでいる彼はごくりと固唾を飲み込んでは、恐る恐ると視線をドアに向けていた、「りゅ、竜祥?」横目ですりガラスに姿を消されていたような人影の、まるで市場で肉を捌いているようにと右手を上げては、強くドアに隠されていた部分に叩きつけては、酷く不気味にも感じさせに来ている音を聞かせて来ている様に、喉が心臓に殴られているように思えては、上手く息を吸えなくなっているようにも感じてしまう斗奴雷は恐る恐ると軽く歯を噛んでは、ぽつりと弱り切っている声を発していた、「中にいるんだよね…?」


  「ああ、いるよ?」忽然、ドアの向こう側から伝わって来ている聞き慣れている竜祥の声色に、眉毛を微かに跳ねらされているような気がしつつ、安心感を覚えているようにとぽつりと渇いた唇を開けて、左手を胸元に当てていく斗奴雷は軽く安堵の吐息を吐いては、一瞬竜祥が殺人犯に体を分解されていたんじゃないかと言う奇天烈な発想をしていた自分に苦笑いしてみたくなっては、ゆっくりと左手を上げては額に滲んで来ている汗を拭いて行く斗奴雷は軽く口角を上げては、まるで自分の左手を呼んで来ているような銀色のドアノブに目線を向けていく。


  「どうかしたのかな?」小首を傾げて行きながら急に研究室のもとまで来ては、自分を探しに来ている斗奴雷のシルエットを見ていく竜祥は、チラっと横目で自分の粘っている両手に視線を落として行きつつ、軽く右手に握られている血走っているような刃物で、軽く鋭い刃に甘えているようなピンク色の絹のような感覚を与えに来ている肉に触れていた、「新しいゲームを見つけ出せたのかね?」宛ら自分にドアノブに手をかけないでと語って来ているようなくらいに戦慄している左手の感覚に、喉を鷲掴みにされているような気がしてならないでいる斗奴雷はつい自分には一体何に怯えているのかと困惑気味になり、竜祥の平然と自分に向けて来る質問と、とてもじゃないがえげつないジャンルのゲームの中でしか聞いた事のない音を、リアルで聞かせて来ている彼は酷く不味い事をしているのに違いないような思いをしている彼は軽く鼻翼に力を入れては、左手をドアノブから引くようと二強くガッツポーズを取っていく彼、「う、うん!」


  チラっと視線を右手にあるゲーム機に向けていく斗奴雷は、まるで自分に微笑んでくれているような少女のイラストに目を細められては、勝手に上げてしまう自分の口角の存在に苦しめられているような気がしてならないでいる彼は、猛然と視線を竜祥に向けていき、「結構、ううん!」落ち込んでいる自分の救いになってくれているようにも感じてしまうくらいに綺麗な絵とシナリオに、胸元の奥の鼓動が加速されては、まるで作られていた理想の世界にダイビングしたような気分になれている彼はつい自分にギャルゲーの感想に付いて聞いてくれてる人の存在に感激を覚えては、強く左手を握ったまま前のめりになっていく彼は胸元の奥からこみ上げて来ている激昂に興奮を覚えては、思わず大きな声を発していた、「かなり面白い逸品かと思うから、」


  目を細めて行きつつ、まるで自分の話をぼんやりと聞きながら自分に不安を与えに来ている作業でもしているように、蠢いている黒い影のような右腕の仕草に合わせているような不気味な音に心臓を再び刺激されているような気がしつつ、自分の影を作り出してくれていると同時に竜祥のシルエットに光っているような橙色の背景を添えている夕陽に頼っては、すりガラスを見抜きたいと切に願ってしまう斗奴雷はごくりと固唾を飲み込んでは、困っているようにと軽く左手の人差し指でこめかみを掻いて行きながら、ぽつりと声を発していき、「急いで君に紹介しようかなって、思っててさ…」口角が強張っているような気がしてならないでいる斗奴雷は、つい竜祥のシルエットとドアの向こう側から伝わって来ている現実では聞くはずもない血肉が、ゆっくりと捌かれているような音に空気が喉に詰まっては上手く体の奥に入れなくなっているような気がしてしまう斗奴雷は、辛そうにと軽く歯を噛んでは、恐る恐ると横目で彼のシルエットを見て行きつつ、ぽつりと弱っているような声を発していた、「まさか本当に研究室にいるとは…」

  

  「はは、」斗奴雷のまるで何かしらの事に気が付いているような震えている声をぼんやりと耳にして行きつつ、自分の両手を汚して来ているような黒く見えてしまう温かい液体を撫でていく竜祥は渇いた笑い声を上げて行きながら、自分の両手を温めに来ているような淡いピンクの風船のような物に触れていき、「言ったろ?」流し目でドアの向こう側で佇んでは、ドアを開けようとしないでいる斗奴雷の顔を見ていく彼は軽く口角を上げていく、「もし俺が教室にいなかったら、」チラっと横目でまるで自分の顔を見上げて来ているような黒い瞳を見下ろしていく竜祥は言う、「研究室に来いってさ?」


  「う、うん…」やけに平坦な声で自分と話をしに来ている竜祥の態度に眉間を突かれているようにと、眉毛をひそめていく斗奴雷は恐れているようにと軽く鼻翼に力を入れていき、「それにしても…」引き攣っているような右側の口角を上げて行きつつ、震えている左手の人差し指を立てていく斗奴雷は、横目で竜祥のシルエットを見て行きながら、彼はきっとゲームの中でしか登場しそうにない、誰かの身体をフィギュアのパーツのように仕上げているような事をしていないはずだとぼんやりと考えては、きっとえぐいゲームをプレイしていたせいで脳内が侵されては、変にドアの向こう側から聞こえて来る音を勘違いしているのに違いないはずなんだと、無理矢理自分の震えている内心に言い聞かせていく斗奴雷、「なんか、変な音を聞こえたりするんだけれど…」可笑しそうに笑って行きつつ、素直に竜祥に何をしているのかを聞いて行けばいいんだと思い直している彼は、ぽつりと声を発していく、「何をしているのか?」


  自分に触れたがっているようピンク色の苗床に生えている尖っては、太り針のような黄ばんでいた白い花の二列を見ていく竜祥は、当たり前のように自分の顔を映し出す光を無くしていた瞳に右手にある刃物をぶつけていき、「科学研究だよ。」”グチャー”やけに小さく伝えに来ている何かしらの水を入れていた泡が炸裂しては、少しばかり粘っているような液体を零しているような音に目を細められては、勉強熱心な竜祥が殺人なんてするはずもないんだと、竜祥が自分に投げて来ていた言葉に安心しては、自分の訳の分からないくらいに彼を殺人犯に仕上げようとしていた思いを否定していく斗奴雷、「そ、そうなんだ、」竜祥が人を殺すような頭の狂っている人間ではないんだと知りながらも、声がやけに正直に内心の畏怖を表しているように、震えている様に口角を斜め下の方向に向けられているような気がしてならないでいる斗奴雷は、酷く弱っている自分の内心に苛立ちを覚えながらごくりと固唾を飲み込んでは、自分の事を鼓舞しているようにと右手にあるゲーム機を強く握り、左手をドアノブに向けていく、「中に入ってもいい?」


  「いいよ?」宛ら自分の許可なしでは研究室には入れないと語って来ているような斗奴雷の話のニュアンスに、口角をくすぐられているように思いつつ、目を細めていく竜祥は微笑んで言う、「別に。」「そ、そっか、」竜祥が自分に返して来ていた当たり前のような返事に頬が強張らされているように思いつつ、自分は何を聞いていたんだと自嘲気味に笑ってみたくなっている斗奴雷は強く喉に引っかかっては、上手く飲み込めないでいる唾液を喉仏を頼って無理矢理下に向けて退かしては、左手にあるドアノブを軽く捻っていきつつ、弱っては微風に掻き消されてしまいそうなくらいに弱り切っている声を発していた、「それじゃ、ちょいと失礼…」


  ゆっくりと自分の左手に合わせてくれては体を引いて行く淡い灰色のドアを見つめていく斗奴雷は、胸元の奥から滲み出て来ている理解できないくらいの緊張に体を殴られているような気がしつつ、ぼんやりとまるで自分に上手く竜祥の様を見せてくれないでいるようなドアを睨むようにと見つめては、竜祥が急に刃物を握っては、自分に向かって突っ込んで来たりはしないのかと可笑しく聞こえるはずの話を、本気で信じている自分の心はどれだけ弱いのかと叫んでみたくなっている斗奴雷、「えっ…」


  刹那、やけに濡らされている灰色の机から滴り落ちて仕舞いそうな、酷く赤く見えている粒に一本の線を引かれては、心臓を無くしては、頭が浮いているような感覚を味わっている斗奴雷は、つい自分が見えている物を上手く理解できていないような脳に悩まされては、ぼんやりと滴り落ちている赤い線に沿っては、紅の水溜りの上で眠っていた黒い毛並みを潤んでは酷く震えている深い紫色の瞳の瞳で見つめている。


  ”ドクンー”宛ら自分は確実に竜祥の左手を食い込んでいた目玉が割らされては灰色の花を目で咲かし、吐きだしていた舌を黄ばんでいた白い歯で飾り付けていた犬の屍を上手く理解できたずにいるのを、教えに来てくれているような酷く鼓動を刻んでいた心臓に苦しめられては、喉が否応なし太くされているように感じつつ、平然と目を細めながら犬の淡い紫色の臓物を握りつつ右手にある刃物で犬の体を切り刻んでいる竜祥は人間なのかと、一瞬脳内を過っていく疑念を無理矢理退かしていくかのような腹部の奥から猛然と込み上げて来ては、強く自分の腹部を殴り込んで来て、目に涙を与えて来つつ唇をこじ開けようとしている吐き気に、白眼を向かされている斗奴雷は急いでいるようにと左手をドアノブから引いては、大慌てで自分の急速に唾液を分泌し始めては、自分を溺水しようとしているような口を押さえていく、「うえっ…!!!」


  瞬く間に頬が真っ赤になり、額が青筋を浮かんでいる斗奴雷の少しばかり大袈裟にも思える態度に、口角を軽く上げられているような気がしつつ、野良犬の屍一つで涙目になっている彼は少しばかり可愛く思えている竜祥は、流し目で斗奴雷の顔を見て行きながら、自分の両手を汚して来ている生き血と、野良犬の温かい内蔵から漂って来ている生臭い臭いを嗅ぎながら斗奴雷に尋ねていく、「どうかしたのかな?」まるで撃沈されては上手く立てなくなっているように、右手にあるゲーム機を握りながらドアに右手を当てては、倒れ込んで仕舞いそうな華奢な体を支えている斗奴雷の顔を見ていく竜祥は、彼の事をからかっていくようにと声を発していた、「野良犬を解剖されている所を目の当たりにしたような顔をしちゃってさ?」


  竜祥が自分に投げて少しばかりブラックユーモアにも思えた一言に、苦笑いしてみたいと思っている自分を断って来ているような激しく鼓動を刻んでいる胸元の奥になる鼓動と、猛然と自分の鼻に突っ込んで来ている味わった事のない赤裸々なまでの生き物が命の終焉を向かう臭気に悩まされているような気がしては、泣き出してしまいそうな気がしている斗奴雷は、急いでいるようにと鼻の感覚を切断しにいくかのように息を止めては、霞んでは震えている視界の中で竜祥の顔を睨んでいく、「お、お前っ…!」


  両足が痙攣しては上手く声を発することが出来なくなっている斗奴雷の初々しい態度に、目を細められているようにも感じつつ、父親に母親を殺されては、小汚い壁のもとで縮こまっていた自分を連想させに来ているような斗奴雷の姿を見れば見るほどに、自分はちゃんと彼の事を躾けては、立派な社会人に仕立て上げるべきなんだと強く考えている竜祥は、流し目で曖昧な眼差しを彼に向けていた、「驚きすぎじゃないかな?」歯ぎしりしながらまるで自分の両手にある野良犬の温かい屍を極力見ないようにしている斗奴雷の様に目を細められては、軽く口角を上げていく竜祥は言う、「知っていたのだろう?」自分が紡いだ言葉はまったく理解できないぞと知らせに来ているようにと眉毛をひそめている斗奴雷の態度に微笑んで行きつつ、軽く赤い瞳で自分の両手を指していく竜祥、「こいつが最近学校の周りできょろきょろしてた野良犬なんだよ?」、


  竜祥のまるで彼の両手にある野良犬の存在をまったく見えていないかのように、平然とした態度で自分に話かけに来ている態度に唇を無理矢理開けられてしまいそうな気がしてならないでいる斗奴雷、今にもドアを強く閉めては狂っているくらいに冷静でいられる彼のもとから逃げ出したいと切に願ってしまう斗奴雷は、つい自分の勝手に震えては上手く力を入れることが出来ずにいる両足に苛まれては、苦しそうにと歯ぎしりしていく。「とっ捕まえて、」目を細めて行きつつ軽く右手にある刃物で淡い紫色の臓物の上でダンスを踊っていくようにと、軽く野良犬の腸を突いていく竜祥は淡い笑みを浮かべて言う、「先生たちの為に一仕事をしていただけなんだよ。」


  「そ、そう…なのか…」竜祥のまるで野良犬の屍を甚振るをの楽しんでいるような姿に、彼はとことん狂っているような気がしては、恐る恐ると戦慄している右手にあるゲーム機をポケットに入れていく斗奴雷は、確かに竜祥が語っている言葉はまったくもって間違ってはいないはずなんだと、ぼんやりと恐怖に真っ白にされている脳内で考えていく、「でも…」軽く眉毛をひそめては横目で自分の事を見て来ている竜祥の潤んでいる赤い瞳を見つめていく斗奴雷は、震えては上手く上げることが出来ずにいる左手で野良犬の屍を指差して行きつつぽつりと疑問の声を上げていき、「解剖は…」


  潤んでは震えているような深い紫色の瞳で自分の両手に体を切り裂かれていた野良犬の屍を指しては、逃げているようにと目線を逸らしていく斗奴雷の態度に口角をくすぐられているような気がしてならないでいる竜祥は微笑んでいた、「だから言ったろ?」ゆっくりと視線を自分の両手を濡らして来ていた野良犬の腹部に向けていく彼は、野良犬の体を嘲っているようにニヤリと右側の口角を上げていき、「科学研究だよ。」


  「まぁ…」竜祥が自分に向けて来る説明の言葉をぼんやりと耳にして行きつつ、確かに勉強熱心な彼がこの機会を見逃すはずもないだろうと、無理矢理内心で自分に言い聞かせては、竜祥がしていた事に関して納得していきたいと強く思っている斗奴雷、「いいけどさ…」ごくりと固唾を飲み込んでは、つい竜祥の偏執的な眼に不安を強いられているように思えては、恐れているようにと軽く鼻翼に力を入れては、息を吸い込んでいく斗奴雷は軽く汗ばんでいる震えている両手を握っては、竜祥が解剖していたのはただの野良犬であって、ホームレスではない事に安心していくべきなんだと、彼がしていた意味を理解するのが非常に難しく感じてしまう事に納得していこうと考えている斗奴雷は、ぼんやりとまるで自分に挨拶を交わしに来ているような野良犬が吐き出していた舌に目を細められているように思いつつ、竜祥の腕のようなくらいに長く見えている大型犬に困っているように思いつつ、軽く歯を噛んでは、つい自分の思いを竜祥に知らせていくかのようにと彼の右足に向けていく目線に苦笑いしてみたくなっている斗奴雷、「ってか…」


  極力無惨なまでに腹部を切り裂かれていた野良犬の惨状を見ないようにと強く考えている斗奴雷は、自分のぽつりと発していた声に興味を引かれたように自分に目線を向けて来ている竜祥の瞳を見つめていき、「どうっや捕まえてたのかな…?」まるで自分が彼に向けていた質問の真意を分かってくれては、自分が最後まで言葉を紡いでいかないと自分に返事する気になれないでいるようにと、笑ってくれている竜祥の様に心を殴られているような思いを強いられているような気がしてしまう斗奴雷は恐る恐ると痙攣しているような右手の人差し指で彼の右足を指差していく、「君…足がちょっと…」引き攣っているような右側の口角を上げて行きつつ、潤んでいる眼で竜祥の顔を見ていく斗奴雷はぽつりと弱っては震えているような声を発していた、「不自由なんじゃなかったっけ…?」


  斗奴雷のまるで右足を普通に使えないでいる自分がどうやって大型犬を殺せたのかと、尋ねて来ている質問に目を細められているように思いつつ、机の上で静かに寝息を立つ事無く眠っていた野良犬の体に興味を無くしていたように、右手にある小さなナイフをまるで緑色の切り傷を残されていたような淡い紫色の腸に守られていた中身に突き刺しては、ゆっくりと両手を野良犬の腹部から抜け出していく竜祥は言う、「麻酔を使ったんだよ、麻酔。」


  机に付けていた蛇口に手を伸ばしていく竜祥が自分に投げて来ていたシンプルな返事に見開かされては、思わずあんぐり口を開けていた斗奴雷はつい軽く首を彼の方向に向けていき、「えっ?」まるで上手く自分が紡いだ言葉を理解できていないかのようにと潤んでいる瞳で自分の顔を見つめて来ている斗奴雷の態度に、口角をくすぐられているように思いつつ、ゆっくりと目線を自分の両手に体をぶつけに来ては、両手を汚していた生血を流してくれている白く見えてしまう水柱に目を向けている竜祥は軽く鼻で笑っては、チラっと自分の右足に目線を向けては、自嘲気味に笑っていく、「ネットって便利だよね~?」


  竜祥がぽつりと呟いていた一言に口角を斜め下の方向に固定されているような気がしてならないでいる斗奴雷は、恐る恐ると軽く体を彼から引いていき、「そ、そうなんだ…」困り果てているようにと眉間に皺寄せてしまう彼はつい素人に、それも高校生に見境なしに麻酔を売っている所で、きっとまともな場所じゃないんはずなんだと強く思っては、竜祥が道を違えては、段々野良犬にではなく、人間にネットで買って来ていた物騒な物を使ってしまうんじゃないかと不安になっている斗奴雷は軽く歯を噛んでは、自分の握り締めている両手を見下ろしては、竜祥はかなり複雑な人間のようにも思えては、少なくとも自分にとってはそこまで悪いことをしていなかった彼には、少しくらいのアドバイスをして上げて。


  違った道に身を投じては、人生を台無しにするような事を控えさせていくべきなんじゃないかとぼんやりと考えている斗奴雷、「ちょっと…」まるで優柔不断にも思えていた自分に決断を下していたような勝手に声を漏らしていた唇に見開かされては、軽く両手を擦っている竜祥のチラっと自分の方へ目線を向けて来ている事に、つい自分はもしかしたらまたしても余計な事をして仕舞ったんじゃないかと、不安になっている彼は苦笑いして行きつつ軽く右手の人差し指でこめかみを掻いていく、「法律に反する行為なんじゃないのかな…?」


  斗奴雷が自分に投げて来ていた遠回しにしている言葉に目を細められては、軽く両手にしがみついて来ていたような透明な雫を落とすようにと両手を振っていく竜祥、ゆっくりと自分の白皙の両手から離れていく飛沫を気にする事無く、潤んでは少しばかり高ぶっている心臓に赤い糸を貰えていた眼で、斗奴雷の強張っている表情を映し出していく彼は言う、「犯罪者だと言いたいのかえ?」


  竜祥がはっきりと自分に投げて来ていた言葉に眉毛をビクッと跳ねらされているように思えては、法律に対して詳しくない自分にははっきりと彼は罪を犯していたんだとは言えないようにも思いつつ、悔やんでいるように俯いていく斗奴雷は例え自分にはちゃんと法律を知れているとしても、警察でもない限り竜祥を裁く事は出来ないような気がしている彼は、ぽつりと渇いた唇を開けていき、「い、いや…そこまでは…」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る