第48話

 「皆は、今回の少数精鋭部隊が、どのようなものか理解しているか?」


 そう問いかける宰相は、私を含めた5人にそれぞれ名簿を配る。


 よく見ればそれは、5種類に分けられていた。


 1種類目は、戦士や騎士などの前衛タイプの人材。


 2種類目は、盗賊やなどの斥候タイプの人材。


 3種類目は、剣士や僧侶などの中衛タイプの人材。


 4種類目は、弓兵や魔法使いなどの後衛タイプの人材。


 そして最後の5種類目は、他のタイプには当てはまらない者たちの集まった、遊撃タイプの人材。


 これらが分けられた名簿が、5人の前に並べられたのだ。


 私たちが混乱していると、宰相は椅子に座ったまま語る。


 「それは君たちが率いることになる者たちの名簿だ。ああ、もちろん疑問には全て答えるつもりだ。遠慮なく聞いてきたまえ。」


 全身で何かを受け取るように、手を大きく横に広げた宰相は、そう言って私たちに質問を急かす。


 少し5人で目配せをした結果、隊長であるアーレスから順に質問をすることとなった。


 「では、私から行こう。なぜ我々なのですか?少数精鋭部隊の中には、私よりも階級が上の騎士もいたと思うのですが。」


 「それは簡単だ。君たちが一番強かったからだ。仮に、言うことを聞かなければ、力でねじ伏せることができるからね。ああ、だけど君が一番上ということは変わらんよ。フロータスは確かに強かったけど、戦略なんて学んでいないだろうからね。」


 「なるほどそういう理由でしたか。それならばわかりました。謹んでその地位をお受けいたします。」


 アーレスの後は副隊長のクールスだ。


 「私から聞くとしたらそうだな。最初から私たちが隊を率いることになることは決まっていたのですか?と、聞こう。」

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