番外1:実祖母の顛末

戸籍、ということでは、今回実は実祖母と父の戸籍の方が奇怪なことになっていたのでそのことを少し書こうと思う。

今回の顛末で実祖母のことも戸籍調べを入れたが、実は父の戸籍からは実祖母の戸籍が辿れない状態になっていた。父の出生地は記載があったが、戸籍の届出は実祖父が行っており、実祖父の戸籍に父は長男として書き込まれている。その後養父母の元へ養子に出された記載になっている。

戸籍に詳しい人ならあれ、と思うかもしれない。現在は婚姻していない男女の間に子供ができたとしても、子はまず母親の戸籍に入り、そこに認知によって父親の名前が記載される流れになる。今回父の戸籍は実祖父が届け出を出して実祖父の戸籍に直接入っており、母として実祖母の名前は記載されているものの、実祖母がどこの戸籍に所属している人物であるかは不明だった。

弁護士さんに調べてもらったところ、実祖母は実祖父と一度婚姻し、その後離婚。ただ離婚後に子供が産まれている。民法772条2にある嫡出推定の期間内であり、父親は実祖父と判断されたのか、直接実祖父の戸籍に入った。旧戸籍法には庶子出生の時は父が届け出をする(72条2)という規定があったので、父が生まれたのは新戸籍法・新民法の時代ではあったが、認知した子供の届けを出すのは父親、だったのかもしれない。ただ、その手順通りにやると当時は実祖母の戸籍には子を出生した記録が残らなくなるらしい。

父のケースはまさにそれで、実祖母の戸籍を取り寄せてみると父という息子がいた記録がどこにも残っていない。実祖母は実祖父と離婚後別な方と再婚、子供を二人産んで亡くなったらしい。死亡時に相続が発生したのかどうかは定かではないが、なんの連絡もなかったので、ご遺族もよもや他の親戚がいるとは思っていなかったのかもしれない。今更戸籍情報をもとに親子の名乗りを上げることは、父がしなかったことなのでしなかったが、腹を痛めて産んだ子のことを、実祖母がどう思っていたのかは知りたかった気もする。

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