次回予告 その二
第55話 次回 妖精と人間編
あるところに人間と妖精が共存している国がありました。その国の名前はフェアリスランドと言い、小さな子供は皆妖精と友達でした。
人間は妖精が大好きでとても大切にしていたので、妖精もそれに応えるように人間を敬っていました。
ところがある日、欲深い人間の王が妖精の不思議な力を手に入れようとしたのですが、妖精の王の反撃にあってしまい、人間の王の計画は失敗に終わってしまいました。
その日から人間と妖精が一緒に過ごすことは無くなり、今では人間が妖精の姿を見かけることも無くなってしまいました。
それによって、今までは妖精の不思議な力のお陰で快適に暮らしていた生活も一変し、とても貧しく苦しい生活が続くことになったのです。人間たちは王の身勝手で愚かな振る舞いに怒りを抑えることが出来ず、とうとう自分たちの王の命を奪ってしまったのでした。
ですが、妖精たちはそんな人間の行動を見ていたので、これ以上人間と深く関わることは止めようと固く誓ったのでした。
人間の王が処刑されてから数年経ったある日に、一人の少女が妖精の姿を目撃したのでした。少女が描いた何気ない絵の中に、少女と一緒に遊んでいる妖精の姿が描かれていたのです。少女が生まれる前に妖精は人間の前から姿を消しているので、少女は妖精の姿を見たことは無いはずなのですが、その姿は数年前に見た妖精の姿に限りなく似ていて色彩も当時のままだったそうです。
いくら探しても妖精は見つかることは無く、少女がたまたま見かけだけで全くの偶然だったのではないかと言う話にもなりましたが、その後も妖精の姿を見た子供は時々いたのです。妖精たちは決して大人の前には姿を見せようとせず、決まって四歳以下の子供だけでいる時に現れたそうです。
小さな子供の前にだけ現れる妖精がいるという事を知った大人たちは妖精のいる森へと子供たちを連れて行ったのでした。綺麗な泉のある美しい森は鮮やかな緑の葉が優しく広がる美しい場所で、以前から皆の憩いの場として知られていたのですが、妖精が現れるという噂が出始めてからは大人の立ち入りが禁止されてしまったのでした。
妖精に会えなかった多くの子供たちはちゃんと戻ってきたのですが、中にはいくら探しても見つからなくなってしまう子供もいたのです。
そんな森の近くには墓荒らしの男が一人で住んでいるという噂もあり、見つからない子供たちはその男に攫われて殺されてしまったのではないかと噂をされていました。
大人たちは妖精に会ってもう一度過去の豊かな暮らしを取り戻すことにするのか、子供たちを守って今の生活を続けるのか、大いに悩むのでした。
妖精と人間が昔のようにお互いを尊敬しあい豊かな生活を送れる日を夢見ている大人はとても多かったのです。
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