第2話 死”モール・モース”

 レミナのとある場所。

 ひとりの宿り子が風種に乗り、“命”を巡らせる旅をしていた。

 その道中、宿り子は“それ”と遭遇した。

 “それ”は生物でもなければ、物質でもない。

 形容しがたい姿を持った、この世界の概念のひとつ。

 “死”モール・モースであった。

 “命”を睨む眼と、“命”を喰らう口を持ち、ただただ“命”を終わらせるために存在する絶対的な事実リアル

 その“死”モール・モースは小さな集落であれば、簡単に滅ぼせる程にとても巨大であった。

 幸い、頭上を通り過ぎる宿り子には気づかないか、単にもの足りないからか、襲ってくる様子はなかった。

 蠢く“死”モール・モースを見送った宿り子は、その光景から“あの時期”の到来を知る。

 “死”モール・モースへの畏れを仮装で隠した“命”たちが、“死”モール・モースをも怯む恐怖と享楽の悪あがきを引き起こす。

 “ハロウィン”の到来を。

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