第25話 ディアグラムについて話そう

 ディアグラムとは、北大陸国ヴェルリゾンにのみ存在する根源物質である。

 表面は光を飲み込む漆黒、断面は多彩色パステルカラーで、艶やかな質感を持ち、球、三角、四角などの単純かつ原初的な図形が連なる柱のような形状をしている。

 マギア魔法技術と極めて高い親和性を持っており、術者が遷移した魔法物質クラフトを増幅・強化させるなどの働きを持つため、術者の装具や道具の素材として用いられる。

 その実態は、極めて純度の高い粒子パティが凝縮した代物であり、融和言語ロスト・ラングによる干渉以外では、加工は不可能である。その柱自体を神聖視する集団がいたり、性質が近しいことから、"心を持たなかった宿り子やどりこ"と捉えられてもいる。

 一定以上使用されたモノは色彩を失い、砂粒すなつぶよりも微小で粒子パティよりは大きな粉塵ふんじんとなる。

 その粉塵ふんじん死素ポルボと呼ばれ、加工も焼却も溶解も不可能な永久残存物質であり、"具現化された死"とも呼ばれ、北大陸国ヴェルリゾンに蓄積され続けている。

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