九情雑記
九情承太郎
エヴァンゲリオン、成仏しました。
終わったねえ、新世紀エヴァンゲリオン。
本当に終わったねえ。
鑑賞前は、「終わるとは言っても、完全に終わるとは言っていないからな。油断しないぞ。またぞろ、量産型が大量に舞い降りて『次回に続く』かもしれないし。庵野監督が、最終形態に変身して、ゴールデン・フリーザ状態で続編を、しれっと作るかもしれないし」と警戒しまくっておりましたが、終わりました。
成仏しました。
完全、成仏!
エヴァの放送が始まった頃は、就活中だよ、ばかやろー。
二十一歳だよ、ばかやろー。
アニメ会社に就職しようと、二十社ほどに「今年の採用情報を教えて下さい」とハガキで情報を乞い、制作進行見習いとして入社した頃にはエヴァの放送も佳境に入り、第24話「最後のシ者」の録画予約をしくじってドラゴンボールを録ってしまったアホな思い出に凹む間もなく「君、向いていないから、クビね」と言われて解雇され、呆然としたまま問題の第25話26話を観て更に茫然とし、アニメ業界に屈折した愛憎を抱いたまま過ごした二十五年間が、成仏した。
ようやく、成仏した。
完結編と目された旧・劇場版は、鬱々とした展開が深くなり、新・劇場版シリーズもパワーアップすれど鬱々とした展開は深まる一方で、何処に向かう切手を貼られているんだ此の作品は? と愚痴りながらも魅入っていたエヴァが、ようやく本当に本当に、完結した。
しかも、空前絶後のハッピーエンドで。
全員、成仏。
キャラもスタッフも観客も。
全員、成仏した。
俺の中に燻っていた、アニメ業界への苛立ちが、成仏した。
まったく。
なんて作品だよ。
そんな一方的な「ありがとう」を言いたくて、こんな無差別級エッセイを始めます。
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