おにぎり


おれの手に

指が生えていた

うにうに

それが自由に動いた

「ちょーきめーな」

率直に意見を述べた

うねうね

そいつは器用に動いておにぎりを掴んだ

ユーホーキャッチャーみたいなものだ

がしっ

おにぎりは掴まれて足が生えてないので逃げられなかった

可哀想に

「おにぎりは最初から死んでいるから殺したことにはならないよ」

きみはそう親切丁寧に教えてくれた

なるほど

教えてくれてありがとう

素直にサンクス

世界中に溢れるおにぎりの死骸というわけか

おれたちの食べるおにぎりには酸素がふんだんに混入されていて満面の笑みでそれを頬張ることを強要されていた

逆らえば路地裏で即、銃殺


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