第114話ちょっと抜けない用事があって…

  多々羅がやけに強く聞こえて来る言葉の中に秘められている殺気に見開かされては、一瞬心臓の鼓動を止められてしまったような気がしてならないでいる鷹泰呂、「い、いえ…」怯んでしまいそうになる鷹泰呂は多々羅に野黒新の事を殺して欲しいとは思わないでいる、「そんな簡単なことではないんです…」「んんだよ?」鷹泰呂は素直に写真を送って来たらいいだけの話を無理矢理ややこしくしようとしていることに苛立ちを覚えては、彼は自分に無理難題を強いているような気がしてならないでいる多々羅は不満そうに歯を噛んではぽつりと声を発していた、「ややこしい事は嫌いなんだよな?」


  今にも電話を切っては自分との取り引きをキャンセルしたっているような多々羅が紡いだ一言を耳にしてしまうと、思わずごくりと固唾を飲み込んでしまう鷹泰呂は鼻翼に力を入れて行きつつ、少しばかり温かく感じてしまうハウスの微かに臭う空気を吸いこんで行きつつぽつりと呟いていき、「ぼ、僕には好きな子がいたりするんですよね…」「ほぉ?」携帯電話を上げては自分の耳元に当てていくのが面倒くさく感じては、携帯電話をスピーカーフォンに切り替わっていた多々羅はまるで鷹泰呂の微かに震えているような純情な声色に好奇心を惹かれているようにと屈んでは、まるでゴリラの真似をし始めているような三人が屈んでは徐々に自分のもとへ近づいて来ている姿勢は滑稽にも思えては、横目で両手にある携帯電話に一瞥していく多々羅は意味深な笑みを浮かべては大声を発していた、「やっつけたい奴に薬を注射してケツ穴にローションを塗ったらいいのか?」


  携帯電話から伝わって来ているまるで自分の鼓膜を殴りに来ているような声色と、胸元の奥を爆ぜらせて来ていたようなパワフルな一言に見開かされては、思わずあんぐり口を開けていた鷹泰呂、「違いますって!」急いでいるかのようにと大声を上げては、多々羅の猜疑を断ろうとしている彼、ごくりと固唾を飲み込んでしまう鷹泰呂は脳内で浮かんでしまう春菜の存在を思い出してしまうと、当たり前のように上げてしまう口角と温かくなれている胸元の奥にある鼓動を感じては、自分はやはりどうしようもないぐらいに彼女に惚れているんだと思っては、多々羅に春菜のことを紹介するのは少しばかり恥ずかしく思えては、軽く右手で熱くなっている頬を掻いていく彼はぽつりと渇いた唇を開けていき、「す、好きな子がそいつに惚れてるんですよ…」


  鷹泰呂が言いづらそうにと自分たちに向けて来ている言葉に目を半開きさせては、思わず彼のことが女々しくて思えてしまう多々羅は飽きれているようにと首を傾げて行きながら、横目で携帯電話を見下ろしていき、「だからそいつをやっつようと?」「え、ええ…」宛ら自分に攻めて来ているような多々羅の一言に喉が鷲掴みにされているような気分になってしまう鷹泰呂、「ちょっと痛い目に遭わせたらいいんで…」


  鷹泰呂が上げている弱っている声に体を惹かれているような気がしてならないでいるお母さま、真新しいセーラー服を着こなしていたお母さまは大きな両手をひんやりとしたガラスに付けては、大型犬用のハウスから白いブリーフを出していた鷹泰呂の臀部を見てしまうと、思わず彼は自分の事を誘って来ているような気がしてしまっては、興奮を覚えていくお母さまはニヤリと分厚い唇を開けて行きつつ、鷹泰呂が真面目にハウスの中で独り言を呟いているような姿が可愛く見えては、彼の邪魔をしたくないと考えているお母さまは寒風に刺激されているせいでつい両足を動かせては、少し体を動かす事で体温を奪い返そうとしている鷹泰呂の小刻みに左右に振っている臀部を見つめている。


  「骨折とか…」ごくりと固唾を飲み込んでしまう鷹泰呂は多々羅がもし本当に野黒新の事を殺して、湖の中に沈んで仕舞ったら、春菜はきっと辛い思いをしてしまっては、寿命が縮んでしまうどころが自殺してしまうんじゃないかと思っている彼は、恐る恐ると横目で携帯電話を見つめてはぽつりと声を発していた、「腕を切り落とすのは止めてくださいね…?」眉間に皺寄せてしまう鷹泰呂は安易に自分のリクエストに頷こうとしないでいる多々羅に歯を噛んでは、軽く鼻翼に力を入れてしまう彼はぽつりと渇いた唇を開けていき、「春菜さん…」軽く首を横に振ってしまう鷹泰呂は多々羅は春菜の事を知っているはずもないと自嘲気味に笑っては、脳内で浮かんでしまう春菜の華奢な姿勢に口角を上げられている彼はぽつりと言葉を紡いでいく、「あの子が好いている人なんだから、」褐色の瞳に力を入れていく彼は薄暗く見えてしまう目の前の環境を睨んでは、本気の声色で言葉を紡いだ、「彼女が悲しむ所を見たくないから…です。」


  「お前…」宛ら鷹泰呂が本気で紡いだ言葉をからかっているようにと楽しそうにと、両手で強く胸元を叩いている三人のゴリラの真似をし続けては一斉に斜め上の方向から差し込んで来る月の光に向かって叫んでいる姿に目を半開きさせてしまう多々羅、頭が定かではない彼は思わず三人はこのまま尻尾が生えては巨大化にならないのかと心配になりつつチラッと横目で携帯電話に一瞥してしまう彼はぽつりと声を発していた、「面倒だな。」


  「いっ、」多々羅がまるでゴリラの囲まれているような周りの叫び声に戸惑っては、彼は動物園にでもいるんじゃないかと思ってしまう鷹泰呂、困っているような彼は軽く右手の人差し指で頬を掻いて行きつつぽつりと弱っている声を発してしまい、「いっぱい売りさばきますよ…!」ようやくここまで来れていたことを思うと、多々羅に作戦から降ろしてはならないと強く思ってしまう鷹泰呂、「五十本も!六十本も…!」右手を真っ黒に見えてしまう板に向けて出していく鷹泰呂、「全部頑張りますから!」何度も鼻翼に力を入れていく彼、切羽詰まった気分になれては思わず涙をこぼしてしまいそうな気がしている彼は強く額を地面に向けてしまい、「何とか最後まで聞いて…」歯を噛んでは多々羅は自分に学生を陥れようとする碌でもない奴だと知りながら、もはや彼以外に頼れる相手がいない自分は駄目だと思いつつ、歯ぎしりしてしまいそうな彼はぽつりと弱っては沈んでいるような声色で言葉を紡いでいた、「そして約束してください。」


  鷹泰呂の本気の口調に顔を両手にある携帯電話を向けられて三人に一瞥してしまう多々羅、目を半開きさせてしまう彼は思わずまるで自分の両手にある携帯電話を食らいつくそうとしている三人が向けて来る鋭利な眼差しが微かに怖く思えては、怖く思えているはずなのに、気分が最高潮になれている自分は可笑しなぐらいに笑いたくなっている彼は上半身を反らして行きながら、起伏しているような声を上げていた、「聞こうじゃねぇか~?」ニヤリと右側の口角を上げては歪なまでの笑みを浮かべていく多々羅は流し目で携帯画面に一瞥していき、「童貞なのかどうかは言いづらいちゃん?」


  「うっ…」多々羅が又しても自分が途轍もなく気になっている事を平然としているどころが馬鹿にしているような口調で紡いだことに苛立ちを覚えては、強く歯を噛んでいた鷹泰呂はぽつりと言葉を紡いでいく、「僕も…」揺るぎない眼差しを黒く見えてしまう板に向けてしまう鷹泰呂、散々侮辱されてしまう以上、自分はもうとっくに作戦から降りる事が出来なかっていたようにと感じている彼はぽつりと声を発していた、「そいつをボコボコにする所に連れて行って欲しいです…」


  携帯電話から聞こえて来る鷹泰呂の声をぼんやりと耳にしながら目を細めている多々羅は、ゆっくりと体を左側に向けて傾けていきつつぽつりと渇いた紫色の唇を開けていた、「自分の手でやっつけるってのか?」「ううん…」多々羅が自分に向けて来るふざけているような声色に少しばかり慣れているような気がしつつ、目を細めてしまう鷹泰呂は言う、「具体的な作戦があったりするんですよ…」眉間に力を入れては、多々羅に断る言葉を紡ぐ前に急いで自分が彼と話をしながら考えていた作戦を彼に教えてやろうと考えている鷹泰呂は言う、「先ずは女の子のアドレスを送りますから…」ごくりと固唾を飲み込んでしまう鷹泰呂は軽く歯を噛んでは、脳内で浮かんで来る春菜が自分に見せて来ている笑みに心をくすぐられては、思わず歪な笑みを浮かべてしまいそうになっている、「あなたが彼女を撮影に誘い出てですね…」


  ”ドクンードクンー”自分が考えていた綿密にも思えてしまう作戦を多々羅に教えて行きながら、胸元の奥からこみ上げて来る鼓動が段々激しくなれているような気がしてしまう鷹泰呂、「彼女は多分あの野郎を呼ぶはずなんですから…そこで…」口内にある唾液が段々滲んでは、自分に上手く言葉を紡がせてくれないでいるようにと感じてしまう鷹泰呂は言う、「僕は電話をかけて、撮影のことを聞き出して、」目を半開きさせては真っ白になっていた頭はどんなことをしても楽しい気分になれているように思えては、口角がニヤリと上げてしまう多々羅はぼんやりと自分を囲んでは、まるで儀式を広げているようにと手をつなぎながら回っている三人の事を横目で見ている。


  「彼女と一緒に行こうとか提案して、そして、」鼻翼に力を入れて行きながら口角が緩んでは作戦を紡ぎつつ、自分はもう春菜の中では立派なヒーローになれているようにと感じてしまう鷹泰呂、「その場所についてたら、その野郎をあなたがボコボコにして、」春菜の事を騙す演技をしてしまうことについて申し訳なく思いつつ、彼女がいつまでも彼女と付き合っては、彼女の二つ目の夢を叶えてあげようとしないでいる野黒新に恋心を抱くより、全てを彼女に捧げて上げてもいい自分と恋をした方がずっと一万倍幸せになれるはずなんだと考えている彼はぽつりと呟いていた、「僕が彼女を助けるような感じに仕上げて欲しいんです…」言葉を紡ぎ終えてしまうと、春菜が泣きながら自分に抱きついては自分に憧れの眼差しを向けて来るビジョンにお心をくすぐられては、思わず体を左右に揺らしてしまう鷹泰呂。


  宛ら自分の事を呼んで来ているような鷹泰呂が穿いていた真っ白なブリーフを見つめてしまうお母さま、無言で鷹泰呂の後ろで佇んで軽く腕を組んでしまうお母さまはチラッとガラス越しで部屋に置かれていた透明な液体が詰まっていたロケットのような形をしていたものに一瞥しては、ゆっくりと妖艶な眼差しを鷹泰呂の臀部に向けて行きつつ軽く分厚い舌を出してしまうお母さまは軽く左足の人差し指と中指の間を舌で舐めていった。


  「一言で言うなれば、」定かではない視界の中で自分を囲んで回っている三人は何十人にも分裂しているような気がしてならないでいる多々羅は目を半開きさせながら、軽く左手で強く握っていた携帯電話を上げてしまい、「俺、モブ?」まるで自分の鼓膜を殴りに来る多々羅のシンプルな一言に見開かされては、絶句されているような気がしてならないでいる鷹泰呂は必死に額を地面に向けては鼻翼に力を入れて行き、「お願いですから…」自分の咄嗟に考えていた作戦はまだ完璧とは言えないような気がしてしまっては、万が一春菜は野黒新のことを呼ばなかったら多々羅に悪者役をやって貰おうと考えていた鷹泰呂、ごくりと固唾を飲み込んでしまう彼は多々羅に悪者をやって貰うリクエストを言ってしまったら彼は間違いなく断ってくるんじゃないかと思っては、出来る限り春菜に喜ばせるようなことをしてあげたいと思っては、最悪の場合彼女の中でのヒーローになれなくとも、彼女と幸せなひと時を過ごせた人間になりたいと思ってしまう彼は言う、「僕に何をしたっていいんです…!」


  自分にとっては生きていく価値にも思えてしまう春菜と付き合う事が出来ないと言うのなら、自分は何のために絶望しかいない人生を向かったらいいのかと考えてしまう鷹泰呂はぽつりと渇いた唇を開けてしまい、「僕は彼女に幸せになって欲しいですし…!」額をひんやりとした地面に向かっては地面を擦っていく鷹泰呂、「幸せを上げたいですよぉ…!」春菜が自分から離れてしまう事を思うと、彼女が幸せになれるのならまだしも、無念に抱かれるがままに死に行く彼女を見たくないと強く思っている鷹泰呂、「靴だって舐めますし…本当にどんなことをしてもいいんです!」思わず涙を零してしまう鷹泰呂は天使のような春菜が天に帰るまでは、どうにか人生今まで唯一にも思えてしまうぐらい自分に優しくしてくれて来た彼女に自分なりに幸せを上げては、彼女に微笑みながらあの世に行って欲しいと思っている鷹泰呂、「彼女は余命僅かの可憐な女の子なんですから…」


  激昂になっては痺れている鼻腔の奥に苦しめられているせいでつい鼻声になってしまう鷹泰呂は悔しそうにと歯を噛んでは、目尻を撫でて来る涙の感覚を感じながらぽつりと声を発していき、「彼女がいなくなったら僕は一生あなたの奴隷になったって構いません!」鷹泰呂が必死に自分に言い聞かせてくれていた言葉に目を半開きさせては、まるで眩暈に倒されていたかのようにと地面に倒れ込んでいた三人が、鷹泰呂のことをからかって行くと同時に応援しているように両手を口角に添えては楽しそうな声を上げ、自分に見せてくる野次馬根性に目を半開きさせてしまう多々羅、「いらねぇよ、男の奴隷なんて、」軽くひんやりとした空気を吸いこんでしまう多々羅は鷹泰呂の必死になっていた声色に興味を示す事無く、彼が上手く学生の間で自分の薬を広めてくれると言うのなら、自分には滅茶苦茶儲かると思い、ニヤリと右側の口角を上げてしまう彼は強く一回だけ首を縦に振っては声を発していき、「いいだろう、」


  多々羅が飽きれているような声で自分に向けて来る返事に見開かされては、思わずあんぐり口を開けてしまう鷹泰呂。「お前がそこまでつーのならやって見せようじゃねぇか、」肩を縮めながら体を左右に揺らしていく多々羅は可笑しそうにと左手にある携帯電話に目を向けて行きつつ、起伏しているような声を上げていき、「何せ従兄弟なんだし?」多々羅が鷹泰呂に上げていた返事をぼんやりと聞いていた三人は宛ら鷹泰呂の代わりに喜んでいるようにと猛然と両脚で強く地面を蹴っては体を飛び跳ねてしまい。「分配金が要らないってのなら、」ぼんやりと目を半開きさせながら自分には鷹泰呂の力添えになるのは得するのかどうかを考えていた多々羅、可笑しそうにとニヤリと右側の口角を上げてしまう多々羅はチラッと視線を携帯電話に向けては、鷹泰呂がここまでして手に入れたい女はどんな姿をしているのかが気になりつつ、歪な笑みを浮かべてしまう彼は相手の顔次第で自分はどうすればいいのかと考えつつも、軽く首を前に向けて出していき、「俺、損はねぇし?」


  「は、はい!」多々羅が自分の作戦に承諾してくれていた一言に口角を上げられては、感謝の気持ちに胸元の奥を満たされているような気がしてならないでいる鷹泰呂は何度も首を縦に向けて振って行きつつ大きな声を上げてしまい、「ありがとうございます!」興奮を覚えては微かにと震えているような気がしてしまう右手を胸元に当てていく鷹泰呂は楽しそうにと元気に満ちている声で言葉を紡いでいく、「このご恩は一生肝に銘じておきます!」


  「さっさと写真を送ってくれ?」気怠そうにとまったりと自分がさっき座っていた場所に目掛けていく多々羅は、ゆっくりと右足を前に向けて踏み出して行きつつ左手にある携帯電話を自分の耳元から離れていき、「切るからな?」「は、はい!」”ドゥー”まるで自分の返事はどうでもよくと言いに来ているかのようにと、否応なしに電話を切っていた多々羅の傲慢にも思えてしまう態度を気にすることなく、急いでいるかのようにと両手で携帯電話を手にとっては、待ち受け画面にある春菜が夕陽に照らされている顔を見つめていく鷹泰呂、「ありがとうございます…!」ごくりと固唾を飲み込んでしまう彼は感謝の言葉を呟きつつ、微かに震えているようにと感じてしまう両手で携帯電話を弄っては、春菜が自分に気を向け来る想像をしながら、夕焼けに飾られているような彼女の事を見つめている。


  ぼんやりとした橙色の光は微かな熱気を放っては、呆然と目を細めている春菜の事を照らしつつ、憂いに緑色の瞳を操られているような彼女、淡い水玉のパジャマを着こなしていた春菜は呆然と自分の臀部を支えて来てくれているかのようなベッドを感じつつ、チラッとサイドテーブルの上に置かれていた電気スタンドに照らされていた向日葵がプリントされていた画帖に一瞥してしまい、軽く唇を噤んでしまう彼女はゆっくりと微かに汗ばんでいるようにと感じてしまう右手を胸元に当てて行きつつ、左手にある携帯電話に目を向けていき、まったりと鼓動を刻んでいる心臓の鼓動を感じながら、待ち受け画像にある派手なドレスを着こなしていた自分と野黒新のツーショットを緑色の瞳で映し出してしまうと、口角が自然と緊張していたような彼の強張っているようにと感じてしまう表情に上げられているような気がしてしまっては、嬉しそうに微笑んでしまう春菜、軽く右手を胸元から離れては、ベッドの上に置かれていた枕に一瞥してしまう彼女は軽く右手を枕に向けて伸ばして行きつつ、ぽつりと不安な声を上げてしまい、「どうしようかな…」ひんやりと感じてしまう繊細な指先で枕に触れては、軽く枕を握ってしまう春菜は独り言を呟いていき、「撮影会と言われてもな…」困っているようにと苦い笑みを浮かべてしまう春菜はぽつりと呟いていき、「新に聞いて見るかな…」 


  ”ブーブー”刹那、まるで自分の手のひらを撫でて来ているかのようなバイブの感覚に驚かされては、大慌てで両手で軽く跳ねているようにと感じてしまう携帯電話を握ってしまう春菜、ぱちくりしてしまう彼女はぼんやりと右手で携帯電話を握りながら携帯画面に浮かんでいた鷹泰呂の名前を見つめている。「も、もしもし?」軽く鼻翼に力を入れては、春菜と電話をしている事を思うと、つい喉から飛び出ようとしている心臓の鼓動に苦しめられては声が微かに震えている鷹泰呂、緊張を覚えている彼はぽつりと渇いた唇を開けていき、「は、春菜さんなのかな?」恐る恐ると声を上げていた鷹泰呂の臀部を見下ろしているお母さま、右手にある透明な液体が詰まっていたロケットの形をしていた物を手にしていたお母さまは歪な笑みを浮かべつつ、ゆっくりと鷹泰呂の臀部に向けて歩いていた。 


  「うん、私だよ?」興奮気味の口調で自分の事を呼んで来ていた鷹泰呂の声色に口角をくすぐられているような気がしてしまっては、目を細めつつ微笑んでいく春菜はチラッと横目で携帯電話を見てはぽつりと声を上げてしまい、「どうしたのかな、鷹くん?」まったりと背中をひんやりとしたピンク色の壁に付けていく春菜はぼんやりと天井にある二頭身のカラスのマスクを付けていたキャラクターを見上げながら言葉を紡いでいき、「こんな夜で電話をかけて来るのは初めてじゃない?」


  「う、うん…」春菜が自分に向けて来ている声を携帯電話越しで聞こえてしまうと、つい心が彼女の声色に撫でられているような気がしてしまっては微笑んでいく鷹泰呂、恐る恐ると頷いては何とか彼女に返事をしようと思っていた彼。刹那、まるで自分の寒風に苛まれては冷たくなっていた臀部を温めに来ているような温かい手のひらの温度に臀部がビクッと跳ねては、恐る恐ると視線を振り返ってしまう鷹泰呂、携帯電話から放っている淡い光に照らされていた環境の中にある褐色の瞳はぼんやりと逞しい左膝を地面に付けては、濡れては微かに光っているような右手を上げているお母さまの右手を映し出し、お母さまの左手にあるロケットのような形をしていた物に一瞥してしまうと、自分がこれからどんな目に遭ってしまうのかが分かったような気がしつつ、絶望を覚えてられている鷹泰呂。


  「うん…?」ぼんやりと左手で枕を抱えては黙々と自分に電話をかけて来ていた鷹泰呂が、自分に向けて来る質問や言葉を待っていた春菜、宛ら氷となっては、声を上げようとしないでいる彼に困らされてしまう春菜は小首を傾げて行きつつ、彼に尋ねていき、「どうかしたのかな?」ゆっくりと自分が穿いていたブリーフを濡らして来るお母さまの太く感じてしまう右手の感覚に心を鷲掴みにされているような気がしてならないでいる鷹泰呂、ごくりと固唾を飲み込んでしまう彼は軽く鼻翼に力を入れては、お母さまは間違いなく自分が春菜に電話をかけていたこの瞬間を狙って来たに違いないようにと思えては、不満そうにと歯を噛んでいた彼は何とか春菜に自分がされていることを気づかされないようにと気を張りつつ弱っている口調で言葉を紡いだ、「君がネットに上がっていた写真を見てたよ…」


  「そうなんだ~」鷹泰呂が唯々諾々と自分に返してくれていた一言に口角を上げられては楽しそうに笑ってしまう春菜、「どうかな?」ゆっくりと背筋を伸ばしては前のめりになってしまう春菜は軽く左手の人差し指を立てては、紹介するようにと声を発していき、「誕生日の時で撮ってたんだ、誘ったけど、」目を細めながら残念そうな笑みを浮かべてしまう春菜はぽつりと呟いていき、「来てくれなかった日なんだ。」


  「ねぇ、泰呂~」ハウスの中から聞こえて来る鷹泰呂の焦っているような吐息を感じながらニヤリと右側の口角を上げてしまうお母さまは、右手で自分の両手に濡らされていたブリーフを撫でて行きつつ言葉を紡いでいく、「知ってたのかな?」目を細めつつ流し目で自分に振り向こうとしないでいる鷹泰呂の事を見下ろしてしまうお母さまは言う、「叔父さんはマフィアのボスだってことをさ?」「う、うん、」お母さまが自分にかけて来ていた言葉を聞く余裕をなくしては、油断していたせいでお母さまに電話をしていたことがばれていたのが遺憾に思いつつ、強く鼻翼に力を入れては何とか執拗に自分のブリーフを撫でて来るお母さまのいやらしく感じてしまう手付きを我慢しようと思っている鷹泰呂は弱っている声で呟いていき、「ちょっと抜けない用事があって…ごめん…」


  「ううん、」鷹泰呂が泣き出してしまいそうなぐらいに弱っている口調で自分に向けて言葉を紡いだことに目を細めながら、軽く首を横に振ってしまう春菜、「謝る必要はないや。」ぼんやりと視線を自分の両脚に向けてしまう春菜は自分の事を誘って来ていた多々羅の事を思い出してしまうと、野黒新に相談しようと考えていた自分には、鷹泰呂にも少しぐらい意見を尋ねてみた方がいいんじゃないかと思っては、ぽつりと微かに紫色が浮かんでいた渇いた唇を開けてしまい、「そういえば…」ぼんやりと自分と鷹泰呂のさっきの会話を振り返ってしまう春菜、彼は自分の誕生日にも参加する時間がいない以上、きっと自分の事を構う程に暇はないと考えつつ、忙しい彼に邪魔しては良くないと思い直してしまう春菜は淡い笑みを浮かべていきながらぽつりと声を発していく、「ううん、何でもない。」


  「ど、どうかしたのかな?」ゆっくりと自分の肌から離れていく湿っていたブリーフの感覚に心臓が止まっているような気がしてならないでいる鷹泰呂、悔しそうにと強く歯を噛んでしまう彼はゆっくりと自分の体を侵食しにくるやけに硬い感覚から与えて来る違和感を抑えながら、心配そうな口調で春菜に尋ねていき、「余計気になってしまうだろう…?」


  「昔はね?」宛ら鷹泰呂の体に生えていたかのようなロケットのような形をしていた物を眺めつつ、まったりと腕を組んでしまうお母さまは言う、「叔父さんは大好きで、大好きで、」軽く太い右手の人差し指を立てていくお母さまはまるで物語を紡いでいるようにと、鷹泰呂の臀部に生えていたような微かに戦慄しているロケットに嬉々とした笑みを見せて行きつつ声を上げていく、「どうしようもないぐらいに好きな女の子がいてね?」まったりと小首を傾げては脳内に浮かべて来る憂いに侵されているような叔父さんの存在に首を無を言わさずに横に向けて振られているような気がしてならないでいるお母さまは悲しそうにと声を発していた、「彼女から貰ってたどう考えても彼に似合うはずもないでいたピンク色の腕時計を肌身離さずに付けていたぐらいでね?」


  「ううん、」鷹泰呂の微かに息遣いが荒くなっていることを気にすることなく、何度も首を横に向けて振ってしまう春菜、「何でもないや、」左手で強く自分の膝の上で眠っていたかのような枕を抱えては、再び華奢な背中をひんやりとした壁に付けていく彼女、「あなたこそなんか用事でもあるんじゃない?」横目で携帯電話に一瞥していく春菜は苦しそうな声を噛みしめているような鷹泰呂が自分に聞かせて来る声色を感じつつ、彼に何かが遭っていたのかと不安になってしまう彼女、鷹泰呂はもしかしら誘拐されていたのではないかと言う考えが脳内を過ってしまう春菜、軽く鼻翼に力を入れていく彼女は眉をひそめつつ、何とか彼の今の境遇を聞き出せないのかと試みるようにとぽつりと言葉を紡いだ、「でないと電話をかけて来ないはずでしょ?」

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