EP4.「勇者の試練」

領主「ホーッホッホッホ! ……来たか、サイファスの領主たる私の屋敷へ……。その口から息を吐いている様子を見るに、二人共どうやらここまでわざわざ走ってきたようだね。………んで、早速本題に入るが、そこの君が今都市全体で行っている"魔王をぶっ倒そう!!"キャンペーンに応募した、勇者志望の人かな?」


ワルオ「おう! そうだ! このオレ様が勇者となる男だっ!!」


サリー「いいえわたしです! 領主様、こんな奴ほっといて下さい、魔王を倒すのはこのわたしなんですから!」


領主「勇者はどっちかはっきりしろッッ!!!!」


ワルオ・サリー「!?」


領主「………おおっと失礼、つい口調が荒くなってしまったよ。けど、勇者はやはり一人だけというのがお約束というモンなのだよ。……だから、君たちのどちらかg、」


ガチャンッ!!


ジョンソン「ちょーっと待ったああぁぁぁーーーっ!!! オレがキャンペーンに応募した勇者となる者だーーーっ!!」


ワルオ「!!? ジョンソンが勢い良く部屋のドアを開けて入ってきた!? おいおいお前! もうここまで追いかけてきやがったのかっ!?」


サリー「な、なんて体力っ! ……この屋敷は結構広くて私でも道に迷うかと思ったというのに!!」


領主「んぬ? ではそのジョンソンとかいう名前の君こそが、"魔王をぶっ倒そう!!"キャンペーンに応募した勇者志望者だと言うのかな?」


ジョンソン「はいっ! 本当です!! オレが勇者となって魔王を倒してやりますぜ!! と胸を張って答えたっ!!」


領主「ふーん、なるほど……。こーれは顎に手を当ててしばらく考えざーるを得んなー。」


ジョンソン「はえっ? な、何故です? ……このオレが都市の行うキャンペーンに応募した勇者志望者なんですよっ? 一体何故高級そうな椅子に座り難しそうな顔をして机に置かれた紙に目を通しながら深く考え込んでいるんですかぁ?」


領主「…………。よし、決めたよ。ジョンソン君、今一度 この都市の管理する書類を一通りみてみたんだが、確かに君は"魔王をぶっ倒そう!!"キャンペーンに応募した勇者志望者のようだね。」


ジョンソン「は、はいそうです!」


領主「ホーッホッホッホ!! なら君にはこれより勇者となる許可と資格を与える……と言いたいところだが、何処の馬の骨ともわからん貧弱そうな男に勇者を務めさせる訳にはいかない。そこでだ!!」


サリー「!? 領主様が天高く手を上げた!? あれは何を!?」


領主「ジョンソン君……いや、そこでへたり込んでいる銀髪の娘さんと、偉そうな態度を崩そうとしない目つきの悪い無礼者君の三人にはこれより、勇者となる為の試練に挑戦してもらう!! 勿論領主権限で拒否権は無しだ!!」

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