第43話 2度目の徳山
二度徳山行きを命じられ、今回は漁船にて防府港より徳山港に移動した。照り付ける炎天下だった。
船べりから船に沿って泳ぎ集まってくるクラゲの群れをすくい甲板に揚げると、日光に照らされ形が小さくなっていくのを楽しんだり相変わらず花子さんの唄を唄っている兵もいて、子供の様に騒いで航行していた。
瀬戸内海と言っても敵潜水艦攻撃を受ける可能性もあるので上官は常に神経を尖らせていたようだが、兵には戦状不明であったので一向に気にしていなかった。ただ甲板を照り付ける真夏の太陽が実に暑かったのが忘れられない。
徳山では前回と同じで所内での整理が主だった。
小兵達小柄な兵3名は主計飯事兵の手伝いを命じられ食事の準備に追われる日々となった。
早朝4時に起床し主計兵、下士官1名、兵長2名、それに小兵達3名で350名ほどの食事を作る。
弁当持参で行くため野外での準備作業は大変だった。ここでは防通校での飯事主計の様な行為はなく当たり前が当たり前で通るのが非常に良かった。
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