第27話 中級職
「何とか、生き残ったね。」
いきなりの上位種三体との戦闘。状況としては間違いなく過去最大の危険度だったろう。
今までで最も危険だったのは、初めてホブゴブリンと出会った時だったが、今回も同じように一歩間違えていたら命を落とす危険性があった。
「でも、今回のことでこの扉の奥、取り敢えず第二地区って呼ぶけど…。第二地区の危険度はわかった。おそらくこんな感じにゴブリンの上位種が複数体出てくるんだと思う。今回のことで何とか戦えることはわかったけど、もっと数が出たときの対応とかも確認しよう。」
そう言って、この場で休憩も兼ねて作戦会議を開くことにする。すると内海さんと一ノ瀬さんが、今回の戦闘で順調に上がっていたレベルが10の大台に乗り、中級ジョブに転職が可能になったとの報告があった。
なのでまずは転職してもらい、それから話し合うことにした。
そして二人が選んだ中級ジョブとそのステータスがこれだ。
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名前:
種族:人族
職業:兵士(槍)
ジョブレベル:10
必要経験値:1/300
【ステータス】
|M P:6+(6×0.1×10)|=6/12
|攻撃力:8+(8×0.4×10)|=40
|耐久力:7+(7×0.3×10)|=28
|速 度:8+(8×0.3×10)|=32
|知 力:6+(6×0.1×10)|=12
【所持スキル】
槍術 レベル 2【クイック 1MP】【インパクト 3MP】
監視 レベル 0
【所持SP】
370P
【装備品】
無骨な槍
【その他】
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名前:
種族:人族
職業:格闘家
ジョブレベル:10
必要経験値:6/300
【ステータス】
|M P:6+(6×0.1×10)|=8/12
|攻撃力:8+(8×0.3×10)|=32
|耐久力:8+(8×0.3×10)|=32
|速 度:7+(7×0.4×10)|=35
|知 力:6+(6×0.1×10)|=12
【所持スキル】
格闘術 レベル 2【強撃 2MP】【肉体強化 1MP/m】
移動術 レベル 0
【所持SP】
380P
【装備品】
なし
【その他】
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と、このようになった。
兵士(槍)は、組織に属している槍士から転職可能な中級ジョブで、単純に槍士の強化版みたいなものだ。ステータス加算の割合が増え、攻撃力と速度が少し強化された。「監視」のスキルは転職時に発生したものだが、この現象は、いち早く中級ジョブに転職していた慎太郎さんの時に確認済みなので、驚くことはなかった。まだレベル0なので、頑張ってレベルを上げていってほしい。
格闘家は、徒手で戦うことを好んだ戦士が転職可能な中級ジョブで、戦士と異なり戦闘方法は徒手が基本となる。ステータス加算の割合も増え、速度がかなり強化された。「移動術」のスキルもまだレベル0なので、こちらもレベルアップを頑張ってほしい。
二人が中級ジョブに転職したことによって、かなりの戦力強化がなされた。まずステータスの面でも、一人でも何とか上位種と渡り合えるような値になった。これによって万が一、一対一で戦う場面になっても勝つことが可能になるだろうし、それが厳しくても持ちこたえることは可能なので、その間に助けに行くことができる。
「二人が中級ジョブに転職できたのは、取り敢えずおめでたいね。これでより生存率が高まった。」
「そうですね、一ノ瀬たちがホブゴブリンたち相手に戦いきれるってのも今回確認できましたし。」
「ケビンの言う通り、その事実は大きいと思っている。もし今後より多くの上位種と戦うときに使える戦法が増えるからね。」
例えば、俺やケビンが複数体を相手にしている間に、一体ずつ確実に二人に削ってもらうことや、その逆なんかもありうる。
「自分たちとしても、上位種たちと戦って勝利するという経験は、かなり精神的にも大きいです。」
一ノ瀬さんが言っているように、自信の面でも命のやり取りをしていると、こういうのは大きい。自信がないと恐怖で体の動きが固まってしまい、全力のパフォーマンスを発揮できないのだ。こういうのはスポーツなどでもよく知られているだろう。
「自信がついたのはいいことだと思う。それに鑑定で見た上位種たちのステータスから考えても遜色ないからね。そこで提案なんだけど。今後上位種が複数体、もっと言えば4体以上現れたときに、俺が数を削る役をやりたい。一番速度もあるし、戦闘スタイル的にも最小時間で急所を狙っていくから、その方が戦闘時間が短縮できると思う。どうかな?」
俺の職業的にも、とどめを刺さないと経験値を取得できないので、数をこなせるのは得なのだ。そしておそらく職業やスキル「暗殺術」の効果も相まって、命を奪うという行為に対して、この中で最もうまい自信がある。
「わかりました。そうしたら基本的に俺たちは防御に専念するので、坊ちゃんが攻撃に回ってください。もちろん攻撃できるときはしますし、倒せるときは倒すので、すべてを坊ちゃんだけでやる必要はないですけど。」
「俺たちとしても問題ないです。」
ケビンが賛同してくれて、そこに一ノ瀬さんと内海さんも同意してくれた。そこで今後の戦闘スタイルも決まったことだし、ここでこのまま休憩をとることにする。
通路のど真ん中に座り込んでいるが、床自体が光っているおかげか、十分な明るさがあり、休むのに問題はない。
時間もお昼時だったので、今日も慎太郎さんに作ってもらったお弁当を食べた。警戒していた通路の奥から魔物が現れることもなく、昼食を食べ終わり、無事探索再開だ。
少し奥に歩を進めると、すぐに十字路に出た。なのでいつものように右から回ることにする。
十字路を曲がり、進んでいくと奥の方から魔物の声が聞こえてきた。
近づいていくと、やはりゴブリンの上位種たちで、ゴブリンソルジャー一体、ゴブリンソードマン一体、ホブゴブリン二体の四体構成だ。
「ケビンはゴブリンソルジャーを、内海さんと一ノ瀬さんはホブゴブリンをお願い。俺はソードマンを行く」
そう言うと、すぐさま駆け出した。みんなも俺の指示に従って戦闘に入っている。
前回の反省を生かして、今回はしっかりと最速でとどめを刺そうと思う。
ゴブリンソードマンの前まで全速力で近づき、目の前で急停止する。そこにそのまま来ると思っていたソードマンの剣が向かってくるが、急停止したことによってわずかに届かない。
しかし、さすがに間合いを見切ることはできないので、その場から剣筋を避けるように右斜め前に飛び出し、ゴブリンソードマンの脇腹を裂きながら後ろに回り込む。
無防備な脇腹にダメージを負ったゴブリンソードマンに、間髪入れず次の攻撃を加える。
今度は左の脇腹を切られたために伸びきっている右足のアキレス腱を切り裂き、膝から崩れ落ちたところを、右側からあごの下へと短剣を突き刺し、脳天まで貫いてとどめを刺す。
とどめを刺し、すぐさまあたりを見渡すと、みんなしっかりと抑えてくれているので、一番近くで戦っていた内海さんの相手のホブゴブリンから始末することにする。
内海さんが太ももを槍で突き刺したことで、ホブゴブリンの動きが止まった。その隙を逃さず、一気に近づいて首を切り裂いた。
その隣では、一ノ瀬さんが速度を生かしてホブゴブリンを翻弄している。
なので、ホブゴブリンを中心に一ノ瀬さんと対角線上になるよう気配を消しながら移動し、ホブゴブリンの背後から一気に心臓まで短剣を突き刺した。
この時にはすでに、ケビンの方の戦闘は終わっていた。なのでそちらまで行くことはなく、先ほどの戦闘とは打って変わって、終始こちらが圧倒して終わることができた。
「今回ぶっつけ本番ではあったけど、結構いい感じなんじゃないかな?」
「そうですね。戦闘時間が短いとこちらの疲労もたまりにくいですし、今後も当面のところこれで行きましょう。」
そうケビンも認めてくれたし、今後このようにして戦っていくことにする。
この方法だと経験値も手に入るし、戦力強化ができればもっと戦闘が楽になる。
この感じで、まずはこの地区に慣れることから始めよう。
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