ビッグゴーレム戦闘のその後
俺達はブンゼが捕らえられてから、ビッグゴーレムの後始末や事情聴取など色んなことがあって全部済ませた頃には体力と精神面でヘトヘトになった。
受付嬢のアンジーさんも俺達に気遣ってくれて「2日ぐらい休みを取って下さい」と言ってくれたので、お言葉に甘えさせて貰った。
「ゆったりした時間を過ごすのも悪くないね」
カイリはそんなことを言いながら自身が作ったポーションとマナポーションを仕分ける。
「…キャンッ⁉︎」
ルルが「魔物と戦いたい!」と言いたそうな鳴き声を上げた。
「まぁ明日から魔物の討伐するからさ。今日はお外で遊ぶぐらいにしておこう」
「キャンッ⁉︎」
ルルが「はぁ〜い!」と言いたそうな鳴き声を上げると、ファニーちゃんのところへと向かった。
そうそう。捕まったブンゼはと言うと、捕まって早々事情聴取を行われたときは「知らぬ存ぜぬ」で通していた。でもブンゼの店から見つかった違法売買の品や借金の借用書。そして借金取り達の話を証拠に突き付けたら、観念して全て正直に話した。
商会ギルドの除名処分はもちろんだが、今後次第では一生牢獄の中で生活するハメになるかもしれない。
そして借金取り達のことだが彼らもまた法外な利息と闇取引に関わってを取っていたことが判明した為捕まった。今後は闇取引方面で詳しく事情聴取をするそうだ。
「〜〜〜♪」
ファニーちゃんが「わ〜い!」と楽しそうな声を出しながらプル太郎の上でポヨンッ! ポヨンッ! と飛んで遊んでいた。
本当は注意しなきゃいけないところだと思うけど、プル太郎も楽しそうにしているからいいか。
そう思った後、テーブルの上に仕分けたポーションとマナポーションの数を数える。
「3…4。うん。両方共数は揃ってるな」
そう言った後に錬成したポーションをアイテムボックスへと入れる。
「うん。レベルが上がったおかげで前よりも数を作れるようになった」
そう。レベル差Lv30ぐらいあるビッグゴーレムを倒したのだから結構入る……と思っていたのだけれども。
ーーーーーーーーーー
ステータス
名前 カイリ
年齢 15歳
種族 ハイヒューマン
性別 女
職業
ファーストジョブ モンスターテイマー Lv10
セカンドジョブ 錬金術師 Lv10
基本能力
HP 24
MP 42
攻撃力 2
防御力 4
素早さ 5
器用性 32
魔法攻撃力 17
魔法防御力 13
運 25
取得スキル
錬成術Lv2
テイムLv3
弾錬成術Lv-
召喚Lv-
分解Lv-
射撃補正Lv3
魔力回復Lv2
アイテムボックスLv10
能力成長促進Lv5
鑑定眼Lv6
マップLv2
言語能力Lv2
チュートリアルLv-
称号
女神から命を受けし者
女神に愛された者
女神に心配されし者
女神達に興味を持たれる者
転生者
ーーーーーーーーーー
……うん。以前よりステータスが上がっているけど、やっぱ弱々なのが目に見えてる。てか、想像以上にレベル上がってねぇのはどうしてだよっ⁉︎ 説明してくれ、チュートリアルさん!
説明
ビッグゴーレムを戦っている最中にレベルの高い方が2人ほど入って来ました。その為経験値の割り振る人数が増えた為に入手出来る経験値が低くなってしまったのが原因です。
追伸
経験値はレベル差問わず平等分配されるのでご安心下さい。
あ…そうなんだ。
そう思いながらため息を吐いていると、プル太郎が俺の下にやって来た。
プルンッ⁉︎
「ん? 錬金術ギルドに行かないのか? って」
プルンッ⁉︎
プル太郎が「うん!」と言いたそうな感じに震えた。
「そうだなぁ。外に遊びに行く次いでに錬金術ギルドに渡しに行っちゃおうか」
「キャンッ⁉︎」
プルンッ⁉︎
「〜〜〜♪」
ルル達も嬉しそうな声を上げると、俺と共に外へと出て錬金術ギルドを目指して歩き出した。
何か、数日前と違って人が増えてないか? それにやたらと家族っぽい人達が多いし、何よりも荷物を抱えてたりしてる。
それに家族旅行にしては観光を楽しんでいるような顔をしてない。
「一体どうなってるんだ?」
「最近になって隣国から逃げて来た人達が、この街に身を寄せに来たみたいよ」
「へぇ〜、みんな仕事場とかあるのかな?」
「各ギルドに行けば仕事には困らないけど、登録から始めなきゃいけない人はFランクから始めるからだから、どうしても安月給になっちゃうんだよね。
それで家族を養わなきゃいけないと考えると……ちょっと可哀想な気がするね」
「確かに……って、マナさんの方はお仕事どうしたんですか?」
俺が振り返ってそう聞くと、マナさんは「バレちゃった!」と言いたそうな顔をする。
「カイリを偶然見掛けたから挨拶しようと思ったんだ。それよりも冒険者ギルドにお休みを言い渡されてるのに、どっかに行くの?」
「まぁ…ポーションを届けに錬金術ギルドに向かおうとしていたところ」
「あ、そうなんだ。サニーもカイリが作ったポーションを欲しがってたから、早く行って渡してあげなよ。それじゃあね」
マナさんはそう言うって手を振ると、どっかへ行ってしまった。
……あれ? マナさんのことだから「楽しそうだから!」とか言って付いて来ると思ってたんだけど……意外だなぁ。
「キャンッ⁉︎」
ルルが「早く行こうよ!」と言いたそうに吠えた。
「そうだな。行こうか」
そう言った後、錬金術ギルドへと向かった。
「お、おう……」
錬金術ギルド内に入った瞬間、人数の多さに思わずそう言ってたじろいてしまった。
いつもよりも人が多くないか?
そんなことを思っていたら、錬金術ギルドの職員が俺が来たことに気付いてこっちにやって来た。
「カイリ様、今日もポーションを売りに来たのですか?」
「ええ、まぁ……それよりもこの状況は一体どうしたんですか?」
「えっとぉ……簡単に説明致しますと、帝国で働いていた錬金術師達がこの街に逃げて来たみたいなんです」
「逃げて来た。移住の間違えじゃないの?」
「いえ、はっきり申し上げると亡命です」
マジかよ……。
「人材流出して大丈夫なのか?」
「私の立場ではハッキリと申し上げられないのですが……帝国の錬金術ギルドで働いていた者達が多数いるので、危機感を感じない帝国はおかしいと思います」
傷とかを治す人達が国からいなくなる。……確かにこの状況に危機感を持ってない方がおかしいか。
「それよりも、ギルド長がカイリ様がこちらに来ることがあれば部屋に呼んで欲しい。と言われました。大変申し訳ないのですが、お一人でサニー様のところへ向かって頂けないでしょうか?」
ああ〜…こんだけ人がいたら、俺だけの為に対応するのも些か悪いよなぁ……。
「わかった。ルル達を連れてサニーさんのところに行きます」
「ありがとうございます!」
「お仕事頑張って下さいね」
そう言うとサニーさんがいるギルド長室へと向かい、ドアを軽く叩く。
『どうぞ、入って』
「失礼しまぁ〜す」
そう言って部屋に入ると、サニーさんが笑顔で出迎えてくれた。
「あら、カイリじゃないの。今日もポーションを持って来てくれたの?」
「はい。今取り出しますね」
そう言ってポーションとマナポーションを取り出し、テーブルの上に並べていく。
「……サニーさん忙しそうですね」
仕事用の机の脇に書類の山。サニーさんも俺の言葉に答えるかのようにどっと疲れたような顔になる。
「そうなのよ。今日になって帝国から一気に人が流れて来たから、その対応に追われてるのよ。ハァ〜……」
「やっぱり、偽大銀貨のせいですかね?」
「それだけじゃないわ。帝王が代替わりしてから、圧政を強いられるようになったみたいなの。しかも驚きなのは帝国お抱えの錬金術師達がここに来ているのよ」
「マジですか⁉︎」
「本当よ。何でも今の陛下は無理難題しか言わないし、いい魔法薬を作れてないって理由で給料もカットされた。とかで自分達から出て行ったそうよ」
「はへぇ〜……」
カイリは「帝国の陛下って、一体どんな人なんだろう?」とちょっと思ってしまった。
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