第9話 魔法使いの杖


「武器か……」


白斗はギルドを後にし,【武器】について考えていた。


ー武器といいましても、近接系、遠距離系、魔法系など色々あります。バランスを取るなら近接系ですが…


「杖がいいんだよな…」


ーだと思いました。ですが,市販の杖は愚か、王宮鍛治師の杖でも、白斗様は一瞬で破壊してしまうでしょうから…。


「…!なるほど、エイルもそろそろおかしくなってきたな…」


ーそうですね…普段ならこんなこと絶対考えませんしね。


「うん…作るか、杖!」


こうして、白斗の杖作りが始まったのであった。


【杖作り 一日目】


「とりあえず、市販の杖の耐久性をチェックだな。」

ー任せてください!《アイテム創生・普通の杖》!


白斗の前に木でできた、どこにも売ってそうな、でも少し凄そうな、そんな杖が現れた…


「《火球》…流石にこれでは、」


バリッ! 火の玉は発射されたが、同時に木が割れた様だ。


「え?」


ー主は魔力変換効率ーー魔法の質が超高いですから、壊れますよ!


「まさかな…」


次は王宮鍛治師が作る様な、ミスリルが使われた妙だった。


「《火球》」


パリン!


「これは…相当キツそうだな。」


まずは耐久性を極める、それから始まったのだった。


【杖作り 二日目】


「次は何するんだ?」

ー杖の性能ですね!耐久性を高めれば高まるほど性能が弱くなります。

「なるほど…どうすれば良くなるんだ?」

ー鍛治の仕方もありますが、やはり、核となる【水晶】でしょう…

「水晶…」


そこで,市販の杖、鍛治師の杖の【水晶】を見てみた。


「市販の方はE、Dあたりの魔魂石と光鉱石、共鳴宝石を組み合わせたものか。」

ー鍛治師の杖はB、A、Sあたりの魔魂石とミスリル鉱石、精霊の石などですね。

「なら,俺のに必要なのは…。」


案外すぐに終わりそうだった杖作りは少し長かったのである。


【杖作り 六日目】


空に浮かぶ島の中央にある家でのこと…当たりは既に橙色に染まっていた。


「完成だ!!」

ーお疲れ様です!主!


まさかここまでかかるとは思っていなかった。材料選び自体は2日で終了したが,それを組み合わせるための技術や更なる材料、そして時間や魔法、全てを用いて完成させたのだった。

因みに試験は一次の一週間後,つまりこの日の一日後、本当にギリギリの完成だったのである。


「結局、かなり膨大になったな。」


【杖の材料】


ベース 

 ・オリハルコン鉱石(空島の地下【第三層 永久の坑道】のドロップ品)

 ・鳳凰の衣(空島の地下【第二層 鳳凰の巣】フロアボス、鳳凰のドロップ品)

 ・アースタートルの甲羅(空島の地下【第一層 広大な草原】フロアボス、アースタートルのドロップ品)

水晶(核)

 ・S+、SSの魔物の魔魂石(アースタートル、鳳凰など)

 ・精霊王の宝石(精霊魔法より)

 ・霊の涙の雫(空島の地下【第三層 永久の坑道】にて発見)

 ・神の加護石(なんか作れたらしい…)


【完成品】

 ・神獣練鳳杖 SS+クラスの一品


「使ってみるか。《火球》」


ドッッカーーーーン!!!!


魔法値・8426748000


ー終焉の光粒と火球が同じ威力…


「これは魔法調整をつけといてよかったね…世界破壊兵器になるよ…」


ー主様が既にそうですけどね。


そうして六日間の最高傑作【神獣練鳳杖】が完成したのであった。

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