異世界召喚されたんだが好きに生きる事にする
冥狼
第1話そして日常は崩れ去る
僕、伊月鷹臣は、子供の頃はよく入退院を繰り返して周りを心配させた。
両親は勿論、双子の片割れである兄、雅臣に至っては自分のせいだとか言って泣きながら謝られて焦ったこともある。だって別に雅の責任じゃないしね。
それに中学に上がる頃には大分良くなってきてあまり休むこともなくなったし、今では普通よりちょっと身体が弱いってくらいだからあまり心配されると心苦しい。
そんな僕も四月から高校生だ。
いろいろ頑張った結果雅と一緒の高校へ入学できるのが嬉しい。
ちなみに隣の家の同い年の我妻七緒も同じ高校へ通うことになったのも嬉しい。
女の子のような名前だけれど七緒は立派な男子である。身長も高い180超えてる・・・何食べてるんだろう?僕に少し身長を分けてくれとか言いたい言わないけど・・・言ったら悲しくなるし
雅も七緒と変わらないくらいの長身である・・・僕は頑張れば170あるよ?あると言いたい・・・ほんの数センチなんだから170と言いたい四捨五入すれば170だもん・・・って言ってて悲しくなるから止めよう・・・でもさ双子なのに何でこんなに身長違うんだろう?僕の身体が弱いから?お肉は苦手だし脂ののった魚もちょっと苦手ご飯も通常の男子ほど食べられないっていうのが悪いのかな?栄養が足りてないって感じなのかな?それだけで身長が伸びないってちょっと不公平な気がする。
でもまだこれから身長伸びるはず・・・きっと・・・もしこのまま止まっちゃったら・・・
雅に対してほんのり殺意湧く・・・なんてとちょっとだけ思うのは仕方ないよね?
そんな雅と七緒は今現在僕の頭の上で変な言い争いをしている。
間に僕を挟んで頭上で言い合いをされると物凄く悲しくなるというかなんというか・・・ね?うっかり黒い何かが出そうになる・・・出ないけどね。
だけどいつもは凄く息があってるバスケ部でコンビを組んでるからツーカー?阿吽の呼吸?的なのがあるのに僕が間に入ると何でか子供のような言い争いを始めるのは何でだろう?
どっちがより僕の事を分かってるかとか・・・馬鹿なの?と思わなくもないけどね言ったらすごい泣きそうな顔になるから言わないけどね面倒臭いから。
つらつらとそんな事を考えてしまうのは今まさに僕の頭上でよく分からない言い合いをする二人が居るからで・・・。
「鷹は俺と一緒の方が安心するのは当たり前じゃね?」
「ハッ!馬鹿なの?あぁ雅臣は馬鹿だったな。野生の勘で動くようなところあるしね?」
「あぁ?!七緒てめぇだって似たようなもんだろ!!」
「はぁ?俺はちゃんと作戦理解してるし?雅臣みたいに行き当たりばったりな事したりしないし?毎回フォローするの大変なんだけど」
「ちゃんとうまく決まるんだからいいだろ?俺だって七緒のフォローしてんだろ!!」
とかよく本当にくだらないし分からないんで止めてほしい。
ただ高校進学前にちょっとしたお祝いパーティをしようって事で話し合ってたはずなのに・・・気が付いたら僕がどちらと一緒の方が安心できるかとかどっちと一緒の方が楽しいかと言いだして・・・気が付けば話がおかしな方向へ行ってしまっている。
止めるべきなんだろうけれど・・・どうすれば止まるの?
そんな二人だけれど・・・いざという時は妙な連帯感?一体感?があるんだけれど、そこには僕はなかなか入れないのがちょっと悲しいかな・・・どちらかと言えば僕より雅と七緒は一緒に居たのだから仕方ないとは思うんだけどね。ちょっと疎外感を感じてしまうのは仕方ないよね?
兎に角どうにか止めなきゃと思って声をかけようとしたとき足元が突然光りだしたんだけど・・・何事?!
何となく嫌な予感がしてそ~と光ってる足元を見るとよくファンタジー系の話とかで見る魔法陣?みたいのが浮かんでるんだけど。
「え・・・えぇ・・・っとこれって魔法陣とかいうやつ?」
「「って鷹とりあえずここから出るぞ!!」」
「え?あ、うん」
雅と七緒に腕を掴まれて足を踏み出そうとしたら地面の感触が消えた?
「え?うそ・・・地面消えてない?!雅、七緒どうしよう?!」
「これヤバイやつか?って言うか普通魔法陣ってどうなんだよ七緒?」
「これ実はマンホールって訳じゃないよな?!魔法陣のつくりなんて俺が知るはずねえだろ馬鹿雅臣」
暢気な言い合いな気がしなくもないけれど実際問題こんな状況物語の中だけだよね?!現実でこんな事起こるの?
どうなの?
現実逃避気味にそんな事考えてても現実は変わりなく・・・重力に逆らう事なく僕たちは落ちていく・・・
右腕を雅に左腕を七緒に捕まれたまま足場も何もない真っ黒い空間に投げ出された。
「魔法陣は実は真っ黒い空間に繋がってる落とし穴だなんてそんな事
知らないし聞いた事なんてないんだけど!?コレって普通の事なの?どうなのぉぉぉぉぉ?????」
そんな叫びと共に穴の底へと仲良く三人で落ちて行った。
そしてこの出来事により僕たちの日常が
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