堕天使 其の九

あなたの中に、私の存在を感じ無くなった。


それが分かった時、今までの自分が儚く、虚しく思えた。


今まで、世界が色で鮮やかに彩られていたのに、急にモノトーンの世界に陥ったかのように色褪せて見え。


感覚も、今まで、鋭く切れる刃のようだったのに、今は、刃切れの悪い、鈍い刃のような感覚。


感情なんて、何処に行ったのやら。


笑うほど、楽しい事なんて、何にも無い。


ただ、涙だけが、止めどなく溢れてくる。


そんな自分が嫌で、涙を止めようと必死になるけども、打つ手叶わず、止められず、どんどん溢れてくる。


いつか、この涙は枯れ果てるのだろうか。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る