②
今日も行き交う人々の
喜怒哀楽は激しい。
雨の中でもそれは関係なく
はぁ~
今日も疲れる。
僕は
“色”で
ざっくりと分けるとこんな感じだ。
喜→桃花色{明るい灰みの赤紫系の色}
怒→紅赤{強い赤系の色}
哀→
楽→若芽色{灰みの黄緑系の色}。
その他に動揺など場面場面で
勿論、
小学生の頃から視えるようになり
最初に視たのは母さんの“怒”だった。
その頃、父さんは仕事人間で
夜遅くに帰ってくるのが当たり前だった。
浮気しているでもなく
飲み歩いているでもなく
本当に、それこそ家に仕事を
持ち帰ってくる程忙しいだけだった。
それでも、母さんは仕事人間な
父さんに対して常にイライラしていた。
八年経ち、転職した父親は
昔よりは仕事人間でなくなった。
そして、父親は“哀”の感情が
激しいことに気付いた。
小さい頃はあまり話さない父親より
母さん親の感情にばかり
目が向いていたけど中学生になる頃には
父さんの感情にも気付くようになった。
✽+†+✽――✽+†+✽――✽+†+✽
現在、高校三年になった僕は
両親には秘密で年上で同性の恋人ができた。
恋人の律希は母さんと違い
“怒”の感情を殆ど見せない。
示す割合でいえば“楽”の感情が
多くを
だが、“歓楽的”なわけじゃない。
それは彼を見ていればわかる。
『律希』
僕は今、律希が一人暮らししている
アパートに遊びに来ている。
構ってほしくて後ろから抱きついた。
『こら哉芽、
構ってほしいなら言葉にして言えよな』
ぇへへと笑うと“しょうがない”という
表情(かお)をしながらも構ってくれる。
色はよりやや薄めの緑。
この色は僕といて普通よりも
楽しいと思ってくれている証。
白緑(やや灰色い黄緑系の色)。
そう、この時はまだ知らなかったんだ。
律希に恋してる女性に嫉妬から
駅の階段から突き落とされることを。
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