【小論】ポケモン名のアクセントについての分析

凪常サツキ

はじめに



①表記について

・本稿では、一拍に対する高低アクセントの高と低をそれぞれ●と〇で示す。この表記に則れば、共通語における「野菜」は「〇●●」であり、「チューリップ」は「●〇〇〇〇」である。

・それぞれのページでは「ポケモン名/アクセント/第二アクセント/備考」の順に表記がなされている。第二アクセントは、そのポケモンに対するアクセントが複数考えられる場合に書かれている。例えばコラッタは、「〇●〇〇」と「●〇〇〇」二つの発音が考えられる。

・メガシンカしたことを表す「メガ」やポリゴンに付く「2,Z」など、接尾辞・接頭辞とポケモン名の区切りには 「〇●・●●●〇〇」の様に、発音表記で「・」を挿入している。


②特殊音節と拍について

・日本語には特殊な音節がある。撥音(ん)、拗音(「ょ」など)、促音(っ)、長音(ー)である。撥音、促音、長音はそれぞれ一拍とするが、拗音に関しては例外で二文字まとめて一拍とする。つまり「チューリップ」の「チュ」で一拍である。

・ポケモンでは「ピィ」や「ブビィ」など、拗音の表記でありながら平常の発音の名前が見受けられる。こうした表記は厳密にいえば正しくないもので、無理やり解釈をすればピィは一拍、ブビィは二拍になる。ただ、発音ではそれぞれピィは二拍、ブビィは三拍であるので、本稿では「ぁ、ぃ、ぅ、ぇ、ぉ」を一拍とする。


③ポケモンの並び順と分別について

・ある程度の世代別表記をしているが、並び順は全て「ポケモンずか(1)」に則っている。その為メガシンカやゲンシシンカがあるポケモンのすぐ後ろにそうした「後に追加された進化形態」があり、厳密な世代別はされていない。


④平板型アクセントについて

・アクセントの一種に「平板型」というものがある。これは語頭だけ低く、それ以降がすべて高いというものである(2)

 この平板型は一般的なアクセントでもあるが、一方で特定の集団において専門用語化した(こなれた)単語はする傾向がある(3)ポケモン界隈も例外ではなく、例えば頭高型の「ロトム」を〇●●と平板アクセントで呼ぶ人もいる。本稿のアクセントは基本的に「平板化したアクセント」は取り上げないため、留意されたし。


⑤その他

・本稿に記載されたアクセントはアニメやポケモン情報番組で話されたアクセントを主としているが、私の独断で決めたものも多い。個人・住む地方によってアクセントに差異が生じると思われるが、ここに書かれたものはあくまで参考程度にしてくださるよう。

・なお、筆者は言語形成期を関東で過ごした。




「補足」

(1)https://zukan.pokemon.co.jp/

(2)「友達が」を共通語で言う場合の「〇●●●●」のようなもの

(3)バイカーが、「バイク」を●〇〇ではなく〇●●というようなもの

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