代理


花が咲いていた

そしておれはそれを見つめていた

心の中は空っぽだった

見事なまでに

既に生きるに値しないおれがいた

「人生を代わってくれないか?」

座り込む人形に話し掛けた

「いーよ」

そいつは言って

そして明日の朝からおれだった

誰にも見分けはつかなかった

それはとてもよく出来ていた

人間の代わりなんて簡単に務まるのだ

そしてある日そいつは言うだろう

「なあ、人生を代わってくれないか?」

ようやくわかったのだ

この永遠に終わらない悪夢から覚めたいという欲望に


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