無職、起床する


おれの乳首がもげた

今朝、起きてふわああってあくびをして

なんだか違和感を覚えた

乳首がもげていた

まじかよ

おれは呟いた

嘘だろ?

嘘ではなかった

取れたての乳首を掌に乗せてみた

階段をどたどた駆け降りた

「母さんっ………乳首がもげちゃったよ!」

だがおれに母さんなどいただろうか?

いた

台所に生息していた母さんはつまらなさそうにおれと、おれの取れた乳首を交互に眺めた

まるで魂を抜かれたよう虚ろだった

それか最初から封入されていないか

朝食は永遠に作り終える様子が無かった

母親

その後ろ姿をおれは見た

まだもっとこの母さんを絶望させられる気がした


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